これぞ豪華版のTHE時代劇!
僕が子どもの頃には、テレビで週に何作も放映されていた時代劇ドラマ。
やはり、記憶に残っているのは水戸黄門、暴れん坊将軍だろうか。長寿ドラマだったし。
ガッチガチの勧善懲悪、これが良かったのだが 、いつのまにか古臭い、ワンパターンということで完全にテレビからは姿を消した現在。
あらすじ(Wikipediaより)
武士の瓜生新兵衛は、妻である篠と地蔵院に身を寄せていた。病気を患う篠は散り椿を眺めながら、故郷の散り椿がもう一度見たいと呟くがその願いは叶う事は無かった。篠は亡くなる直前、自分が死んだあと夫に故郷に戻ってほしいと頼み、妻の言う通り故郷の扇野藩に戻る。18年前、新兵衛は藩の不祥事を追及し故郷を逐われた過去があったためそれはとても過酷なものだった・・
テレビからは消えたが、映画として時代劇は定期的に製作されている。
ただ、テレビでの反省のため?なのか、話題の人気俳優を主演に据えたり、大人気漫画が原作だったり、今までにないリアリティのある殺陣だったりと、「昔のテレビ時代劇とは違う」という、何らかの売りを加えたものが多かった。
確かに本作もジャニーズの岡田准一さんが主演ではあるが、彼はもうアイドルというよりも、立派にアクション俳優としての地位を築いており、認知されている。
何よりこの映画が素晴らしいのは、それこそ水戸黄門、暴れん坊将軍を彷彿させるような「勧善懲悪」。
そして最初っから「悪役」がキッチリ設定されていること。
そしてこの悪役がわかりやすーい悪いことをしていて、主人公たちにチョッカイを出してくること。
そして、キッチリ胸のすく「成敗!」をしてくれること!
そうそう、これこれ、これが時代劇なんだよ!と、思わず膝を打たずにはいられなかった。
どんでん返しとか変なリアリティとか特殊効果とか、別にいらないんだよ!
いや、それはそれでいいものもあるが。
もちろん、映像や音楽や殺陣がチャチかったら映画にする意味あんのか!とプンスカするところだが、きっちりそれらをテレビドラマからよくできた映画水準にまで高めているところが素晴らしい。
悪玉の親分だけでなく、「こいつムカつく」と目立たせた悪役にもキッチリ引導を渡す、拾い残しの無い精神もいい!
唯一難点を挙げるとすれば、主人公の義弟の見た目と演技がちょっとアレだったところぐらいだろうか。台詞棒読みだし、おでこ広すぎじゃないか。
それを差し引いても、なかなか文句のつけどころのない「昔大好きだった時代劇の大復活」だった。
何度にもなるが、「暴れん坊将軍」「水戸黄門」が好きだった人は、是非観ていただきたい映画である。