長年の憧れだったイタリア旅行の最大の目的は三つでした。
① 紀元前の建築遺跡の中に佇む事。
② 芸術遺産(絵画、彫刻)の前に佇む事。
③ イタリアの各地を自由気ままに歩く事。


今後、折を見て①~③で感じた事をブログに書いて見たいと思いますが、今日は港町ナポリで印象に残ったことを書くことにします。


ナポリと言えば、『 麗しのナポリ 』、『 秘密の宝庫ナポリ 』、『 懐かしのナポリ民謡 』、『 永遠の劇場 』というような麗句が頭に浮かびますが、なんと言っても有名なのは、『 ナポリを見てから死ね 』だと思います。長年、僕が憧れていた町の一つでした。

北部の町のフィレンツェでウフィツィ美術館の芸術遺産を朝一番から堪能した後、イタリア版新幹線のESイタリア)に飛び乗ってローマ駅まで直行。ローマで休息することも頭に過ったのですが、エイと思い切って別の列車に乗り換えてそのままナポリまで南下。

ナポリに到着したのは夜10時をとっくに過ぎていたにしても、ナポリの駅から町に出た時の第一印象は、予想以上に暗くて、怖くて、塵だらけの町でした。


タイに魅せられてロングステイ
ナポリ到着時間は夜10時を過ぎてしまいました。

ホテルを探しながら薄暗い夜道を彷徨っていると、技術の稚拙な『 女性スリ集団 』の手が次から次へと僕の鞄のファスナーに迫ってきたのには驚きました。彼女達の手を払い叩きながらなんとか急場を凌ぐことができたのですが、『 麗しのナポリ 』のイメージは、到着早々に吹き飛んでしまいました。

ローマ中央駅の南側にたむろする乱暴でしつこい女性スリー集団も凄かったですが、ナポリも負けてはいません。気味の悪さと怖さは、ローマ以上だったように思います。憧れていたナポリの町のイメージとは程遠いものでした。

タイに魅せられてロングステイ
僕のイメージとは違っていたナポリの町でしたが・・・

次にガッカリした事は、『 塵だらけのナポリ 』です。ナポリの道路傍は、投げ捨てられた新聞紙などの紙屑と塵で埋まっていると言っても過言ではありません。まるで公衆衛生局がストライキでもやっているのかと思うくらい散らかって汚れています。バンコクでもこれほどの事はありません。これも、ナポリでは見たくなかった光景でした。

更に、『 煙草臭いナポリの空気 』です。歩行喫煙が大好きな男女が多いナポリでは、街の空気が煙草臭いのです。更に、殆どの喫煙者は、火が点いたままの煙草を石畳上にポイ捨てするのです。アロマ・テラピーならぬ、『 ニコチン・テラピー 』の臭い香りがナポリの町に漂うというわけです。これも、僕が抱いていたナポリのイメージではありません。

このままブログを終えてしまうと、ナポリ大好きの人に叱られてしまいそうです。実は感動したことも沢山有りました。

ナポリのメルジェリーナ港から船に乗ってカプリ島に向かい、小さい船に乗り替えてカプリ島を一周しました。

タイに魅せられてロングステイ
ナポリ沖に浮かぶカプリ島

何処までも青い海原と青い空に恵まれたカプリ島一周は、、あまりの気持ちよさに、何も考えずにポカーンと過ごす癒しの時間を貰ったような気がします。

タイに魅せられてロングステイ
カプリ島沖合いの奇岩

カプリ島一周の途中に立ち寄った『 青の洞窟 』の中の太陽光線が織り成す青色の美しさは、この世の青の色とはとても思えない美しさでした。きっと一生涯忘れることのない青色になることでしょう。

実際の青色は、写真のようなレベルの色ではなく、もっと神秘的な青色だったのですが・・・僕のカメラの腕では、これで精一杯なのがとても残念です。


タイに魅せられてロングステイ
カプリ島の青の洞窟内の色合い。 画面奥の穴が洞窟の出入口。

青い海と青い空に抱かれたカプリ島の一周航路を終えて、出発した港とは違うナポリのサンタルチア港へと戻ったのですが、美しさに溢れたナポリの自然を心から満喫することができました。これこそ旅の醍醐味というものです!

タイに魅せられてロングステイ

日本の瀬戸内海の島も綺麗ですが、青色と切り立った島が見せるナポリの海は、活き活きとしたエキゾチック感に溢れています。

地下鉄とケーブル・カーを乗り継いでボメロの丘へ登りました。サン・マルティーノ修道院のテラスから眺めたナポリの眺望も素晴らしかった! ナポリ湾もベスビオス火山も霞んでいましたが、この光景は末永く僕の脳裏に残ることでしょう。

タイに魅せられてロングステイ
サン・マルティーノ修道院からのナポリの眺望

ナポリ駅から私鉄のヴェスビアーナ線に乗って訪ねた二千年以上も前の古代都市ポンペイの遺跡にも感動しました。タイで遺跡見学を趣味にしている僕ですが、タイの遺跡はせいぜい900年足らずですからポンペイの足元にも及びません。嬉しさのあまり、思わず快哉をあげてしまいました。

タイに魅せられてロングステイ
誰もいないポンペイのメイン・ストリート

ナポリの町では、漕艇外の不快な体験もしましたが、それを補って余りある感動的な旅となりました。

若し機会があれば、カプリ島以外の島だけを巡る旅にもう一度チャレンジしたい! 帰国早々ですが、もうそんなことを考えています。