■短評
人種(黒人)差別映画は過去にもいろいろと見てきたけど、やっぱりアメリカ在住でなければ本当の意味でこういう作品を身に染みることはできない感じ。というか、単一民族である日本人が一番、この手の作品ってピンと来ないかも?という気がしてきた。
■あらすじ(アマプラ紹介文より)
二人の刑事が挑むのは、史上最も不可能な潜入捜査。 1970年代半ば、アメリカ・コロラド州コロラドスプリングスの警察署でロン・ストールワース(ジョン・デヴィッド・ワシントン)は初の黒人刑事として採用される。署内の白人刑事から冷遇されるも捜査に燃えるロンは、情報部に配属されると、新聞広告に掲載されていた過激な白人至上主義団体KKK<クー・クラックス・クラン>のメンバー募集に電話をかけた。自ら黒人でありながら電話で徹底的に黒人差別発言を繰り返し、入会の面接まで進んでしまう。騒然とする所内の一同が思うことはひとつ。
■総評
2017年。トランプ大統領の任期中の比較的最近な、人種差別をテーマとした映画。
「もうほんっと、バカばっかりだよね」という監督の声が聞こえてきそうな感じ。
日本人の僕、うん、この映画を観終わってほんっとバカばっかりだよね、あんたたちの国って。という感想を強く持ってしまった。もちろん常識があって知的、非暴力主義の人の方が圧倒的に多いとは思うんだけど、未だに正反対なアホな人も非常に多いんですね・・。
もうこうなってくると、「人種的に劣っているのはどっちなんだ!?」とか、僕自身でさえレイシストになりそう。
オスカーも受賞したり、批評家の絶賛も多かった本作のようだけど、非常に単純に差別側・被差別側の知性を描いていて、難しいことなんて何もない。映画の冒頭でも感じたように、パロディ、コメディとして描かれている。
本編の1979年でもこんなに頑張ってレイシズムとの闘いを繰り広げてきたのに、2017年の本作の公開当時、まだ同じことやってるよね、僕たちアメリカ人。いつまでやんの?と、スパイク・リー監督の「もう仕方ねえからバカでも分かる映画作ってやるよ」という声が聞こえてくるような気がして、非常に俯瞰的にしか観れなかったこの映画。
やっぱり高尚な単一民族である日本人の僕は、暴力的でお下劣なアーリア人の子孫たちとはお付き合いできませんわ。と、感想もこんな感じでパロッてみたら良いのかも。
まあ、日本自体もアメリカに言いなり政権のせいで完全に階級社会になってきて、この映画のようなことが現実性を帯びては来ているけど、ここまで単純おバカにはなれない気がする。あ、アダム・ドライバーは相変わらず良いですね。主演はデンゼル・ワシントンさんの息子という事です。