私の小説の原点 | 日置研究室 HIOKI’S OFFICE

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作家の日置俊次(ひおきしゅんじ)が、小説や短歌について語ります。
粒あんが好きですが、こしあんも好きです。

 

  私の小説の原点

 

 私の小説の原点といっていいものが、『エメラルドの夜』『サファイアの夜明け』『昼下がりのルビー』の三部作です。すべて連続した長編小説です。

 舞台は台湾です。台北の、地獄谷が主な舞台になります。

 日本人の大学教授と、ヒナタという大学院の女子学生と、芥川龍之介が主要な登場人物です。

 この小説の作者がこの大学教授ということになっており、なぜ彼がこの小説を書かなければならなかったのかということを説明する物語になっています。

 恋愛小説として書いていますが、通常の小説とは異なり、さまざまな要素が入り込んでいます。

 詩や短歌、俳句が登場しますし、論文のような部分もあります。

 ヒナタというキャラクターを創り上げるまでにはかなりの苦労がありました。実在する女性として私の頭の中で生き生きと動き始めるまでには、長い時間がかかりました。

 芥川龍之介に関しては、ずっと研究を続けており、歌集にもたくさんの歌を詠み、いわば付き合いが長いのですが、それでもキャラクターを完成するまでには時間がかかりました。

 女性が子供を妊娠して産むまで、時間がかかりますが、それと同じで、産み落とすまで、いろいろ大変な時間を過ごさなければなりません。登場人物の一人一人に命を与えることは、とても手間のかかる仕事です。

 とにかく、一作小説を書くだけで、くたくたになります。

 しかしそういう意味で、作品というのは大切なわが子なのです。

 『エメラルドの夜』は一度詐欺出版社に盗まれてしまったので、ひどい目に会いました。大切な子供を連れさられたのであり、とても許すことはできません。被害にあった作者がほかにもいます。出版界には闇があり、メディアはそういう闇に触れないようにしています。しかし、はっきりさせておかないと、悪のはびこる世の中になってしまいます。

 はるかぜ書房という出版社です。

 

 

 

 

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天天快樂、萬事如意

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