堀江貴文(ホリエモン)の正論 | 日置研究室 HIOKI’S OFFICE

日置研究室 HIOKI’S OFFICE

作家の日置俊次(ひおきしゅんじ)が、小説や短歌について語ります。
粒あんが好きですが、こしあんも好きです。

 

  堀江貴文の正論

 

 中田敦彦が、松本人志を批判した問題が話題になっています。堀江貴文がそこに参入しました。私は松本人志を批判する立場にはありませんし、中田敦彦やホリエモンを特に支持する立場にもありません。中田の批判が正しいのかどうかというような議論はするつもりがありません。しかし、ホリエモンは時々、正鵠を射たことを言います。

 まず松本人志擁護派がわっと現れて、松本に人望、人気があることが分かりました。その中でせいやが中田に反発して、「真っ直ぐ勝負してないウンコみたいなやつ」と批判しました。これに対してホリエモンは「お笑いの世界って「真っ直ぐ」勝負とかそんなんあるんだな笑」と答え、「アホくさ。面白いか、面白くないかだろよ。お笑いって」と反論しました。

 そして、ホリエモンは、せいやを擁護する者たちは「一つのことしか出来ないから色々できる才能にむかついてるだけだろ」と指摘しました。

 堀江貴文のこの「一つのことしか出来ないから色々できる才能にむかついてるだけだろ」という言葉には、深くうなずきました。的を得た発言です。せいや派の人たちの思考回路に、そういう傾向があります。ここではこの一つの発言に絞って、少し考えていきたいと思います。

 世の中には、一つのこと以外にしてはいけないと主張する頭の固い人がいます。自分が一つのことしかできないからです。これは社会の害毒であり、ただの都合のいい自己保身による考え方です。

 野球だと、変化球を投げるのはだめで、直球勝負でなければならないなどという人が大勢います。自分が変化球の勉強をしないからです。他分野でも、あの人は変化球の人だからだめだとけなされたりします。真面目にやっていないというのです。そういう発想で、「真っ直ぐ勝負してないウンコみたいなやつ」という表現も出てきています。しかし、ピッチャーで変化球も投げられるのは、素晴らしいことではないですか?今の時代、よく野球を研究すれば、すぐに分かることではないですか?直球だけのピッチャーがプロの世界で存在しますか? 100年前なら直球だけでよかったかもしれませんが、現代は違います。

 それから、例えば、現在、大谷翔平選手が二刀流で大活躍していますが、大谷をはじめから批判し続けていた人たちは、一つのことしかしてはいけないから大谷は投手を諦めろとか、バッターか投手かどっちか選べと大声で叫んでいました。今でも言っています。一つのことをまっすぐやればいいので、よそに手を出すなというのです。

 大谷が才能のない人であるなら、どちらかを選んだ方がいい場合もあるのかもしれませんが、これは本当の天才に言う言葉ではありません。「大谷はまっすぐ勝負していないからダメだ」という話が、通用するのでしょうか? 

 彼らは大谷選手の二刀流を、ねたんでいるのにすぎません。ピッチャーでホームラン打者というのは、子供の草野球では普通にありました。みんなの夢だったのではないですか?もちろんそれはプロの世界ではありえないような難しい仕事ですが、大谷がその夢のような話をこなしているという現実に頭を下げるべきです。

 自分の才能のなさから、多方面に活動する人間を妬み、悪と決めつけ、批判する人たちが、日本にはとても多いのです。変化球を投げると言って、足を引っ張るのはやめてほしいものです。まずその業績を評価すべきです。

 大谷翔平選手は、ホームランを打つと「真っ直ぐ勝負してないウンコ」になるのでしょうか? こういう嫉妬の感情は、レベルが低すぎて議論にすらなりません。どうしてこんなことに気づかないのでしょうか?

 文学の話をすれば、三島由紀夫は小説のほかに戯曲を書いていましたが、彼は二刀流であり、「真っ直ぐ勝負してないウンコ」だということになるのでしょうか? 実にくだらない話です。

 あの中田がさまざまな才能に恵まれていることは明らかで、芸人には珍しく知性があり、いろいろなチャレンジをしている人です。チャレンジができるというだけでもすごいことであり、それを「真っ直ぐ勝負してないウンコ」などというのは、身勝手な妬みにほかなりません。

 私も小説を書いたり短歌を詠んだり俳句を詠んだり、いろいろな領域を学んで、作品を作っています。すると、すぐにねたむ人がおり、読みもしないで批判や嫌がらせをしてきます。それはとても狭い了見の中に住んでいる人たちです。彼らは自分が正義だと思っています。井の中の蛙という言葉を思い浮かべます。自分でやってみてから批判してください。そんなに簡単ではありません。

 芥川龍之介も、俳句を詠み、短歌を詠み、戯曲を書き、小説を書きましたが、これは当時の文人としては、珍しいことではありません。漱石も俳句を詠み、漢詩を作りました。宮沢賢治は短歌を詠み、童話を書き、そして詩を書きました。そして素晴らしい作品を残しました。私もそういう系列に連なっている作家です。こういう話をするとすぐに馬鹿にし始める人がいるのですが、批判は私の作品を読んでからにしてください。その人たちに簡単に書けるレベルの作品でしょうか?

