国立T大学のタイ語(Speaking & Listening)の授業方法を簡単に説明しましょう。

約100頁に渡る初級用テキスはタイ文字で書かれていました。
但し、英文字でタイ語の読みが付記してあるのでタイ文字を読めない僕でも支障はありません。更に、タイ文字で書かれた文章の英訳文も付いていますので、中学校程度の英語力さえあれば、タイ語の意味を難なく理解できるようになっています。

授業はこのテキストに沿って進むのですが、授業中にテキストを開いて読むなんて事は先ずありません。授業の進行は、二人の先生が寸劇のような 『 掛け合い 』 を行ってサンプルを示し、その後は先生と生徒の 『 掛け合い 』 の始まりです。それが終わると、今度は教壇上で、コンビになった生徒同士が 『 掛け合い 』 の練習をするというパターンを繰り返します。

最初の頃は、基本的な会話文を丸暗記するしかないのですが、慣れてくると即席のアドリブを駆使して会話の幅が拡がるようになるから不思議です。先生もアドリブを期待しているようでした。

T大学の全ての先生がこの教授法を採用しているのかどうか定かではありませんが、単に机に座して声を出して読むだけではなく、教壇の上で、寸劇俳優のように身振り手振りで臨機応変に会話を楽しむ方法は、度胸が付くばかりでなく、聴力や話力の向上にも効果的だと思いました。

僕が大学生の時に英語を教わった米国人のM教授の授業がこの教育法に似たものでした。英語小説を講読したあとは、配役を割り振られた学生が教壇を舞台に見立てて英語劇を披露するのです。

味も素っ気も無い原書講読だけよりは、英語劇スタイルの授業の方が遥かに楽しく、内容の理解も深まったような覚えがありますが・・・まさか、タイ語の授業で40年ぶりに同じ体験をすることになろうとは!! 想像もしていませんでした。