フランスの競馬学校(AFASEC)。 | 調教師日誌 ~仏・シャンティイーより~

調教師日誌 ~仏・シャンティイーより~

2008年渡仏。2017年調教師免許取得。フランス競馬の中心地シャンティイーでの厩舎日常風景。

フローラSを勝ったのはサトノワルキューレ。大外一気、見た目にも強い勝ち方をした一方で、逆説的にこのレースの反動が本番では気にもなります。

 

 

440台の3歳牝馬とは思えない雄大な馬体ではありますが、旧4歳牝馬特別のこのレース、本番に向けて脚を計るのにはちょうど良いレースであって勝ちにいって本番でお釣りがあるかどうか、注目したい点でもあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このレースで人気になっていたサラキアはやはりゲートがネックとなりました。

 

 

フランスでは日本のようにゲート試験なるものは存在しません。

 

 

調教場に数か所写真のようなゲートが置いてある場所があるので、各厩舎で各々好きなタイミングでゲート練習を行います。

 

 

この日は競馬場のゲート係員が臨場しての練習、他厩舎のものではありますが通りがかったので。

 

 

自厩舎では1歳で入厩後、基本毎週1回ゲートを通します。

 

 

ほぼ間違いなくスローペースになるフランス競馬ではありますが、スタートが良ければ悪いよりはレース中の選択肢が増えるというもの。来月デビュー予定の2歳馬サクラゼンセンもお蔭様でスムーズにゲートイン、好発できるようになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先日、調教中に遭遇したこちらの競馬学校(AFASEC)の騎手・厩務員過程試験風景。

 

 

この広々とした草原を3頭併せでキッチリ乗れるかどうか試験官監視のもと行われました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

元々小さい時より乗馬に慣れ親しんでいるこちらの人ではありますが、調教師の指示通りに馬を乗りこなせないと仕事になりません。

 

 

14、15歳で入学し、厳しい学校生活と厩舎研修を交互に2~3週間毎に繰り返し技術を磨き、10代で激しい競争社会に出なくてはなりません。極めて早期に職業訓練を受けているので他職にてつぶしがきかない反面、専門職として日本の馬社会では考えられない程の人材が輩出されるシステムが出来上がっています。

 

 

最近では競馬学校生の半数以上が女性になっているのですが、日本では厩舎にて女性の方が働いていることはまだ少ないので、これも文化の違いなのでしょうか。