日本流に言えば 『 正月の三箇日 』 が明けました。

この国では1月1日だけが休日ですので 『 正月休み 』 といった風情はこれっぽちもありません。世の中は1月2日から忙しく動いています。

しかし定年退職者の僕には、 『 日々是サンデー毎日 』 ですから、好むと好まざるに関わらず、世の中の忙しさとは一線を画すことになります。

今朝も朝寝坊を決め込んで心地良い転寝をしていたのですが、訛りの強い米語を話す男性の電話で叩き起こされてしまいました。

ニューヨークで知り合ったタイ人のS君でした。アメリカに移住した彼の祖父が不動産業で大成功、今はニューヨーク郊外に豪奢な別荘を保有する成功者一家の長男です。
  
S君 『 一時帰国しました。静かな所で酒を呑みましょう

バンコクのアソーク通りに近いホテル・レストランで夕食を終えてから、近くの風変わりな西洋倶楽部のようなところで、久し振りの酒を酌み交わすことにしました。

タイを飛び出して米国の永住権を取ったタイ人のS君、日本に戻らないでタイに落ち着いた日本人の定年退職者の僕、なんとも奇妙な取り合わせの二人がケンタッキー・バーボンを酌み交わしながら深夜過ぎまで盛り上がりました。

僕   『 タイ語を勉強したいのだけど、どこの大学がお薦め?
S君  『 タイ国内を旅行した方が良いですよ。旅に優る先生はいません
僕   『 僕はもう若くないヨ・・学校に入学する・・これが Best Way じゃないの? 』
S君  『 一人で旅すること、これこそが近道なのです
僕   『 他人事だと思っていない?
S君  『 とんでもない、これが真実です。先輩の旅立ちに乾杯!チャイヨ!

酔っ払って呂律が怪しいS君ですが、眼はけっこう真剣でした。