国立S大学社会学部歴史学科の助教授 Ms.P は今日も元気一杯です。講義室に入ると直ぐに、お世辞にも上手とは言い難いタイ文字を、ホワイトボードに書き始めました。先生の崩れたタイ文字は本当に読み辛く、時折、隣の女子大生に読み方を教わって判読しなければなりません。

Ms.P 先生曰く、
今日の講義は “ ジャオ・プラヤー河 ” です
先ずは、ジャオ・プラヤー河畔のイメージを絵にして下さい
描き終わったら、皆さんのイメージを1人ずつ発表して頂きます

今日の受講生は僕を含めて12人です。両眼を閉じて何かをイメージする人、いとも簡単に絵を描く人、隣の学生の描く絵を眺めている人など様々です。

僕が描いた絵の題材は、約400年前のアユッタヤの要塞港でもあり、商港でもあったポム・ペット港に停泊していたであろう欧州各国からの商船隊と日本の朱印船の英姿です。17世紀頭初の時代ですから、季節風を頼りに航海する帆船ばかりです。(下記)


① 日本の御朱印船    rua samphao jiipun   เรือสำเถาญี่ปุ่น
② 中国のジャンク    rua samphao jiin     เรือสำเถาจีน
③ タイのジャンク    rua samphao sayaam    เรือสำเถาสยาม
④ ポルトガル船    kamphan bai portukeesu    กำปั่นใบโปรตุเกส
⑤ オランダ船    kamphan bai hoolandaa     กำปั่นใบฮอลันดา
⑥ フランス船    kamphan bai farangseet    กำปั่นใบฝรั่งเศส
⑦ 小型端艇    rua phaai     เรือพาย
⑧ 小型帆船    rua bai      เรือใบ
⑨ 商品物売船    rua khaai khoog     เรือขายของ
⑩ 浮筏家    phee pen ruan     แพเป็นเรือน
⑪ 浮筏店    phee pen raan khaa   แพเป็นร้านค้า
⑫ 商港     thaa rua     ท่าเรือ
⑬ 要塞     pom       ป้อม


女子学生は、河畔の寺院、水田、高床式の家、森林、象などのイメ-ジを題材にしした人が圧倒的に多かったようです。女性が好みそうな河畔の風景画といった感じです。

先生が此の日に予定していた講義内容は、期せずして『 アユッタヤ港とジャオ・プラヤー河の役割 』 だったこともあって、僕の絵が題材として活用されることになりました。