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平野幸夫のブログ

ギリシャ語を語源とする「クロニクル」という
言葉があります。年代記、編年史とも訳されま
す。2014年からの独自の編年記として綴りま
す。

新型コロナウイルスに感染した重
症者が今月に入って、全国で1日
1000人を超えた。大阪では連
日40人以上が亡くなっている。身
近がすくむような恐怖を感じる。
頼りはワクチン接種だが、政府の
配給日程がコロコロ変わって信用
できない。菅義偉首相は高齢者接
種を「7月末に終わらせたい」と
発言したが、何ら明白な根拠を示
せなかった。注射を打つ医療担当
者の接種率がまだ2割台にとどま
る酷薄な現状で、そんな短期間で
完了などできるできはずもない。
公然と嘘をつくリーダーの存在そ
のものが、コロナ禍の悪化に追い
打ちをかけている。


放送メディアからは連日高齢者が
ワクチン注射を打つシーンが映し
出される。しかし、身近にまだ打
った人は一人もいない。実体がと
なわない欺瞞に満ちた画面をたれ
流すのは、まるで戦前の大本営が
戦果をプロパガンダ(宣伝)にし
た手法と同じだ。そんなテレビ番
組をハシゴした河野太郎担当相も
「全高齢者が6月末までに打てる
量を自治体に届ける」と胸を張っ
たが、自治体には「1日でも早く
打っていただきたい」と丸投げ姿
勢だった。


打つ人が足りないのに、できるは
ずがない。先月国内の接種ペース
はわずか7万7000人で、高齢
者3600万人の2回接種完了は
全然見通しが立たない。ある試算
では、週平均の接種ペースを直近
の41倍にした約553万回にしな
いと間に合わないという。まず不
可能な数字である。官邸記者らは
菅首相に、「7月末完了にどんな
根拠があるのか」と強く迫るべき
だ。政治で最も大事な国民の命と
安全に関した発言で、偽装や欺瞞
はけっして許されない。先月末の
衆参院3補選での自民全敗は、有
権者の政府への鉄槌だったと言え
るが、首相はまだ懲りていないよ
うだ。それどころか、「すぐに収
まる逆風にすぎない」と居直って
いるかのようだ。


ここにきて、インドからの変異株
の脅威も押し寄せてきた。二重変
異の猛威を持ち、インドでは1日
30万人もが感染、日本でも3月に
8人、先月78人の陽性者が出てい
たのに、空港検疫など水際対策を
強化していなかった。すでに市中
感染が始まっていつ恐れがあるの
に、ゲノム解析はごくわずかしか
されていない。インド変異株はワ
クチン効果を提言させ、感染力も
これまでの2倍以上あるとされる
。ようやく今月1日から検疫が強
化されたが、加藤勝信官房長官は
格段の注意が必要なのに会見では
何も要請しなかった。


加藤官房長官に危機感がないのは
厚労相相だった時からである。昨
年春、勝手に「37・5度で4日間
」ルールを作り感染者の入院を抑
制した前歴がある。こんな人物が
政権の中枢にいる不幸を思わざる
をえない。話はそれるが、加藤官
房長官は先日大恥をさらした。興
行自粛を求められている伝統芸能
について言及した時、寄席を「ヨ
セキ」と読んだのだ。未曾有を「
ミゾウユウ」と言った麻生太郎元
首相以上の恥ずかしさで、SNS
では一挙に拡散してしまった。あ
まりに常識が欠如した政府の広報
責任者が今後ますます信用されな
くなる。落語家の立川談四楼は文
化芸術に興味なく生きてきた人生
を「メッキが剥がれた」と嘆いて
いた。


感染爆発が止まらない現状で、11
日に緊急事態宣言解除などできな
い。専門家の多くが感染者第二ス
テージにならないと、7月の緊急
事態再宣言は必至であるとデータ
を示している。政府は対処すべき
は五輪中止決定とワクチンの接種
人口の早急な拡大である。


    【2021・5・3】


(次回は都合で13日に掲載します)

医療崩壊を招いた自分の「コロナ
失政」を責任を放棄し、吉村洋文
大阪府知事が私権制限の必要性を
公然と口にし始めた。こんな非常
時でも、憲法改悪に導こうとする
「維新政治」の本性を見る思いだ
。大阪の1日の感染者数は昨日1
230人にのぼり、感染者が救急
車で48時間も待たされるという医
療崩壊が改善される気配はない。
日々状況が悪化する中、府市合わ
せ2300人もが会食していた綱
紀の乱れも正さずして、テレビ出
演をはしごばかりする吉村知事。
この扇動政治家のもたらす「害毒
」を直視し、批判の声を高める時
ではないか。


維新に政治勢力が席捲されている
大阪以外の自治体首長から、よう
やく心ある声が上がった。兵庫県
明石市の泉房穂市長が吉村知事の
私権制限発言を厳しく指弾した。
吉村知事は「社会危機が生じた時
に、個人の自由を大きく制限する
場合があると国会の場で決めてい
くことが重要だ」としていた。


