プロフィールで避けている婚活女性①

 

プロフィールで避けている婚活女性②

 

プロフィールで避けている婚活女性③

 


の続きです。








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残業が終わり、電車に揺られる。




携帯をみると、


・相談所からのメッセージ


・不在着信


の通知がきていた。







(電話・・・? 親からか?)






他には心当たりがなかったが--







(Eさんから電話?)







Eさんと電話をしたのは、

交際成立後のファーストコールで、

自分からかけたときだけだ。


Eさんとはお見合い後、

交際してちょうど1ヶ月ほどになる。


とりたてて美人というわけでも、

かわいいというわけでもなく、

価値観がすごく合うとかといったこともない。

しかし、なんとなく安心感はあった。



そろそろ真剣交際に進むべきか、

決断するような時期だ。








(・・・真剣交際の話かな)







もうすぐ電車が駅に着く。


ひとまず、相談所のメッセージを確認する。






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E様から、交際終了の連絡がございました。

理由は価値観の相違とのことです。


力及ばず申し訳ございません。


お手数ですが、

連絡先の削除をお願いいたします。



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画面から目を離せず。


一駅、通り過ぎてしまった。








そのまま駅を出て、一駅先の自宅へと歩く。




Eさんに電話をかけた。





「あ。HiMさん」



「こんばんは、Eさん」



いつもと変わらない声音に聞こえる。




「もう連絡がいってると思うんだけど

 その・・・両親に反対されてしまって」




Eさんの両親の話はうっすら聞いていた。

不動産業、山を所有。

そんなワードで、色々と察しがつく。


両親、おそらく父親が反対なんだろう。





「なるほど、Eさんはどうなの?」






「わたしは・・・でも父が反対してるから」







「うん、そうか」





足を止め、空を見上げる。


雲間から月明かりが覗く。




反対を押し切って、

彼女とこの先に進むか?










「わかった。電話ありがとう。

 それじゃ」



「うん、ありがとう。

 ごめんなさい」







電話を切り、Eさんの連絡先を削除する。







Eさんを両親から切り離す--




そこまでの覚悟は、

まだできていなかった。





自身にも、


おそらくEさんにも。










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【CASE7:親の支配下】


CASE6に近い。


相当の覚悟を有するので、

一目惚れした相手でもなければ難しい。



プロフィールとしては、

・親の職業が不動産業や会社経営、大学教授

・家族揃って職業が医師、看護師、薬剤師

・家族揃って特定の有名大学卒

あたりが挙げられる。







---つづく