プロフィールで避けている婚活女性①

 

プロフィールで避けている婚活女性②

 

プロフィールで避けている婚活女性③

 

プロフィールで避けている婚活女性④


プロフィールで避けている婚活女性⑤




シリーズの続きです。





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大阪。


まだ午前とはいえ、スーツで歩くにはやや汗ばむ季節だ。


某ホテルに到着。

心地よい、ひんやりとした空気が流れてくる。


太陽の光が差し込み、一面が明るい。

開けたラウンジには、まだ人の姿はまばらだ。



「予約していたHiMです」



受付から、白いドレスの女性の後ろ姿が目に映る。


「こちらです」


と、その席に案内された。






「HiMです、はじめまして」



「よろしくお願いします」

座ったまま、軽く頭を下げる女性。



本日のお相手の、30歳の方。


肌が透き通るように白い。

化粧は薄めで、スタジオでメイクされたであろう写真とは印象が随分違う。

が、こちらの方が良いようには見える。



「今日はもう暑いですね。

 少しお待たせしましたか?」


着席しながら、たあいもない話を振る。



「あ、ぜんぜん。

 そんなことない、です」



・・・?







「飲み物注文しましょうか。

 何にしますか?」


テーブルにメニューを広げて見せる。



「えーと、この・・・」


指をさしつつ、首をかしげる。






「やっぱりこっちの、アイスティーで」



メニューに写真はなく、英語表記。

日本語は小さく併記してある。



ちなみに、彼女が指差していたのは、ワインだ。




自分のコーヒーと一緒に注文し、向き直る。





「ここまでは電車で来られたんですか?」



「あ、はい、〇〇駅から電車で。

 家から駅までは、チャリで15分ぐらい」



飲み物をテーブルに置いていくウェイター。



「へー、そうなんですね」



チャリとは、自転車のことですね。



「ごゆっくりどうぞ」

と、にこやかな表情で

ウェイターは去っていった。






「会社員とのことで、

 どういったお仕事されてますか?」



「お菓子の製造工場で働いてます」



「そうなんですね。

 ライン作業的なものですか?」


「LINE?

 ・・・あ! はい。

 コンベアで流れてくる、ます」



「なるほどー。

 そのお仕事は長いんですか?」



「だいたい8時間っすね」



「あ、質問の仕方が悪かったですね。

 勤続どれくらいですか?」



「金属・・・? あ!

 高校卒業してからずっとなんで、

 12年? ぐらい、です」



「へー、すごい、ずっとなんですね。

 休みの日は土日ですか?」



「いや、まちまちです。

 シフトなんでね」



「シフトなんですかー」



素朴な見た目とドレス、

話し方とのギャップが激しい。



一通り、お相手のプロフィールに沿った話が終わる。



時計を見ると、まだ20分足らずだ。





お相手から何か話しかけてくる気配は、




ない。




「あ、こっちから質問ばっかりしてますね、

 すいません。

 自分の話をしますね」



残り時間を、自分の話で埋めていく。





つまり、

仕事で人と接することもあまりなく、

家族や友達だけ。

敬語で話す機会も、必要もなかった。


そういうことかな。






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【CASE9:高卒】

昔流行ったように、確かにかわいい。


しかし、付き合うのならいいんですが、

結婚となると話は変わってきます。



40代や50代で若い子希望の人から見ると、

どストライクなのではないでしょうか。


いい人が見つかってますように。





---つづく