泉市長の批判には説得力があった
。「大阪府知事は有害だ。自分が
病床の確保をしていないのに、そ
れを国民に責任転嫁し私権を制限
するのはまさに政治家の責任放棄
だ」と指摘した。どさくさに紛れ
て、自分の信条に固執し性急に実
現させようとする手法には限りな
い危うさを感じる。この扇動政治
家は昨秋も、コロナの第3波の渦
中にさえ、大阪都構想の住民投票
を強行、住民から「ノー」を突き
つけられた。それに懲りず、今度
は府市一体化条例を制定、一度示
された民意に「知らぬ顔」を決め
込む。


各所で破たんが目立つ「維新政治
」に助け舟を出しているのは公明
党だ。府市一体化条例にも賛成、
最近ではサウナを市役所に持ち込
んだ維新出身の冨田祐樹池田市長
の不信任案は公明議員が賛成せず
否決された。次期衆院選で維新の
票を期待した背信行為で、「サウ
ナ市長」の居座りを許してしまっ
た。公明の裏切りに池田市役所に
は抗議電話が殺到したのは当然だ


維新議員のスキャンダルも後を絶
たない。25日には梅村みずほ参院
議員の成松圭太秘書が殺人未遂容
疑で逮捕された。酒に酔ってけん
かをした挙句、知人男性を車では
ねて殺害しようとした容疑だった
。キレたら何をするか分からない
ような秘書を雇う梅村議員も政治
家としての資質に欠けるのではな
いか。2年前には維新で当選した
丸山穂高衆院議員が北方領土に関
し「戦争をしないとどうしょうも
なくないか」と発言し除名になっ
たが、不祥事は枚挙にいとまがな
いほどだ。


維新代表の松井一郎大阪市長は市
役所に出勤する日が月の半分程度
だったこともあるといい、上から
下まで、綱紀紊乱は目に余る。何
より吉村知事の「コロナ失政」は
罪深い。大阪の感染爆発を止めら
れなかった影響を受けて、自分の
住む神戸市だけでも連日200人
の感染者を数え、収まる気配はな
い。兵庫県全体では連日500人
を超え、重症病床は7割以上がう
まってしまった。


テレビ出演をはしごする吉村市長
は2月の緊急事態宣言解除が早す
ぎたのではないかと聞かれても、
けっして非を認めようとしない。
「変異株を軽視したせい」と何人
もの専門家が指摘、病床数の確保
も後手後手の連続だ。この間、重
症病床を減らしたのが、最大の判
断ミスだった。在京テレビ各局は
安易に吉村市長を担ぎ出し、言い
分をたれ流す。現況を検証もしな
い軽薄な番組制作が吉村知事のよ
うな「アドバルーン政治家」の増
長を手助けしているのである。


          【2021・4・28】

コロナ感染の恐怖を愚弄するよう
な暴言がIOCのトーマス・バッ
ハ会長から飛び出した。「緊急事
態宣言は五輪と関係ない」。25日
に東京、大阪、兵庫、京都に出さ
れる新型コロナウイルス感染拡大
防止のための緊急事態宣言の期間
がわずか2週間にされたのは、来
月17日のバッハ会長来日前にして
、世界に感染抑制策を演出したい
ためという見方が強い。しかし、
政府の分科会の尾身茂会長でさえ
「3週間は最低必要」と政府に批
判的だ。このままでは、多くの人
々の命がリスクにさらされ続ける
。五輪開催の最終判断はバッハ会
長が握り、菅政権と共に「五輪利
権」に固執する姿が醜悪であると
言うだけでは済まされない。


五輪組織委は今月中に決定すると
していた開催条件を6月に先送り
にしてしまった。「無観客になっ
ても開催する」という内なる合意
がIOCと結ばれていると見るべ
きだろう。その前提に立てば、す
べて符合する。支持率が上向かな
い菅政権が延命できるのは国威高
揚気分高めた五輪後の解散で「負
けを最小限にとどめる」しか戦略
はないのだろう。


東京都のモリタリング会議で都内
の感染者は5月7日になっても、
2000人にのぼる見通しが紹介
された。そんな事態に宣言解除な
どできるはずもなく、延長は避け
られない。IOCは今月に入って
、五輪期間中の選手に対する検査
を4日に1回としていたのを、バ
ッハ会長は「毎日にしたら」と言
い始めた。それだけ、世界から日
本の感染拡大が不安視されている
からだ。しかし、毎日、1万人を
超す選手を検査する医療従事者を
確保するなどできない。五輪に人
手をさくことが国内の医療環境を
劣悪にするということを理解しな
いバッハ会長。その自分勝手な発
言を厳しく糾弾しなければならな
い。


