機関銃を撃ちながら歩くようなひと | 日置研究室 HIOKI’S OFFICE

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作家の日置俊次(ひおきしゅんじ)が、小説や短歌について語ります。
粒あんが好きですが、こしあんも好きです。

 

  機関銃を撃ちながら歩くようなひと

 

 1年前の記事のリブログで、文章を再掲します。

 長く公園を歩いているといろいろな人に出会います。

 或る時、周りの柵や床板を棒で殴りながら歩いてくる女性がいたので、その印象を書いています。

 

 この間、ヒバカリの写真を載せましたが、ヒバカリはとても可愛い蛇で、何も悪いことはしないし、そのあたりを歩いているだけです。たぶん地面を歩くより泳ぐ方が得意です。人には全く害を及ぼしません。

 

 私は蛇が好きなわけではなく、マムシやヤマカガシは怖いです。毒があるからです。青大将やヒバカリは好きです。毒がないからです。また、都内の人の通行の多い道なら、めったなことで毒蛇は出てきません。

 

 その少し前、公園でルメと朝の散歩をしていると、大きな木の棒を振り回して、中年女性が歩いてきます。太い木の棒で、ガンガンと手すりをたたいたり、ドンドンと木道を打ったり、それは乱暴な歩き方です。ずっと周りを殴り続けています。ルメもおびえて、小さくなっていました。

 そのおばさんが独り言のように言う声が聞こえました。私は蛇が嫌いだから、こうやって歩いているのよ。そう言いました。

 何十年もここを歩き続けているので知っていますが、この木道は人の通行が多く、ここで襲いかかってくるヘビなどいませんので、朝のあかるい時間にガンガンと木の棒であちこち殴りながら歩く人間の方が恐ろしいです。手すりも木ですから壊れてしまいます。

 もしミミズのようなヒバカリがいたとしても、あの小さなヒバカリに何ができるでしょうか。いつも何匹も踏まれて潰されてぺしゃんこになっています。蛇が怖いという気持ちはよく理解できます。しかし、無差別に機関銃を周りに連射しながら歩くようなことはやめてほしいものです。

 そんなに蛇が嫌いなら、ここを通るのをやめればいいはずです。ここは公園の中で、池を回る散歩道であり、かなり効率の悪いうねった通路です。何もいないのに道を殴り続けていては、疲れるのではないでしょうか。

 公園を出れば、舗装されて車の通る道はたくさんあります。朝からたくさん車が通っています。そこには蛇はいないはずです。そこの歩行者用の舗道を普通に歩けばいいのではないかと思います。住宅街の舗装された道でもいいでしょう。

 これは私の個人的な感想です。もしヒバカリの赤ちゃんが棒で叩き潰されるのだとすると、とても腹が立ちます。

  

  

 

    皆様のご健康をお祈りいたします。

    そして皆様に、すばらしい幸運や喜びがやってきますように。

    いつもブログを読んでくださり、ありがとうございます。