表情 あの夏の数かぎりなきそしてまたたつたひとつの表情をせよ | 日置研究室 HIOKI’S OFFICE

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作家の日置俊次(ひおきしゅんじ)が、小説や短歌について語ります。
粒あんが好きですが、こしあんも好きです。

 

  表情 あの夏の数かぎりなきそしてまたたつたひとつの表情をせよ

 

 2年前の記事です。

 ルメの表情というものを、よく思い出します。

 ルメの写真は何万枚とったかわかりません。

 私はルメの専門家であるのだなと、はっきり自覚します。

 

あの夏の数かぎりなきそしてまたたつたひとつの表情をせよ
                     小野茂樹『羊雲離散』

 

 以前にも取り上げた小野茂樹の歌です。

 とてもいい歌ですね。

 これは愛する女性とひと夏を過ごしたとき、その女性は様々な表情を見せていたと言っているのですね。嬉しそうだったり翳りを含んでいたり、歌を歌っていたり……しかし思い出のなかでその表情は、すべて重なりながら、ある一つの表情に収斂していきます。その夏のすべてを詰め込んだような表情を、もう一度見たいと、作者は言っているのでしょう。あの時の幸せな感覚をもう一度味わいたいと言っているのでしょう。

 

 あの夏の数かぎりなきそしてまたたつたひとつの表情をせよ

 

 これまでルメの写真を何万枚も撮ってきて、そこにはルメの表情が無数に記録されています。

 本当に表情が豊かなのです。

 その無数の表情を見られることは、とても幸せです。

 その中で、たった一つの表情を選ぶことは私にはできません。

 しかしあえて選ぶとすると、次の写真のような表情になるのではないかと思います。こんな魅力的な表情を教えてくれるルメには感謝しかありません。

 本当にありがとう。

 

  

 

 

  

天天快樂、萬事如意

みなさまにすばらしい幸運や喜びがやってきますように。

   いつもブログを訪れてくださり、ありがとうございます。