バッテリーの並列運用は、ダイオードを接続して逆流を防止すればいいだけかと思っていましたが、他にも注意する点があった様です。
それはバッテリーと負荷との接続方法。
現状はダイオードを接続させている事もあり、バッテリーと負荷の間の配線距離はほとんど差が無い状態になっていますが、数が多くなってきた場合には注意する点があるとのこと。
容量が大きくなると電線も太く、その価格も上昇してくるので、設置レイアウトに合わせて配線の長さを調整する事になるのかと考えていたのですが、どうやらそれはバッテリーの寿命に直結する現象を引き起こしてしまうという事を知りました。
それは、
単純に、バッテリーの+と-をそれぞれ接続して、その端の方から負荷の方に繋いだ場合、負荷に一番近いバッテリーが一番電気の入出力が多くなるということ。
4つのバッテリーをそのように接続した場合、一番手前と一番奥とでは、流れ出る電流値に2倍もの差が出てくるのだそうです(同一容量、同一仕様のバッテリーの場合)。
つまりは、一番手前のバッテリーが一番早くへたるという事になってしまいます。
(逆に言えば、一番奥のバッテリーは楽々?)
詳しくは、リンク先を参照下さい。
『多くの蓄電池の並列結合時の注意点』
http://www.izumicorp.co.jp/enepdf/connect.pdf
「各蓄電池での極僅かな電圧の差から由来する大きい電流の差」が発生するのだとか。
解決方法としては、
各バッテリーから負荷までの距離を出来るだけ均一にする事なのだそうで、
それは+側と-側を総合して考える必要があるのだと。
行って戻るのが電気なので、その経路を出来るだけ等しくするのは当たり前と言えば当たり前ですね。
そういえば、バッテリーを1つだけ車に乗せている状態の時、両端のセルだけ希硫酸の減りが早いのは同じ様な現象が起こっていたのかもしれません。
この場合は、バッテリー内の6セルが直列に接続されているので、そのまま当てはめる訳にはいきませんが。
単純に、両端は周囲温度の影響を受けやすいので、蒸発量が多くなっている可能性もあります。
今回は出力側の話でしたが、入力、つまりは充電の時にも影響があります。
隣同士を単純に接続した状況において、充電時に同じ配線を使用した場合、この逆の現象が起こるという事で、一番奥のバッテリーは、一番出力が少なくて済む代わりに、一番充電し難くなるということ。
一番奥のバッテリーの深充電が出来難くなり、つまりはサルフェーションの発生による容量の低下ということで、こちらの寿命も短くなってしまう可能性も。
バッテリーの多数並列接続には考慮すべき点が色々とあるようで。
やっぱり、効率的な運用を行うためには、同一仕様、同一容量、同一使用環境(要は新品)のバッテリーを並列運用した方が良さそうですね。
もっとも、投資回収を考えたら、中古バッテリーの導入の方が現実的であるとは思いますが。
そのうち、充放電管理回路を検討します。