お元氣様です。
『共存共栄』という言葉があります。
意味を調べてみますと以下のようにあります。
二つ以上のものが互いに敵対することなく助け合って生存し、ともに栄えること。
会社の事務所に行けば、『共存共栄』と書かれた額を目にすることも多々あります。
松下幸之助氏も『共存共栄』を大事にしました。
でも、、、
松下電器(現パナソニック)は、下請けに厳しいことで有名でした。
京セラ創業当初の顧客は松下一社のみ。
あの稲盛和夫氏が、松下のあまりの値下げ要求に担当者と喧嘩をしたというぐらいです。
ただ、稲盛氏は後に松下に鍛えてもらったと発言しておられます。
となってくると、、、
松下幸之助氏の考えている『共存共栄』というのは、単にお互いが助けあって生きていくというのではないとなってきます。
『PHP総合研究所 1997年7月
松下幸之助の人間観、自然・宇宙観と経営理念
佐藤悌二郎氏』の論文に以下のような記述があります。
また、松下は、仕入れ先や取引先の販売会社、販売店、それから同業者、さらには需要家、消費者などの人たちと、それぞれ共存共栄していくことを願いながら経営を進めていた。
もっとも、この場合の共存共栄は、競争を排するということではない。
競争については、松下は、非常に大事なもの、必要なものとみていた。
お互いの間に競争があればこそ、進歩発展がもたらされるというのである。
ただ、ルール無視の過当競争は、当の企業はもちろん、消費者を含めたすべての人のプラスにならないから決してすべきでない、あくまでも適正な範囲の競争を大いにして、共に栄えていけるような競争のあり方をめざしていこうということである。
この“共存共栄”の考え方は、すべてのものは対立しつつ調和するところに秩序ある生成発展が生まれるという宇宙観、自然観がその根底にあると考えられる。
経営を進めるなかでは、仕入先や卸業者、販売店、さらには同業者など、いろいろな関係先があるが、それぞれが互いに依存せず、みなそれぞれに独立した存在として独自の働きをしながらも、お互いに調和して動いている、そのようにみな独立した一対一の関係を保ちつつ、対立したかたちにおいて調和していけば、物事はスムーズに運び、共に繁栄、発展していくことができるというのである。
非常に難しい表現ですが、お互いが自主独立の上に立ち、対立しつつ調和するところに秩序ある生成発展が生まれるという考え方の根底の上に『共存共栄』が成り立つということなのでしょうね。
『対立しつつ調和する』という宇宙観を、自然観を理解できないと松下幸之助氏の『共存共栄』は理解できないと思います。
それにしても奥が深い。。。