聖火リレーもまだ中止になってい
ない。五輪組織委は「コロナの感
染拡大の機会になったという報告
はない」としているが、自分の故
郷の成果イベントで感染者が出て
しまった。昨日、聖火リレーの沿
道警備をしていた香川県警の巡査
部長が感染した。危惧されていた
聖火リレー関係者の初の感染報告
である。隣りの中村時広愛媛県知
事は松山市内のリレー中止を号泣
しながら謝っていたが、とんでも
ない思い違いだ。よくぞ中止した
と誇るべきだった。何度も言うが
、五輪と聖火リレーは本来何の由
来もなかった。ナチスドイツが当
時のドイツ国民の国威発揚気分を
盛り上げるため思いついたイベン
トにすぎない。海外から見たら、
コロナが感染爆発する中の聖火リ
レーなど狂気の沙汰に見えるので
はないか。即刻中止すべきである


丸川珠代五輪相は選手にワクチン
を接種すると言い始めた。しかし
、何万人ものボランティアは無視
されたままだ。もし、未接種のボ
ランティアから選手に感染したら
どう責任をとるのか、聞きたい。
きっと答えられないはずだ。そも
そも、医療従事者にさえ接種でき
ていない段階で不足するワクチン
を選手優先に接種することが認め
られるだろうか。反対する声が上
がるのは必至である。


菅首相はファイザー社のCEOと
電話会談し「9月に供給されるめ
どがたった」とアピールしたが、
虚偽報告だった疑いが強まってい
る。合意書もなく、ファイザー社
は「協議中である」としか言って
いない。調達の失敗を隠ぺいする
ため、いつものように「やってる
感」の演出だけで、だまされては
ならない。


25日日からの緊急事態宣言下では
飲食店に酒類も出さないよう要請
するだけで、十分な休業補償もし
ない。しわ寄せは弱い立場の人に
より強まる。「五輪利権」にあず
かる人だけが安心できる、こんな
政治と早く決別しなければならな
い。

       【2021・4・23】

背筋が凍るような新型コロナウイ
ルスの感染爆発である。自分の住
む神戸では昨日、ついに1日の感
染者数が200人に達し、4日連
続で過去最多を記録した。頼るの
はワクチン接種しかないが、全国
の医療従事者でさえまだ14%しか
打たれていない。「第4波の大き
なうねりは見られない」と言って
訪米し手柄顔の菅義偉首相からは
、コロナから国民の命と安全を守
る必死さがみじんも伝わらない。
様々な課題に統治不能ぶりをさら
けだすこの政権を代える第1歩と
して、25日投開票の衆参3補選で
鉄槌を下す審判が必要だ。


「コロナ失政」の政権が最も恐れ
るのは、自分たち与党の議席が減
って次の衆院選で惨敗することで
ある。その前兆戦になるのが、3
補選で、各社の世論調査ではその
兆候が表れている。今朝の毎日新
聞によれば、参院長野選挙区では
立憲民主新人候補が自民新人を引
き離し優勢である。また広島選挙
区では、与党が担いだ官僚出身候
補が当初優勢だったが、中盤戦以
降、野党が擁立したフリーアナウ
ンサーの女性候補が逆転している
と伝えられる。衆院の北海道2区
補選は、収賄で起訴された元農相
の議員辞職に伴うもので、自民が
独自候補を見送り、野党は元衆院
議員を統一候補にし、事実上不戦
勝になる気配だ。


仮に、このまま情勢が変わらず与
党が3連敗すれば、菅義偉首相で
は、次の衆院選は闘えないという
声が党内で高まり「菅おろし」に
直結する可能性がある。訪米から
帰国した菅首相は、選挙区の応援
に入らないという。買収事件で議
員辞職した河井案里議員の選挙で
は、安倍晋三前首相と一緒になっ
て、何度も入れ替わりながら現地
応援した時と比べて、何という変
わりようか。首相自身が自身への
強烈な逆風を感じているからだろ
う。


菅政権発足から半年が過ぎたが、
これほど早く統治不能ぶりをさら
した政権はないのではないか。日
本学術会議の任命拒否から始まり
、コロナの感染拡大の中、GoT
oトラベルを強行した結果、2回
目の緊急事態宣言を招いてしまっ
た。年明けからは長男による総務
省接待疑惑が重なった。いずれも
枠から逃げ回るだけで、任命拒否
も電波行政介入の全容解明は先送
りしたままである。


さらには福島原発事故から10年を
迎えたこの春、事故による汚染水
の海洋投棄を決めてしまった。地
元だけでなく、中韓両国から強く
反発されるだけでなく、広く国際
問題に発展しそうだ。トリチウム
だけでなく、ほかの放射性物質も
除去できていない疑いがある。首
相や麻生太郎財務相は「処理水は
飲める」と口を揃えるが、飲む姿
は見たことがない。放射線の専門
家の多くが多核種除去設備(AL
PS)の処理能力を疑問視してお
り、東京電力がいくら安全と言っ
ても、信用できない。首相は勇気
ある決断をしたつもりだろうが、
この判断が次第に自分の首を絞め
続けるのではないか。


