魂たちの和する声 岩谷薫『亡くなる心得』をめぐって | 日置研究室 HIOKI’S OFFICE

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作家の日置俊次(ひおきしゅんじ)が、小説や短歌について語ります。
粒あんが好きですが、こしあんも好きです。

 

  魂たちの和する声 岩谷薫『亡くなる心得』をめぐって

 

 岩谷薫氏は天才写真家で、天使の写真で有名です。独自の思想家でもあり、その学識にはいつも敬服しています。

 その岩谷薫氏の新刊、『亡くなる心得』が昨年秋に完成しました。

 本当は、何年も前に刊行されているはずでしたが、あの鈴プーチンの妨害にあってしまいました。

 鈴プーチンの詐欺書房の被害にあうと、時間と労力の損害が、とりかえしのつかないほど大きいです。精神的にも大きなダメージを受けます。私も同じ目にあいました。これは冥界からの嫉妬による、試練ではないかと思います。

 とにかく本がやっと完成にこぎつけたということで、とてもおめでたいことだと考えます。

 この本については昨年9月のブログ記事で私は考えを述べていますが、このような新しい世界観が現れた時、世の中はなかなか受けいれてくれませんので、何度でも繰り返して解説することが必要になります。

 

  

 

 本を手に取ってみるとわかるのですが、この本は手にするだけで心が安らぐのです。

 不思議なのですが、比喩的に言うと、お経のような感じでしょうか。

 読まなくても手にするだけで気持ちが晴れていく本です。そして繰り返し読むと、また心が晴れていきます。

 内容は、死後の世界を検証したり、古典をひもといたり、とても重く深刻なものがあるのですが、文章もそうですし、何か本自体が不思議な明るさに満ちています。この快さは何なのでしょうか。

 

 少し突飛な比喩ですが、アメリカの大リーグで大谷翔平選手が前代未聞の活躍をしていますね。天才的投手で天才的バッターという、信じられないプレーをしています。その陰には、もちろん信じられないほどの努力があり、異文化で習慣も言葉も違うための苦労もあり、苦痛を覚えることが多々あるはずです。オリンピックでメダルをとるのと同じで、自分を苛め抜かないと成果は得られないのです。しかし大谷選手のプレーを見ていると、どこまでも明るく軽く、不思議に心が晴れてくるものがあります。それは装丁にも表れていると思います。

 死というテーマを扱いながら、限りなく深い、そして明るい印象の本なのです。文章に、過去の人々の魂の声が寄り添って、コロスとなって鳴り響いているような明るさです。集団の僧侶たちの読経や、大聖堂のパイプオルガンのような響きです。

 これまで岩谷氏が撮影を重ねてこられた天使たちや石仏たちの霊が、この本を守ってくださっているように思われますので、これからだんだん、この本は世の中に知られていくのだと思います。

 私は帯文と、短い紹介文を書きました。紹介文をそのまま、もう一度引用します。私の思いはこの文章に尽きています。


 生と死をめぐるすべては、日本や中国の古典のなかに解き明かされている。
 しかしその断片的な体験や考察を、これだけ体系的にまとめた書物は今まで存在しなかった。

 この書によって、生と死が実に深いところで相互につながっていること、われわれの存在が死と生の重なりのなかにあることが、ついに明らかにされたのである。

 本当の生命科学が、ここから始まるであろう。

 

 岩谷薫氏のアメーバブログのリンクを貼らせていただきます。

   https://ameblo.jp/kaoruangels/

『Talking with Angels』西洋墓地の天使像と『笑とる仏』 : 写真家 岩谷薫 (ameblo.jp)

 

 

     
 

  皆様のご健康をお祈りいたします。

    そして皆様に、すばらしい幸運や喜びがやってきますように。

      いつもブログを読んでくださり、ありがとうございます。