タミヤ4号キット走行改造2024年度バージョン | ひのきの模型工房 ブログバージョン

タミヤ4号キット走行改造2024年度バージョン

タミヤの1/35 ドイツ4号戦車のキットはこれまで何度もR/C改造してきました。

 

旧の金型時代のキットも組めると、10台くらいはディスプレイバージョンを改造したと思います..

ただ、最近は作ってなくて、最後に作ったのがタミヤから1/35RC仕様の4号キットが出た時に、その足回りを使って3台ほど作ったやつかなぁ...

もう、13年前だ(笑)

ただ、これまで作ってきた4号は、サスはほとんど固定で、履帯もベルト履帯がほとんどw

カステンの連結履帯を使ったことはあったけど、起動輪との合いが悪くなかなか思うように動いてくれなかったのと、

サスもシーソー式に動かしたりしたことはあったけど、4号自体のサス可動範囲が狭くて、転輪の間隔も狭くて、作業が面倒な割には正直それほどの効果が無かったので...(笑)

 

で、13年後の今、せっかく3Dプリンターで色んなパーツが作れるので、

まずはタミヤの4号キットの走行用にピッタリの履帯を作ってみて旧作に履かせてみたらとてもスムーズに動く!!

どうせなら面倒だった4号のサスペンションも簡単に作れないモノかと試行錯誤してみました。

 

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1.ギヤボックス

4号用のギヤボックスに関しては、コロナ前(4年ほど前?)に3D_CADで設計していて、幾つかDMMで造形しておりました。

ギヤ比違いで、3種類ほど作っておりました。

これらは、試作品でその後いろいろ改造したいカ所はあったのですが、コロナとか町内会の仕事とかでしばらく放置していたら造形価格が跳ね上がっていて、現在1セット造形するのに7500円くらいかかってしまいますw

で、いろいろ試行錯誤するには開発コストがかかりすぎるので、コロナ明けから自前の光造形3Dプリンターで作ることにしています。

現在、精度が必要なギヤだけはDMMのアクリル高精度素材で造型して、ケース・シャフト軸・起動輪との接続パーツ等は自前の3Dプリンターを使ってます。

ケースのカタチやシャフトのカタチは、自前の3Dプリンターでも造形しやすいように設計しなおしてます。

それでも、どうしても精度の悪さから微妙に動きが悪くなったりするので、いくつか造型してギヤを取り付けて実際に回してみて状態の良いモノを選別して使ってます。

上のギヤボックスは、モーターは6mmパイを使うタイプで、それ以外にも7mmのモーター用とかギヤ比違いとか、薄型のギヤボックスとか...

結構いろんなタイプを作ってます(笑)

最近では、モーターの後ろに差し込む「抜け止め&コード折れ防止用のキャップ」も作って見ました。

 

一応、タミヤ4号用ギヤボックスと言いながら、実は、起動輪シャフトの高さが1mmほど低い位置になってます。

なので、タミヤの4号キットに取り付ける時は、1mm程度のプラバンをギヤボックスの底にあてる必要があります。

ピッタリにしてないのは、シャフトの高さ(起動輪の高さ)を1mm程度下にも調整できるようにするためで、極々個人的な理由からそうしてます(謎)

ちなみに写真では0.5mmのプラバンを当ててます、なので、起動輪の高さは若干低くなっています。

ギヤボックスを低く置こうとするとギヤボックスの前方がシャシーに当たってしまって、前の方に出なくなるので、写真のようにシャシーの前をカットして、ギヤボックスが前に出るように加工しておいた方が良いです...

てか、1mm上げれば必要ないことですが(笑)

 

起動輪は、キットのまま作って(中に抜け止め用のポリキャップも入れておく)軸受けパーツを起動輪の裏側に接着します。

この時、いきなり瞬間接着剤で固定しないで、固まるのが遅い多目的接着剤等で固定しておいて、ギヤボックスに差し込んで歪みが無いかどうか確認が必要です。

出来れば、実際に回転させてなるべく歪みなく回転するように調整します。

 

 

2.後ろの誘導輪

 

後ろの誘導輪もキットのパーツを使いますが、回転するように中に抜け止めストッパー(固定ワッシャー)を入れます。

内側パーツ(写真上)はモールドを削って平らにし、

外側パーツは(写真下)は、抜け止めパーツが入る分だけ削っておきます。

写真真ん中の抜け止めパーツは、あとで記述するサスペンション用のパーツと一緒に造形してます。

 

外側のパーツは抜け止めワッシャーが軽く入るくらいまで削ります。

 

キットの軸に誘導輪の内側パーツを差し込み、軽く回転するのを確認してから、ストッパーを軸に差し込みます。

なるべくグラツキが無く、しかもスムーズに回転する状態で、ストッパーを固定(接着します)。

瞬間接着剤を針先か何かで、シャフトとワッシャーの接続部分に上から塗って、硬化促進剤で固めるのが良いと思います。

その後、誘導輪の外側パーツを接着します。

 

3.サスペンション

 