全体に「コロナ失政内閣」と統括
したくなる菅政権によるプロパガ
ンダ(政治宣伝)で、もっとも看
過し難いのが、ワクチン接種での
「やってる感」の虚偽演出である
。ワクチン接種率は1%にも満た
ず、最貧国レベルであるのに、テ
レビ画像は連日、高齢者への接種
風景をたれ流す。自分の行きつけ
の医者に聞いても、未接種で不安
がる。全国で接種が完了した医療
従事者は14%しかないのに、河野
太郎ワクチン担当相はテレビ出演
を繰り返し「もうしばらく待って
ほしい」と懇願するだけだ。


菅首相は訪米時、面接を断られた
ファイザー社の社長に電話で要請
するしかできなかった。まるで風
刺漫画に題材を提供するような光
景ではないか。米国で電話するく
らいなら国内にいる時に、もっと
早くできたはずだ。その過剰な振
付けに唾棄したくなった。


          【2021・4・18】


「すべての戦争は自衛の名のもと
に始まる」。今こそかみしめたい
言葉だ。


 菅義偉首相が今週訪米するのを
前に、遠くから戦争の危うい足音が
聞こえるようだ。昨秋、自民党の
総裁選で菅首相に敗れた岸田文雄
・元外相が「敵基地攻撃」を容認
する提言をした。これまで党内で
リベラル志向と見られていた派閥
「宏池会」トップの豹変である。
今秋の総裁選で、安倍晋三前首相
のいる右派「細田派」の支持を獲
得したい魂胆を隠さない。米中間
の緊張が高まる中、バイデン米大
統領は菅首相にこれまで以上に防
衛協力を求めるのは必至だ。緊張
関係の緩和に見向きもせず、二人
が競うように米国の軍事力に頼ろ
うとする姿に眉をひそめたくなる


「敵基地攻撃」は敵のミサイル発
射能力に直接打撃し、その攻撃能
力を減らす能力を保有することで
、自衛のための戦力しか容認して
いない憲法にも違反する解釈であ
る。安倍前首相は辞任前に、その
能力保有を訴えた談話を発表して
いたが、心ある防衛当局幹部から
は「事前に相手の動きを察知して
先制攻撃する能力など持てない」
と否定的である。


下落した内閣支持率が上がらない
菅首相が訪米して防衛上の成果を
あげようとしているのを見て、岸
田元外相も敵基地攻撃容認に動い
たとみられるが、そもそも経済重
視で軽武装を基本方針としてきた
宏池会の路線からも逸脱している
。安倍内閣でも憲法違反の安保法
成立に外相として協力してきた岸
田元外相の無節操さがまた露わに
なった形だ。


次期衆院選で、仮に菅政権に「N
O」の民意が示されても、野党連
合への政権交代がすぐに実現する
か、壁は高い。仮に与党が敗れて
も、菅首相の代わりに岸田元外相
が次期政権を担う可能性は依然残
る。そうなれば、岸田元外相が宏
池会の基本路線など無視して、右
派に一段と擦り寄る可能性もある
のではないか。


岸田元外相は地元での河井克行夫
妻の選挙違反事件後の参院補選で
「敗けるわけにはいかない」と発
言しているが、前回選挙では自分
が担いだ候補に対抗して杏里前議
員を擁立して地盤を荒らしたのは
安倍前首相と菅首相である。岸田
元外相が自分の候補を守れなかっ
た体たらくを棚に上げ、今回自民
候補の支持を求めるのは筋違いで
ある。本来なら約100人もの買
収事件が起きる腐敗した選挙風土
を反省し、候補見送りするのが筋
のはずだ。まともな有権者なら、
自分の顔をつぶした張本人の安倍
前首相になお支援を求める岸田元
首相を情けなく思い、資質にさら
なる疑念を持つだろう。


中国公船による尖閣諸島周辺への
領海侵入が続く中、米国のバイデ
ン政権は同諸島が日米安保の防衛
区域に入ると表明、防衛当局幹部
らから胸をなでおろす声が聞こえ
る。しかし、それは有事の場合、
米軍が直接戦力を投入するという
約束でない。それどころか米軍関
係者からは「ただのロック(岩)
のために血は流せない」という見
方も伝わる。一方で中国が5、6
年後に台湾侵攻を実現するとみる
米台のアナリストも複数いる。今
後日本が、台湾防衛のため戦力の
提供を米国から求められる恐れも
出始めている。


今週の日米首脳会談では、日本が
尖閣防衛の引き換えに台湾の防衛
協力を了解しないか、強い懸念が
ある。支持率ダウンの政権は洋の
東西を問わず、有権者の目を外に
向けさせるため「外敵」を作るの
が常だ。しかし、今日本の取るべ
き道は双方の緊張を少しでも解く
ために、損得勘定を示し仲介の労
をとることである。安易に「敵基
地攻撃」などを容認すれば、中国
であれ北朝鮮であれ、想定された
国がさらなる攻勢をかけてくるこ
とを思い知っておくべきだ。


