前回の話のつづきです。

今回が最終回です。


私はこれまで、

消費者金融の仕事を含め

県税事務所の窓口(非常勤職員)や

都市銀行の住宅ローン窓口

(派遣で入った後、契約社員に変更)など、
お金にかかわる仕事を複数経験しました。

自分から、積極的に
お金の仕事に携わろうとしたわけでは
ないのです。

特に、都市銀行で働く気は

まったくありませんでした。

「もう、融資の仕事はしたくない」

そう思っていましたから。

 

しかし、当時私は29歳で

青森から東京に1人で出ていったので、

仕事を早急に見つけないといけない

がけっぷちな状況でした。

 

自分が住む予定の街から

乗り換えなしで通勤できる職場、で

派遣会社に希望を出したところ

(電車の乗り換えに自信がなかったので)

日本橋にある、都市銀行の支店を

紹介されました。

仕事内容は、住宅ローンでした。

 

「え、銀行か……大変そうだなぁ」

と思いつつ、わがままは言っていられない

状況だったので、面接に行きました。

 

すると、即日で採用が決まり

あれよあれよという間に勤務開始。

という流れでした。

おそらく、消費者金融での実務経験も

評価されたのだと思います。

 

銀行の仕事も、慣れるまでは

想像以上に悪戦苦闘しました。

何より、とことん「自分の弱さ」と

向き合わざるをえない状況に

次々と見舞われました。

精神的に壊れる寸前まで行きました。

(そのお話も、いずれ書こうかな?)

 

でも、結婚退職するまでの5年半

本当にたくさんの素晴らしい経験を

させていただきました。

 

私はきっと、どうあがいても

お金にかかわる仕事をする

運命だったのでしょう。

今はそう思っています。

 

*****

さて、そんな私ですが……
これだけはハッキリ言います。

「借金する人は大嫌いです」

……いや、
借金する人のことが大好き、という
人も、そうそういないと思いますが。
(注:住宅ローンや奨学金などは

含みません)

私が言う「借金する人」とは、
自分の収入に見合った生活ができずに
身内や友人知人から
簡単にお金を借りようとしたり、
カードローンを使い続けて
雪だるま式に借金を増やしてしまう

人のことです。

 

人から簡単にお金を借りようとする人は
まず間違いなく、ちゃんと返済しません。

そして、一度そんな人に
お金を貸してしまったが最後、
最初の借金はろくに返さぬまま
何度もお金を無心してくるパターンが

多いはずです。

二度目の借金を断ると、その人は
こんな風にのたまうでしょう。

「なんで貸してくれないの?
この間は貸してくれたのに。
なんてあなたは冷たい人間なんだ、
私はこんなに困って頭を下げているのに」

自分のことを棚に上げて
冷たい人間とか、何言っちゃってるの?
という感じですが。

誰かにお金を貸そう、と決めたときは
「貸す」のはなく「あげる」のだ、と
割り切らなくてはいけません。
返ってこないのは百も承知、と。

私は、人にお金は貸さないし、借りません。

常にそういうオーラを
私は出し続けているので、
借金体質の人は、おそらく私と一緒には
いられないです。居心地が悪くて。
「お金貸して」とも、言いだせないでしょう。

というか、私もそういう人がそばにいると
息苦しくてたまりません(笑)

 

消費者金融に勤めていた頃、

カードローンを上手に利用されている

お客さまも、もちろんたくさん

お見かけしました。
ほんの短期間だけ少額を借りて、
お給料が出たらすぐに全部返す。

そのような優良顧客は、
カードの限度額を増やせることが
多いのですが
こちらからご案内しても
「これ以上は要らない。使いすぎは怖いし」
と、お断りされる方もいました。

そういう方は、よほどのことがない限り
今後もカードローンを上手く利用して
いけるでしょう。

しかし、これまでの記事でも書きましたが

「上手にカードローンを利用できていない」

お客さまのほうが、残念ながら
圧倒的に多かったのです。

「カードローンは、打ち出の小づち」
だと錯覚し、どんどん借り入れを増やし
他社のカードも何枚も作っては借り……


気づけば、毎月の返済額が膨れ上がり

自転車操業状態。
そういう方も、私はたくさん見ました。

「消費者金融って、何のためにあるの?
人の人生を狂わせるためにあるの?
『ご利用は計画的に』っていうCMは、
単なるきれいごとなの?」

私は仕事をしながら、
そう思い悩むようになりました。
それが、消費者金融会社を退職した
大きな理由です。

消費者金融会社を退職して
20年経つ今も、思います。
「カードローンには、手を出さないに限る」と。

 

カードローンは、

キャッシュカードではありません。

自分のお金ではありません。

「借金」なのです。

よほど自制心のある人でないと

使いこなせません。


ちなみに、住宅ローンを申し込む際
カードローンの借り入れは
保証会社の審査でしっかりチェックされます。

私が住宅ローンの仕事をしていた頃、
住宅ローンのお申込み時には
「他社借入ゼロ」と申告していたのに
実際に調べたところ、カードローンの借入が複数あり
減額承認になった、男性のお客さまがいました。

 

減額承認になった場合、

希望金額に満たない分のお金は

自己資金で賄わないといけなくなります。

 

なぜ減額承認になってしまったか、

詳しい理由については、原則として

銀行側からお客さまにお話はできません。

「保証会社の審査の結果で……」

程度しか、お伝えできません。

 

でも、お客さまには絶対に

心当たりはあるはずです。

 

結局、お客さまは奥さまに

内緒にしていたカードローンがバレてしまい

こっぴどく怒られたとか……。

 

*****

 

・「身の丈にあった生活をする」

・「カードローンには手を出さない」

・「人からお金は借りない、貸さない」

(どうしても貸すのなら「返ってはこない」と心得よ)

 

これが、私の中での3つのルールです。

私の夫もそういう人です。

 

夫も私も、クレジットカードを

数枚持っていますが

キャッシング枠はすべてゼロにしています。

要らないので。

また、リボ払いは絶対しません。

利息がもったいないので。

必ず一括払いです。

 

夫は、コテコテの関西人です。

彼の亡き父は、浪速の商人だったそうで

子どもの頃から、お金の話を

よく聴いて育ったそうです。

私以上に、お金の使い方は

きちんとしているかもしれません。

 

そして私たち夫婦は、

決してケチケチしているというわけではなく

「使うところは惜しみなく使うが、

要らないものにはお金を出さない」

というスタイルです。

 

金銭感覚がきちんとした人と

結婚できてホントよかった、と

今も思います。

(まぁ、そういう人としか私は出会わないよね、

そういう人しか引き寄せないから。

とも思っています。笑)

 

長くなりましたが。

「消費者金融会社OL時代の話」全8話、

今回でおしまいです。

 

読んでくださって、ありがとうございました。