人間で最も大切なものは「情緒」だと答えたのは、かの有名な天才数学者「岡潔」だ。

 

彼のいう情緒とは、

美しいものを見た時に「美しいと思える」その心のことである。

 

秋風がもの悲しい。時雨が懐しい。友と2人いると心が満たされる。

こういったものは全て情緒だ。

 

そして、情緒は創造性と結びついている。

情緒なくして創造は生まれない。

だから人間に最も大切なものは情緒だと。

 

では、情緒の反対は何か。

それは効率だ。

 

効率化の究極は何かというと、

生まれたらすぐ死ぬことである。

これが効率化の最たるものである。

 

では、効率化は悪かといったらそうではない。

効率を良くするということは自動化していくことだ。

 

こういう時はこうする。

約束事を決めておくこと。

 

それが作法となる。

靴を脱いだら揃える。

食べたら歯を磨く。

相手がお辞儀したらこちらもお辞儀をする。

 

作法とは法を作ること。

つまり自動で物事が進んでいくように術をセットするということ。

術には決まった所作がある。

 

決まった所作さえ行えば結果まで自動化されて進んでいく。

つまり領域展開ですな。

 

この神様にはこの儀式を行うというのも作法ということ。

作法というのはシステムなので誰が行ってもそれが作動するようにできている。

 

だけど教えてもらえる人は限られる。

そこにはやはり人間性がある。

三顧の礼を尽くせる人なのかというのが問われる。

 

人間性とは情緒でできている。

大事なのは情緒である。

 

決して効率を目的にしてはいけない。

あくまで創造性を発揮する時間を作るために自動化を行うというのが大事。

だから何に創造性を発揮していたいのかというのがなければ目的なく空虚な時間が生まれる。

 

自分の生活を振り返り、

何に時間を割いていたのか、

どこに自分の能力を注ぎたいのか、

何を自動化したくないのか。

 

この辺りをしっかり捕まえておくと、

情緒と自動化のバランスが整ってくる。

自動化というのも所詮ツールなのだ。

 

美しいものを美しいと思えるその心はどこからくるのか。

自分を自分たらしめているものとはなんなのか。

自分を生かしている力というものに気づいているか。

 

自分のできることが分かり、

自分を超えた力も知ることで、

無明に触れられる。