 いずれにしても芥川や賢治のことを「真っ直ぐ勝負してないウンコ」などと呼ぶと、取り返しのつかない恥をかきます。日本の恥となります。やめた方がいいでしょう。

 野球の比喩が一番わかりやすいので戻りますが、人の才能をねたむ者たちが、大谷選手をまっすぐではないなどと評するのです。そんな嫉妬深い連中は大谷選手のファンに殴り倒されても文句は言えません。ピッチャーも先発とかリリーフとか中継ぎとか細分化され、野手も内野と外野にわかれ、それぞれのポジションに専門家がおり、特にキャッチャーは専門性が高いですし、あるいは守備専門、盗塁専門とか、いろいろ専門が細分化される時代で、その専門だけで生きていく人もいます。一芸だけで生きていくことも可能であり、それでも大したものですが、しかし幅の広い人がいても何も悪いことではなく、大谷選手が打ち、投げると私は幸せを感じます。

 それぞれのひとがそれぞれの試みをすればいいと思います。大谷選手のような神がかったパフォーマンスもあり、自己満足だけで低いレベルで終わっている人もいます。高いレベルで結果を残せるように、つねに高い次元を目指して努力すべきであることは言うまでもありません。私も精進を繰り返しています。

 以下に報道を引用します。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「面白いと思ったことない」ホリエモン オリラジ中田の松本批判を“擁護”…霜降りせいやには「一つのことしかできない」

5/31(水) 19:26配信 女性自身

 

 オリエンタルラジオの中田敦彦(40)が、ダウンタウン・松本人志(59)について名指しで猛批判した問題。お笑い界で圧倒的な支持を集める松本に啖呵を切ったかたちだが、余波が広がり続けている。

 騒動の発端は、中田が5月29日に「【松本人志氏への提言】審査員という権力」と題するYouTube動画をアップしたこと。

 『M-1グランプリ』(ABCテレビ・テレビ朝日系)や『キングオブコント』(TBS系)などのお笑いコンテストで、松本が「審査員をしすぎている」と指摘。その上で、「松本さん以外の価値観を持つ人たちにそのハンドルを渡すことで、お笑い界に新しい価値観や新しいスターを作る土壌を作ることがお笑い界への貢献になるのではないか」と主張していた。

 中田は動画内で霜降り明星の粗品(30)に意見を求めていたこともあり、相方のせいや(30)は《真っ直ぐ勝負してないウンコみたいなやつが相方の名前使うな 中田》とTwitterで反発。“ごっつメンバー”として古くから松本を知るほんこん(59)も、《直接言えば》と冷ややかなツイートをしていた。

 芸人たちから冷ややかな視線が注がれるなか、中田を“擁護”する人物が現れたのだ。それは、ホリエモンこと堀江貴文氏(50)。

 堀江氏は31日に、せいやの“怒りツイート”に注目するTwitterユーザーの投稿に対して《お笑いの世界って「真っ直ぐ」勝負とかそんなんあるんだな笑》とリプライ。続けて《アホくさ。面白いか、面白くないかだろよ。お笑いって》と、遠回しにせいやをディスったのだった。

 堀江氏の主張は、その後も加速するばかり。せいやを擁護するTwitterユーザーの投稿に対して、《笑。一つのことしか出来ないから色々できる才能にむかついてるだけだろが》と反発。他のユーザーから“恥をかくから口出ししない方がいい”とたしなめられるも、《恥かく笑。意味がわからん》と一蹴した。

■大御所・松本に対して「彼のお笑いとか映画とか面白いと思ったことはない」

“お笑いは面白いか面白くないか”と主張する堀江氏だが、次第に“お笑い論”は別の視点へ移りこう呟いた。

《お笑いの話に言及すると境界知能みたいなのがワラワラと湧いてきて興味深い。おそらくM-1とかはその辺の人たちをターゲットにしてるんだよな。だから俺全然笑えないもん》

 そんな堀江氏といえば、かねて「M-1」に絡めて“松本批判”をしていた。

「昨年9月にYouTube上で公開された編集者・箕輪厚介氏(37)との対談で、『M-1』について『面白いと思ったことがない』『ガチで笑えなかった』と酷評。堀江さんいわく“ネタを作り込むほどつまらなくなる”そうで、『ダウンタウンの松本さんとかのお笑いが、俺、たぶん一番つまんないと思っている派。何が面白いのかさっぱりわかんない』と話していたのです。

 今回のTwitterユーザーとの応戦のなかでも、《松本さんの番組出てMC力は凄いと思いましたが、私も彼のお笑いとか映画とか面白いと思ったことはない》と明言しています」(WEBメディア記者)

 様々なユーザーと応戦を繰り広げる堀江氏に、“味方”も登場した。絵本作家で実業家のパソコン太郎氏が、《話の流れの中で「心地よい裏切り」をする笑いが大衆にウケるんだけど 想像力や言語能力が高い人は、続く可能性がある言語のパターンが予想できちゃって面白く感じない可能性は高い》と指摘。すると堀江氏は、《それだ! 言語化してくれてありがとう》と共感を示した。

 その後も、《笑いのツボと呼ばれるものも結局知能指数によると思うんだよねぇ》《知能指数を測る一つの指標になり得ると思いました》と私見を綴った堀江氏。コメント欄に《その通り!》《完全に同意》と賛同の声が寄せられる一方、反論する声も上がっている。

《単なる好みでしょ》

《お笑いにもいろんなもんがあるし、別に知能指数は関係ないと思う。次に来る言葉がわかっていたって笑えるもんは笑えるし、予想外のものがきたってつまらないものはつまらない》

《そんな難しい話じゃないわ。お笑い芸人さんは結局のところはどれだけ人を笑わせたかだから。ホリエモンが笑おうが小学生が笑おうがn=1。で、一番笑わせてる人が松本人志ってだけ》

 

 

  

  皆様のご健康をお祈りいたします。

    そして皆様に、すばらしい幸運や喜びがやってきますように。

       いつもブログを読んでくださり、ありがとうございます。