日本からの贈り物。 | 調教師日誌 ~仏・シャンティイーより~

調教師日誌 ~仏・シャンティイーより~

2008年渡仏。2017年調教師免許取得。フランス競馬の中心地シャンティイーでの厩舎日常風景。

お蔭様で厩舎所属馬数が増えていき現在8頭。うち2頭が放牧に出ているので実質6頭を管理している毎日です。

 

 

思い起こせば昨年10月ドーヴィル1歳馬セリにて、マオズシーナとサクラゼンセンの2頭を、それぞれ椎名オーナーと栗本オーナーが購入され、預託して頂いたのが厩舎にとっての初めての仔。

 

 

前者はトラブルには欠かない仔でいつもどこかが調子悪くなる。しかしながら調教ではなかなか良い動きをするので秋予定のデビュー戦が今から楽しみです。9月のパリロンシャン競馬場新馬戦は相手は揃いますが、そこも候補の1つとなっています。

 

 

後者は先月デビューして3着、その後格上挑戦しての5着と頑張ってくれています。なかでも特筆したいのは2戦で既に購入価格の約2,5倍の賞金を稼いでくれている、ということです。

 

 

今日の午後メゾンラフィット競馬場にて日本からの遠征馬ジェニアルとラルクがそれぞれG3とオープン特別走りますが、ご存知のようにこのクラスの賞金体系は弱いのは周知の事実でしょう。

 

 

しかしながらここフランス競馬の特徴の1つとして、下級条件の賞金の高さがあげられます。社会主義の精神が根強く残る国民性だけに、下の者まで幅広く手当を受けられるのは良いことです。

 

 

比較的賞金の多くない上のクラスではありますがその分名誉が手に入る上、以降引退後の付加価値が手に入りますので、実質的には遜色は少ないように思います。

 

 

直近のプラスマイナスだけで一喜一憂するか、数年プランで物事を考えられるか。人生の価値観は人それぞれですので一概には言えませんが自分は後者です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本より無事モンドシャルナが到着しました。この場を借りて感謝連絡させて下さい。ありがとうございます。

 

 

順調ですので秋口の条件戦にてフランス緒戦を迎えられれば、と思っています。今を時めくディープインパクトの兄弟ですので注目を集めそうですね。

 

 

さて所属馬が増えてきたので今度は従業員の方を雇わなくてはいけなくなってきました。馬との出会いもそうですが、今後一緒に働いていく人との出会いもどのようなものが待っているのでしょうか。

 

 

もしどなたかフランス競馬厩舎にて経験を積んでみたい方などいらっしゃいましたら自分まで遠慮無く連絡して頂ければ幸いです。たとえ経験が薄くとも本場の雰囲気を肌で感じるだけでも貴重な経験になるかと思います。

 

 

最後にもう1つ。

 

 

明日月曜日シャンティイ競馬場3レースにて、自厩舎より3歳セン馬スピード(父アメリカンポスト)が出走します。

 

 

同じレースになんと現在フランス遠征中の武豊ジョッキーが出走他馬に騎乗、となかなか面白いシチュエーションとなっています。

 

 

恐らく4、5番人気になりそうですが、まずは無事に、そして1着を目指して頑張ってきて欲しいです。