十二単衣を着た悪魔★1(19点) | 田舎のインドアアラフィフの日々

田舎のインドアアラフィフの日々

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★1/最低。見ない方がいい
★2/見どころがないわけじゃないが酷い部分が
★3/普通。あんまり面白くはない
★4/なかなかの良作、力作、工夫作。
★5/面白い。人に勧めてもOK。90点以上は是非観て欲しい。

■短評

奥さんが観たいと言ったので。一緒に視聴していなかったら、最後まで視聴する力は僕にはなかっただろう・・てか、奥さん先に寝てた。点数は間違えではありませんよ。本ブログを書き始めてから、初めての★1。

 

■あらすじ(アマプラ紹介文より)

現在、就職試験59連敗中!フリーターの伊藤 雷は文武両道な弟に引け目を感じていた。そんなある日、『源氏物語』に関するイベント設営のバイト帰りに、家の付近で激しい雷雨に見舞われ、バイト先でも目撃した不思議な光に吸い込まれて気を失った。目が覚めるとそこは何と平安時代、あの紫式部によって書かれた『源氏物語』の世界だった!タイムトリップしてしまった雷は、皇妃・弘徽殿女御と息子の一宮に出会う。口から出まかせで陰陽師“雷鳴”を名乗り、息子を帝にしようと野心に燃える弘徽殿女御に翻弄されながらも次第に触発され、一念発起する─。

 

■総評

映画を観る上で主演の伊藤健太郎さんに対して特に負の感情はなく、俳優としての才能と引き起こした事件は別物と考えているが、監督の黒木瞳さんについては「金輪際、製作の方に回るのはやめた方がいいです」と言いたい。これがデビュー作じゃないどころか、3作目でこの出来。

非現実であるタイムスリップ(源氏物語は紫式部の小説なので異世界転生?かもしれないが、面倒なのでタイムスリップとする)自体は好きな分野だが、シーンがほぼ全て建物の中の会話ばかりで動きがほとんど感じられない。伊藤健太郎さんを始め、役者さんたちは頑張って良い演技をしているのに、これではまるで小学校の体育館で学芸会を観ているかのようだ。

本来なら題名にもなっている「十二単を着た悪魔」として、弘徽殿女御(三吉彩花)に大立ち回りをさせて、その強さなどを観客に感じさせなければいけないはずが、ただただいつも同じ場所に座って愚痴を言ったり酒飲んでるだけの美人にしか感じられない。たまに入る変に艶めかしい濡れ場なんかいらないからそこにもっと注力を。

また主人公が、未来の文明の利器であるエアサロンパスや頭痛薬?などが切れたあと、具体的にどのように立ち回って要職に就いたかなどの描写もほとんどない。原作小説は読んでいないが、おそらくその辺はカバーしてあったに違いないと思う。観る側が想像で補ってもいいが、そこを描かなきゃタイムスリップ映画として片手落ち。

オマケのように中盤頃から描かれ始めた主人公と倫子(伊藤沙莉)との恋愛や結婚生活も、「時代を超越した愛に持っていって感動させてやろ」感が見え見えのためシラける。どうして惚れたかさっぱりわからん。もっとテーマを絞るべきで、とっちらかって大きな柱が不在。これに、出来の違う兄弟の関係改善や主人公の成長なども加わるので、一体、監督の黒木さんは何を一番強く伝えたかったのでしょうか?と聞きたくなる。

当然ながら、ここは題名にもなっている弘徽殿女御の強さを推し出すべきで、ズッパリと他の要素、せめて主人公の恋愛くらいは諦めて切り捨てるべきだった。伊藤健太郎はじめ、準主演の三吉彩花ほか力演した俳優陣が可哀そうである。

AMAZONプライムでは、洋画の場合駄作だと割と容赦なく低評価になるが、邦画では出演者によって★評価が異常に高くなる場合がある。今回は伊藤健太郎氏がその要因だと思うが、この作品がほぼ★4となっていることについては、ファンの人もさすがにやりすぎじゃないでしょうか?単純に楽しんだ人もいると思うので、先に謝っておきます、きついこと書いてすみません。でも、水戸黄門や暴れん坊将軍観た方が絶対楽しめます