キットの一体型のサスペンションパーツは使わず、下の自作の専用パーツを使います。

1枚の板に左右1個ずつのサスペンションパーツがあって、4枚で1車両分になります。

パーツの中にある丸いワッシャーが、前に説明した後ろの誘導輪の固定パーツに使用します。

転輪を止めるシャフトはキットによって先端のモールドが違うので、あらかじめ2パターンあります。

 

組み立て方法は、下記の手順で行います。

①パーツをサポート板から取り外し、アームパーツの裏側をやすり掛けします。

アームパーツの駆動軸は、1.5mmのドリルで開けなおしておいてください。

 

②アームパーツの駆動軸を差し込んで、スムーズに動くのを確認します、渋いときにはアームの裏をやすり掛けして厚みを調整してください。

 

③裏からピンを差し込んでアームを固定します。(接着不要)

 バネ用に使う0.3mmのピアノ線を写真のような状態にまげて、適当な長さでカットしておきます。

 

④写真のようにピアノ線を差し込んで、片側(写真右)をパーツの間に押し込んでロックします。

 

⑤差しこんだピアノ線の左側に抜けた先は、そのままだと作業中に指とかに刺さって痛いので、先端をコの字まげてカットしておきます。

左のロックした先端も長すぎた時はカットしておきます。

 

これを左右4個ずつ作成します。

 

完成したサスペンションパーツをキットに接着していきます。

4号は転輪と転輪の間隔が非常に狭く、最後に転輪を取り付けて床に置いたときに、もう少し広げた方が良かった...

なんて事も起こりうるので、多目的接着剤等であとで剥がせそうなくらいに接着しておいて、最後に問題無ければ瞬間接着剤で裏の隙間から流し込んで固定しても良いと思います。


4.上部転輪

 

4号の上部転輪も回転させようと思うとキットのパーツでは結構難しく、特にキットのパーツの中心に穴を開けてシャフトを差しこもうとすると、穴を中心に開けれないと回転が蛇行してしまって上手く回らず...

試行錯誤した挙句、結局回転する転輪自体を作ることにしました(笑)

 

上部転輪もキットによって2パターあって、パーツも2種類作りました。

 

組み立ては、シャフト(0.9mm)に軸受けを通し、先端に転輪の内側パーツを差し込みます。

最後に転輪の外側パーツを接着します

シャフト軸は0.9mmで設計してますが、実際には1mm弱で造形されてくる事が多いので、軸を通す軸受けは1.1mmのドリル(なければ1mm)で開けなおしておいてください。

軸受けを通した後、シャフトの先端を転輪の内側パーツに差し込みますが、内側パーツの裏の穴も狭い場合はドリルで広げてください。

最後に外側パーツを接着しますが、この時転輪の内側外側のパーツと、中の軸(先端)の3つのパーツを接着するような形になります。

接着前に、軸受けが軽く回転するのを確認しておきます。

 

上部転輪の取り付け前に、キットのシャーシーに2.5mmの穴を開けておきます。

組み立てた上部転輪のパーツは、そのまま差し込むだけ(圧入する)で接着しません。

上部転輪の軸は、履帯のセンターガイドが引っ掛からないように細くなっていて、キットの組み立て中にぶつけて折れたりするので、そんなときに交換しやすいように圧入するだけとしておきます。

 

5.転輪の取り付け

 

転輪はキットのパーツをそのまま使います。

但し、先端にモールド付きのシャフトは自作パーツを使います。

先端のモールドは2種類あるので、キットによって使い分けます。

転輪を通したシャフトをサスアームに接着する時は、シャフト側に接着剤を付けるよりも、アームの軸受けの穴の中に接着剤を入れておいて、そこにシャフトを差し込んで接着剤を奥に押し込むように接着したほうが良いと思います。

 

6.履帯の製作

 

これは、以前に紹介したので、今回は省略します

履帯の説明はココ

 

 

7.履帯装着

 

履帯を装着して、多少の重りをのせた状態で、転輪の間隔を確認します。

 

これで走行用の足回りは完成です。

 

 

8.その他

今回の4号の可動パーツ作りも結構いろいろ試していて、結局今日現在で4車両ほどテスト車両が出穂来てしまってます(笑)

これ以外にも、履帯のムービーで使ったように、旧の作例をテスト車両に改造して使ったりもしています。

 

あくまで走行用の改造なので、最後は実際に走らせてテストしています。

 

3Dプリンターで作ったレジンパーツですが、プラパーツの材質に比べて弱い(脆い)箇所があります。

普通に走行させている状態では、破損することはないと思いますが、制作中にどこかにぶつけたり、机から落としたりすると壊れやすいです。

なので、サスパーツとか上部転輪パーツなどは予備パーツを用意しておいて、交換可能にしておいた方が良いと思います。

 

実は、ホビーショウ後に、4号のパーツを使ってみたいと数人の方から問い合わせを頂いたので、今回(現時点の状態で)ブログに掲載することにしました。

 

最後に、現在のパーツは、タミヤの4号戦キット様ですが、4号キットのバリエーションが多く、すべてに対応しているパーツではございません。

例えば、RC用のパーツには使えませんし、転輪がポリキャップ止めのタイプにもそのまま使えません。
現在、ディスプレイタイプで、砲塔付の4号キットは使えると思いますが、一応気を付けてください。