         【2021・4・13】

1年前の緊急事態宣言時をはるか
に上回る恐怖感に見舞われる。思
いつきばかりの「維新政治」がも
たらした害毒は、ついに新型コロ
ナウイルスによる「医療非常事態
宣言」を大阪にもたらしてしまっ
た。自分が住む神戸も連日過去最
大の感染者を毎日更新し続けてい
る。吉村洋文大阪府知事が緊急事
態宣言を国に先駆けて解除した2
月末には既にコロナウイルスの変
異株が関西でも流行し始めていた
。それを無視して強引に宣言を解
除した吉村知知事の事は謝罪もせ
ず今は「医療体制が非常に厳しい
」と泣きごとを言うだけである。
在阪メディアは知事のパフォーマ
ンスばかりの知事の言動をもっと
検証して伝える責務がある。


吉村知事の言動には「吉本」をも
じって「吉村新喜劇」と異名が付
けられている。マッチポンプ式に
言うことをコロコロ変えた挙句、
いつも醜悪な結末を迎えているか
らだ。民放テレビの情報番組をハ
シゴして思い付きのパフォーマン
スを披露するが、当初目論んだ結
果が得られていないことも重なる
。うがい薬「イソジン」をコロナ
に有効と過大に喧伝した時は「イ
ソジン吉村」と呼ばれた。


同じ日本維新の会代表の松井一郎
市長は医療服に代用する雨がっぱ
の提供を市民に呼びかけた。しか
し、医療現場ではその多くが使わ
れないままになり、「雨がっぱ松
井」とその取り組みが批判された
。いずれもコロナ感染の深刻さと
真正面から向き合わず、専用病棟
も十分に整備してこなかった。そ
して重症病床使用率が危険ライン
の70%を超えてしまったのである


大阪の緊急事態宣言解除はその後
の政府の解除に道を開いた。いず
れもあの時に解除を先送りにして
おけば、こんな事態を招いていな
かったと専門家らは口を揃える。
日本医師会の中川俊男会長は7日
、現状について「これまでで最大
の危機」と訴え、「この勢いのま
まいけば、(3度目の)緊急事態
宣言も視野に入ってくる」と警告
した。宣言解除がさらなるリスク
を呼び込んだ表れではないか。


通天閣に赤色ライトを点滅するく
らいしか策がない吉村知事は飲食
店に間仕切りのパネル板とCO2
センサーの設置を求めた。そして
大阪市内約4万軒を回る「見回り
隊」が抜き打ち検査するという。
店の多くが調達できず、困惑して
いる。本来なら協力を頼む側の行
政が費用を負担して配布するのが
責務でないのか。末端にしわ寄せ
して自らの責任を回避するやり方
に強い批判が出ている。


維新政治が罪深いのは、コロナ対
策そっちのけでこの間、大阪都構
想が住民投票で二度にわたって否
決されたにも関わらず、大阪府と
市を一体化させる「一元化条例」
府市の議会で可決させたことだ。
1日施行されたこの条例で成長戦
略や都市計画の一部を市から府に
委託することが可能になった。こ
れは市町村の基礎的自治体に国や
都道府県の権限を移譲する地方分
権の流れに逆行している。住民投
票で示された民意を踏みにじる強
権ぶりが露骨に示された。



そんな維新は菅政権と同じように
「コロナ失政」を招いた反省もせ
ず、勢力拡大に熱心だ。あまり維
新の勢力が及んでいなかった兵庫
県の知事選にも吉村知事の部下だ
った大阪府の財政課長の擁立を決
めた。これに自民党県議の一部が
加わり、分裂選挙になりそうで、
目が離せなくなってしまった。



何かに取りつかれたような目に見
えてしまう吉村知事と橋下徹元知
事がテレビの画面に映ると、すぐ
チャンネルを変えることにしてい
る。なぜなら、二人は言うことを
コロコロ変えて責任をとる姿を見
たことがないからだ。


            【2021・4・8】

「変異株が増えてますから」。コ
ロナウイルス感染者が急拡大した
原因を問われ、菅義偉首相はこん
な言い訳をして、緊急事態宣言解
除の判断ミスを認めようとしない
。専門家の反対を押し切って、2
月末に前倒しの宣言解除を強行し
た吉村洋文大阪府知事も「急拡大
の山がきていると」と謝罪もしな
い。全国で第4波を招いてしまっ
たのは、無能を覆い隠す言動しか
できないこんな政治家らのせいだ
。頼りのワクチン接種は先進37カ
国中、最下位の0・65%で最貧国
レベルである。政治責任をとろう
としない首相の側近は首相官邸で
派閥の会合を開く始末だ。「公」
と「私」を区別できない政権と早
く訣別できなければ、亡国の道を
たどるしかない。


