多様性とは?
雑誌スペンド地方組・図書部 部長
hirakaygomaです📖
図書部員 アラレさんの積読本の中から
「多様性との対話」に興味を持って、
読んでみました。
編者の 岩渕 巧一氏は、
関西学院大学社会学部教授で、
専攻はメディア・教育研究
【第1章 多様性との対話】で、
以下のように主張しています。
2020年5月に起きた警察官による
黒人系アメリカ人の暴行死を発端に
BLM(Black Lives Matter)抗議運動が
全米的な抗議運動に発展し、世界への
波及を引き起こした。
しかし、実際に時間が経つにつれて、
日本を含めた多くの地域では、
その動きは収束したように見える。
さらに、人種差別解消に向けて
取り組もうとした企業の動きも
徐々に「より心地いい話題へと
トーンダウン」していることが
指摘されている。
ロンドンの広告会社の黒人女性の
グローバル人事ディレクターは、
BLMはダイバーシティ&イルクージョン
(以下、D&I)の観点から語られるように
なり、制度的な人種差別や不平等解消への
取り組みが、企業のダイバーシティの配慮
活用へとすり替えられてしまっている
と警鐘を鳴らす。
→D&Iが人種差別解消に向けた
取り組みと切り離されている。
多様性を形作る様々な差異は、
植民地主義の歴史と近代の「国民」の
構築での包括と排除・周縁化の力学の
なかで、不平等・格差・差別と結び
つけられてきたことは改めて
強調されるべき。
D&I推進が3つのM
(merit,market,management)の観点から
社会や組織を豊かにすると肯定的に
語られるなかで、制度化・構造化された
不平等、格差、差別の問題を後景に
追いやり、その問題解消に継続して
取り組んでいく必要性が見失われて
しまいがちになる。
国連の人権諸機関から求められている
ジェンダー、LGBT/SOGI、障害、人種、
エスニシティ、年齢、宗教に関する差別
を禁止する包括的な反差別法の制定をせず、多様性をめぐる差別・不平等の問題と
人権保障に取り組む政策が発展していない
日本では、すべての多様性/ダイバーシティ
推進の取り組みはこの現状を注視し、
ともに手を携えて変革していくことを
目指して声を上げるべき。
第2章~第7章では、様々な立場と
視座から日本社会での多様性をめぐる
問題に取り組んでいる研究者と
実践者の研究や実践例が紹介されています。
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