「トランプ政治」の内実描く | 平野幸夫のブログ

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ギリシャ語を語源とする「クロニクル」という
言葉があります。年代記、編年史とも訳されま
す。2014年からの独自の編年記として綴りま
す。


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少数者への偏見と差別に満ちた「
トランプ政治」に風穴を開けるほ
ど破壊力を持つ迫真の映像の連続
だ。米国のマイケル・ムーア監督
の最新映画「華氏119」は、観
客の皆をすぐに席を立って行動を
おこす気にさせる傑作である。ム
ーア監督は白人優先の政治によっ
て蹂躙され「傷ついた米国」の様
相は余すところなく伝える。それ
はトランプ政治を賛美した「安倍
一強政治」の専制化とどこか重な
って、米国の今が「3年後の日本
か」と想起させ、慄然とする。



米国社会の劣化を告発し続けるム
ーア監督がついに「トランプ政治
」の内実に切り込んだ。冒頭から
リアルな実写映像でその元凶に迫
る。大統領選での不正工作の暴露
場面は圧巻である。草の根選挙で
大きな支持を得ていた民主党バー
ニー・サンダースの予備選挙の票
が実はヒラリー・クリントンより
多かった州を並べて、詳細に数字
で暴露する。特別代議員と言う制
度が、草の根市民候補を排除して
きた経緯がはっきり分かる。ヒラ
リー・クリントンでなくバーニー
サンダースが勝っていたら、その
勢いが燎原の火のように広がって
、「トランプ当選」は無かったか
もしれないとまで思わせる。大統
領選では、セクハラや性犯罪歴の
ある大手メディアのキャースター
の何人もがトランプ候補に聞くシ
ーンと罪の数を重ね、メディア自
身の堕落ぶりを容赦なく描く。


「トランプ政治」を誕生させた罪
はオバマ前大統領にもあるとして
登場させ、容赦ない。そして、鉛
に汚染された川から取水した水道
によって鉛中毒に侵されるミシガ
ン州フリント市の市民や子供の姿
の痛々しい姿に迫る。知り合いの
企業だけが利益を得る事業を進め
た知事をオバマ前大統領や既得権
益層が守る。一瞬、民活の名の下
に、「カジノ開放」など一部企業
だけに利潤をもたらす大阪の「橋
下維新政治」の共通点を思った。


フロリダ州パークランドで起きた
高校での銃撃事件やウエストバー
ジニアの教員ストライキなど、視
点はどれも名のない市民らに置か
れている。「グローバリズム」や
「新自由主義」の名の下に、エス
タブリッシュメント優遇政治に生
活の困窮を迫られ、分断される姿
はどれも痛々しい。これも「働き
方改革」など立場の弱い人に過酷
な労働条件をもたらす「安倍政治
」と重なる。生活保護受給世帯を
罵倒した片山さつき地方創生相ま
でもが頭をよぎった。


しかし、日本と違って「トランプ
政治」に抗して立ちがる女性や若
い学生らの姿が大きな波のように
全米に広がっている場面には感動
を覚える。下院選挙の女性候補は
誰も凛々しく説得力ある言動に魅
了される。昨日夜から始まった開
票の結果にかかわらず「ストップ
・ザ・トランプ」の潮流を起こす
のではないか。


ムーア監督は映画の中でヒトラー
登場以前のドイツの隆盛と文化の
高さを紹介、ナチス・ドイツ生ん
だ背景にも切り込んでいる。それ
はよく似た政治手法で専制化をう
かがう「トランプ大統領」への挑
戦状でもある。


ラストのメッセージが鮮烈である
。正義を守るのは、憲法や特別検
察官でもなく、市民自身の「行動
である」と強く訴え、強く胸に響
く。そして、心ある女性や学生ら
が立ち上がった米国と日本の政治
との違いに暗然としてしまう。


   【2018・11・7】

(写真は映画のポスターから)

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