こともあろうに自民党の派閥会合
を公の場である首相官邸で開いた
坂井学官房長官は当初、記者の質
問に「何が問題とお考えか」と逆
質問していた。佐藤勉自民総務会
長は「今までの政治生活で聞いた
ことがない」とあきれるほどの無
神経ぶりだった。会合に参加した
13人は菅首相を支持する「ガネー
シャの会」のメンバーである刑事
事件に問われた河井克行元法相や
菅原一秀元経産相も加わっていた
。菅首相は「聞いていなかった」
と釈明しているというが、了解な
しで開かれるはずもない。公私の
区別ができない議員は厳しく批判
されるだろう。


こんな議員ばかりに支えられてい
る菅首相だからこそ、電波行政を
「私物化」する総務省違法接待な
ど起きたのではないか。上から下
まで共通するのは「責任回避」で
ある。


菅首相は緊急事態宣言について、
参院の蓮舫議員に真正面から「大
丈夫ですかと」と問われ、「大丈
夫と思います」と答弁していた。
1カ月も経たないうちに、その言
葉が虚偽だったことが分かった。
宣言解除時に変異株拡大を多くの
専門家が指摘していた。それを無
視して今さら言葉遊びのような「
まん延防止等重点措置」を適用し
たが、実体は緊急事態宣言と中身
はほとんど違いはない。事実上、
解除が人流を拡大させ感染者さら
に増やしてしまう結果になったの
である。変異株はすでに44都道府
県に拡大、専門家らはゴールデン
ウィーク前後から猛威を振るう第
5波の到来も指摘する。



打つ手なしの行き詰まり感を変え
ようと、与党から解散風が吹き始
めた。菅首相は昨日、テレビ東京
の番組で「感染拡大を防ぐことが
政権に託せられた使命」と述べ「
まん延防止等重点措置」期間中の
解散を否定した。しかし、16日の
日米首脳会談の成果をぶち上げ、
支持が少しでも上回れば、信を問
いたいのが本音であろう。


野党は受けて立って、「ワクチン
無策に代表される無能ぶりや安倍
政権」から続く「国政私物化」に
よる腐敗を有権者に問えば良い。
内閣不支持率が支持率を上回る、
こんな好機はない。仮に政権交代
ができなくても、与党の大幅な議
席減に追い込めれば、少なくとも
驕りと腐敗がただされる結果をも
たらすことはできる。


同時に関西では第4波を招いた張
本人であるにもかかわらず、責任
をとらないまま素知らぬ顔で空虚
な「マスク会食」を強いる吉村知
事らによる維新政治の失政も糾弾
しなければならない。解散になれ
ば、菅政権の補完勢力である維新
の害毒をも払しょくする機会にな
りえる。野党は受け身ではなく、
一致して攻勢をかける時である。


         【2021・4・3】

 

五輪の聖火リレーはナチスドイツ
が国威発揚のため始めたプロパガ
ンダ(宣伝活動)である。緊急事
態宣言解除後、コロナ感染者が急
拡大する第4波の中、その聖火リ
レーが当然のごとく始まった。感
染者が急拡大しても仕方ないとい
う菅政権の判断がまかり通るのは
、もう「狂気」としか言いようが
ない。五輪開催の引きかえに命と
安全が損なわれるのを問題視、各
メディアの世論調査で五輪中止か
延期を求める答えがどれも7割以
上にのぼる。それを無視してまで
強行する菅政権の狙いは政権浮揚
の一語に尽きる。ブレーキを踏め
ない政権に「NO」の声を強めな
ければ、悲惨な状況に陥りかねな
い。


先週末、兵庫のコロナ感染者は1
日160人を超え、大阪でも緊急
事態宣言解除後最大の386人に
達した。いずれも2カ月ぶりの高
い数値で、吉村洋文大阪府知事が
国の解除より早めた悪影響が顕著
に出始めた。自分の住む神戸市は
変異ウイルスの割合が全国一にな
っているのに、久元喜造市長は先
がけた変異検査の取り組みを自慢
げに発表した前日に大阪などに足
並みをそろえて緊急事態を解除し
てしまっていた。なぜそんな前倒
しの判断をしたのか考えると、初
当選した市長選で麻生太郎財務相
に支援されていたことに符合する
。独自の判断ができず、国や周辺
自治体の出方に常に流されている


自治体トップの判断の誤りが住民
の身の危険を招いているのを実感
してしまう。関西では特に吉村知
事のコロナ政策が失敗続きだ。パ
ーフォーマンスばかりでコロナを
抑制するどころか失政続きの政府
以上にまた感染爆発を招いて、そ
の罪は重大である。中身がなく空
虚な政策を検証もせず、吉村市長
を競ってテレビ出演させて、もて
はやす在阪放送局も同罪であろう
。聖火リレーが全国で始まり、密
集の場に無症状者も来て、さらな
る感染拡大を招くのは誰でも分か
る。


