前議会にて『MICEはノー』と否決したにもかかわらず、再び挑戦してくるようである。
長崎市は3日の市民会館を皮切りに、市内35ヶ所にて市民向けの説明会を開催すると発表しました。
MICE建設をどうしても諦められない市長は、前議会にて否決された長崎駅裏の土地取得議案は、あくまでも土地の取得議案であり、MICE施設を否定された訳ではないとの強引な解釈を用い、12月議会へ再度、土地取得案と合わせMICE建設案を上程するつもりのようである。
前議会から一月も経っておらず、新たな材料が出ている訳でもなく、これまで十分な審議を重ねて来た中での決断だっただけに、同じ結果になるのは見えているはずなのにである。
しかし今回の説明会には起死回生のある種が蒔かれてある。
記事中にあるアンケート調査である。
アンケート用紙を見た限り、一つの項目に
Q、MICE施設は長崎に必要だと思いますか?
1、とても必要だと思う。
2、どちらかというと必要だと思う。
3、あまり必要ではない。
4、必要ではない。
(上記はうるおぼえなので正確ではないかもです。しかも案でしたので当日はわかりません。)
とありました。
これまで散々議会に説明してきたように、
59万人が来場します。
経済効果は140億円です。
運営収支は2700万円の黒字です。
人口減少していく中、県外から来る交流人口を増やし、経済効果を上げる攻めの投資です。
これを最低しないと他にどうやって生き残っていくと言うのですか?
というような説明をされるかと思います。
この話を聞いた後のアンケート調査は間違いなく、上記1番か2番が多数となる事でしょう。
反対派の私でさえ2番に○を付けます。
要はお金がかからないなら、反対する理由はないからです。
あまりにも莫大なお金がかかり、費用対効果が合わなすぎるから反対なのです。
恐らく建設するのに215億円前後の予算がかかります。
との説明は当然なされると思います。
しかしその後がもっと大変なんです。
建物を維持するのに、年間数億円。
会議を誘致する費用は前回のブログで触れましたが、これまた年間数億円。
勝手な推測ですが、足して年間10億円前後と見ています。
215億円の借金の支払いと共に、10億円が加算され、今後50年間は払い続けなければなりません。
それに対する効果が59万人の来訪者といいます。
この数字は、収容可能人数であり、何ら確証はない数字です。
59万人がやってくる明確な裏付けの説明を求めても、希望的観測な回答しかありませんでした。
よって経済効果140億円というのも、全く根拠がない数字です。
仮に59万人が来ると仮定しても、長崎市はここ数年の、龍馬伝や軍艦島上陸、世界新三大夜景の効果で500万人程の観光客が600万人まで増えています。
MICEでなくとも磨く所を磨けば、もっと少ない予算で交流人口の拡大は大いに見込めます。
あまりにも巨額の予算の割には、効果が少すぎます。
話を少し変えます。
2020年の東京オリンピックには、約5000億円の予算が予定されているそうです。
国家予算100兆円に対し、1/200の規模です。
長崎のMICEはというと、
年間予算2000億円に対し、建設費だけでも215億円。
約1/10です。
そんなに体力があるのかという事と、効果も桁違いに低すぎるという事です。
以上のような、コスト面と効果の説明が十分になされる事を望みますが、もし効果の面だけの説明であるならば、市民の皆様をペテンにかけている行為と批難せざるを得ません。
全てのフルコストを明示し、
『これだけ予算が今後かかりますが、市民の皆様いかがでしょうか?』
というような説明会であって欲しいものです。
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