お元氣様です。
昔の話でごめんなさい。
某ジャズ喫茶に行ったら、プロのジャズドラマーが客としてきていました。
その人はそれほど活躍しているとは思えず、どことなく風采の上がらない雰囲気を漂わせていました。
そのお店には、マスターとジャズドラマーと私しかおらず、3人でウダウダと世間話をしていました。
そのジャズドラマーは、
“自分のテクニックはすごいのだけど、世間は俺のテクニックを分かっていない。世の中が分かってくれたら俺ってもっと売れるのに。。。”という趣旨の話をし始めました。
その時は私も20代半ばぐらいの年齢で、あまり世間のこともわかっておらず、“可愛そうな人やね。”ぐらいに思っていました。
その後、その方がどのように歩まれたのかは知りません。
少なくとも活躍したという話は耳にすることはありませんでした。
松下幸之助氏の『実践経営哲学』の中に「世間は正しいと考えること」という項目があります。
その中に次のような一文があります。
世間はいいかげんで信用できないものだと考えれば、経営はそれに則したものとなっていくし、世間は正しいと考えれば、世間の求めに応じた経営をしていこうということになる。
その点、私は基本的には神のごとく正しいものだと考えている。そして一貫してそういう考えに立って経営を行なってきた。(中略)
だから、われわれはその世間を信用して、迷うことなく、なすべきことをなしていけばいいということになる。
これほど心強く安心なことはない。
いわば、坦々とした大道を行くがごときのものである。(中略)
そのように世間は正しいと考え、その正しい世間に受け入れられるような仕事をしていくことを心がけていくところに、事業発展の道があるのである。
我々は、とかく
“世の中が悪い”
“景気が悪い”
“取引先が悪い”
“社員が悪い”
“経営者が悪い”
と他者を悪者にしがちです。
しかし他者は正しい。
自己をあらためる。
という考え方を絶えず持ち続けることが、繁栄や発展につながっていくのではないかと思います。
先ほどのジャズドラマーは、今どうしてるのだろうか?