スコータイ王朝の衛星都市スィー・サッチャナーライへ車で向かう途中に、タイ中部のナコン・サワン นครสวรรค์ にある 『 ジャオ・プラヤー河の起点 』 を訪れました。

タイの大学で歴史を学んでいる聴講生の僕にとって、『 ジャオ・プラヤー河 』 には特別の思い入れがあります。ナコン・サワンを訪ねた目的は、そのジャオ・プラヤー河の起点を自分の目で見てみたいという強い願望からです。

国道一号線をジャオ・プラヤー河に沿って北上、ナコン・サワンの南端から225号線に入り、約2km先のV字路を左側に入ると中国寺院の大きな門があります。この中国寺院の境内の奥まった所から、念願のジャオ・プラヤー河の起点をみることが出来ました。(下写真)


タイに魅せられてロングステイ
ジャオ・プラヤー河の起点 (左上方のピン川と右側のナーン川の合流地点)

中国とミャンマーの奥深い山地を源流とする多くの支流が合流しつつタイ北端からタイ国内へと流れ込み、やがて、タイ中部のナコン・サワンで 『 ナーン川 』 と 『 ピン川 』 が合流してジャオ・プラヤー河という大河に生まれ変わるのです。

ナコン・サワンの地で 『 メーナム・ジャオ・プラヤー 』 แม่น้ำเจ้าพระยา となった大河は、タイ中部の平原を突っ切って、南北400km、東西150km に及ぶ広大な沖積平野を形成して最終地点のタイ湾へと注ぎ込んで行きます。

いつものように、熱帯特有の豪雨が襲来したので、寺院境内の大樹の根っこに腰を降ろして暫しの雨宿りです。それまでムンムンと立ち込めていた38℃の熱気が一気に冷やされて心地よい涼風に変わる瞬間です。

20分もしない内に豪雨は止みました。『 ジャオ・プラヤー河 』 は、静かにゆっくりと流れていました。

いささかに雨降る。暫しありてやみぬ 』(土佐日記)