海外メディアも日本の状況を奇異
に見ている。五輪中継の最大スポ
ンサーである米国NBCが先日。
聖火リレー中止を呼びかける意見
記事を掲載、世界から注目された
。筆者は元プロサッカー選手でパ
シフィック大学教授で、その主張
には説得力があった。


「五輪の華やかな行事のために、
公衆衛生を犠牲にするリスクをは
らんでいる」としながら、福島を
スタートとしたことにも「この儀
式の偽善や害毒、ばかばかしさを
際立たせただけでなく、五輪に向
けて突き進む日本の問題の縮図だ
」と手厳しく分析。「現地の多く
の人は復興の遅れを理由に五輪を
非難している。財源は五輪準備の
ために東京に振り分けられてた」
と明快に指弾している。


誰もが人が密集しやすいイベント
を止めない愚かさを感じているは
ずだ。まだ疑問視できない人は聖
火リレーが始まった由来を知れば
、考えが変わるかもしれない。1
936年のベルリン五輪を国威発
揚の好機と考えた当時のナチス政
権はナショナリズムに熱狂しやす
い若者を党に引き込むためギリシ
ャ・アテネから1人1キロずつ走
る企画を実施した。聖火トーチも
軍需産業のクルップが製作した。
ナチスドイツに国中が席捲された
。いわば聖火リレーはヒトラーの
専制政治の火付け役になったとも
いえる。


本来ならNBCのように、危うさ
を警鐘するのがメディアの使命の
はずだが、この国の新聞・放送は
競うように五輪スポンサーになっ
ている。批判精神を失ったメディ
アはジャーナリズムと呼べず、政
権の愛玩犬(ラップドッグ)であ
る。

       【2021・3・29】


「党として他山の石として、しっ
かり対応していかなければならな
い」。巨額の選挙買収事件で起訴
された河井克行元法相がようやく
議員辞職を表明したが、二階俊博
自民党幹事長がまるで他人事のよ
うな釈明をした。買収資金の1億5
000万円を同党の政党党助成
金から支出した責任者なのに知ら
ぬ顔をきめこむ厚顔ぶりだ。麻生
太郎財務相は「マスクいつまです
るのか」と尊大な口ぶりで記者に
問いかけた。こんな驕りきった発
言を連日繰り返している与党の長
老らが、傲慢な言動を繰り返すの
は、誰のせいか、思考はいつもそ
こに行きつく。


首都圏・千葉県の知事選で与党候
補が100万票もの大差で敗れ、
政権与党に衝撃が走っている。先
週の大分市議選では自民が6議席
を失った。有権者の「怒りのマグ
マ」が各地で噴出しているように
見える。世論無視の緊急事態宣言
解除後の感染者数拡大、ワクチン
調達不足、検査及び腰……一連の
「コロナ失政」に加えて、総務省
接待汚職など政官民の癒着が加わ
って、転げ落ちる石のように「信
頼度」は落下する一方だ。そんな
世論の動向を見て、自民党では衆
院選に備えたポスター作りで、菅
首相と並んだ構図を多くの候補者
が嫌がっているという。


情けないのは、「政権党の支持離
れ」を伝えるメディアの及び腰で
ある。「マスクいつまで」と麻生
財務相に聞かれた財務省担当の記
者の一人はか細い声で「当面の間
でしょうか」と答え、また麻生財
務相から「お役人みたいなことを
言うんだな」とすごまれる始末だ
。まともな記者なら「いつまでか
、説明すべきは政府の方でしょう
」と逆質問しているはずだ。それ
ができないのは、多くの政治部記
者らが「権力の愛玩犬」になり果
てているからである。


二階氏の「他山の石」発言後は取
り囲んだ記者らが「党費支出の責
任者はあなただ。自分が知らなか
ったでは通用しませんよ」と問い
返すべきだった。河井元法相の議
員辞職発言も来月の衆参両院の同
日補欠選挙を回避するのが目的だ
ったと見られ、幹事長らに説明を
求めるべきだったのではないか。
しかし、ニュース映像からはそん
な場面は映らなかった。記者らか
ら知る権利の行使という付託を有
権者から受けている自覚もうかが
えない。メディアの劣化が政権延
命を手助けしているのは、安倍政
権から続く腐食の構図である。


そもそもこの事件は検察の「忖度
捜査」に由来している。被買収側
100人のうち、現金授受の違法
性を認めているのに、大半を起訴
しなかった。わが国の汚職捜査史
上、重大な汚点を残した。河井議
員夫妻担ぎ上げた安倍晋三前首相
と菅義偉前幹事長への過分な忖度
が働いたとしか思えない。



選挙買収事件の捜査では「入」と
「出」を明確にして初めて捜査が
完結する。今回は「出」ばかりに
捜査員を動員、肝心の「出金元」
の自民党本部を捜索もせず、捜査
を終了させた。黒川元東京高検検
事長の定年延長の画策が頓挫した
挙句、林真琴新検事総長が自らの
人事を容認した政権に「深掘りし
ない」とシグナルを送ったのでな
いか。そのツケが初公判以来46回
にも及んだ公判で、河井元法相は
買収を否認し続けた。


自民党からの買収資金支出を出金
簿から立証できていれば、世論は
「税金が買収に使われた」と政権
批判が高まっていたはずだ。それ
を見越し、捜索を控えた検察は自
ら信頼を失墜させたという批判を
甘受しなければならない。


長く続くこの国の政権腐敗。権力
を牛耳続ける長老らとその膝下に
いる首相ら。元法相の議員辞職の
先延ばしで来月の衆院補選を回避
してほくそ笑んでいるかもしれな
いが、そんな弥縫策で有権者の怒
りは収まるとは思えない。策を弄
すれば弄するほど卑しさがより鮮
明に浮き立つ。


            【2021・3・24】


「天下は悪にして亡びずして愚に
亡ぶ」。NTT社長らとの接待会食
がばれた武田良太総務相の「大臣
規範に反する行為でない」という
釈明を聞いて、金沢勤務時代、大
乗寺の板橋興宗禅師が教えてくれ
たこんな言葉が頭をよぎった。「
国民の疑念を招くような会食や会
合に応じたことがない」と強弁し
ていたのが、「文春砲」であえな
く「ビール2、3杯だけだった」
と翻した。平気ですぐばれる嘘を
つく愚かさがまかり通る国会。野
党は審議拒否などを駆使してもっ
と毅然として追及しなければ、有
権者から見放されるだろう。


板橋禅師は「『悪』は自覚して反
省すれば、そこに救いはある。世
間から糾弾されて修正もされる。
これに対し何が悪なのか、何が愚
なのか、それもわからないのを本
当の『愚』」と説いた。武田総務
相は事実を覆い隠そうとする行為
が「悪」という自覚も見えない。
接待を「ビール2、3杯だけ」で
取り繕えると思っている愚かに自
ら気が付いていない。嘘に嘘を重
ねる。これ以上の「愚」はなく、
まさに国を亡ぼす振る舞いではな
いか。


ネット上では署名を求める「#武
田良太の議員辞職を求めます」の
投稿が拡散し始めた。東京地検が
17日、不起訴にしていた前黒川弘
務東京高検検事長を賭博罪で略式
起訴したきっかけになったネット
投稿署名の広がり以来である。武
田総務相は同日、東北新社の外資
法規制違反をめぐる質疑で、総務
省の鈴木信也電波部長に「『記憶
がないない』と言え」と指示して
いたことが追及された。何度も「
記憶がない」と繰り返す鈴木部長
に、立憲の逢坂誠二議員が「まだ
記憶を呼び起こす可能性がまだあ
りますね」と問いかけた。国会中
継を見ていた時「うまい追及」と
思いながら見ていたら、鈴木部長
はロボットのように同じ答弁をし
ていた。


ところが翌日、野党議員が画像を
検証すると、武田総務相が鈴木部
長に「『記憶がない』と言え」と
指示していたのが判明したのであ
る。武田総務相は「私の口から出
たのかも」と認めながらも指示は
否定したが、収録映像ははっきり
その声を拾っていた。国会審議の
妨害行為であり。接待会食以上に
看過できない不正行為ではないか
。国民注視の中、公然とパワハラ
まがいの声を張り上げる武田総務
相に退陣要求を突きつけるため不
信任決議案を提出すべきだろう。
与党に自省がなければ、今後の国
会審議はますます空疎になってし
まう。


武田総務相は18日の参院予算委で
「私は福岡11区の選挙で選ばれた
立場で投票された方を裏切る行為
はしていない」と答弁したが、こ
れまで武田陣営の選挙は汚れたカ
ネと暴力的な言動で相手候補から
恐れられていた。11区は北九州の
武闘派暴力団「工藤会」の影響が
強く、2000年代初めは保守分
裂選挙になり、山本幸三(後に地
方創生相)と激烈な選挙戦を展開
。山本幸三氏が武田支持者からの
攻撃を恐れて、防弾チョッキまで
着込んで街頭演説に立ったことは
よく知られたエピソードである。
一昨年9月、デイリー新潮は当時
国家公安委員長に就いた武田氏の
スキャンダルをレポートしていた
。山口系暴力団の元組員とされる
人物から政治資金パーティ―代と
して70万円が支払われたことやほ
か朝日新聞は武田氏自身が党県連
幹事長だった女性県議を「覚えと
け。承知せんぞ」と恫喝したこと
を報じた。この女性は何をされる
か恐れて、体調を崩したという。



まるで昭和のヤクザ映画を見るよ
うな醜聞の数々ではないか。今な
お強面で通ると思っているかのよ
うな武田総務相の辞任なくして総
務省汚職の全容解明など期待でき
ない。


        【2021・3・19】