このシリーズ⑥と⑲でご紹介した「魂の石」ですが、私なりにもう少し詳細に解説してみたいと思います。

 

 その人が魂レベルで魅かれる石、それが「魂の石」なのですが、これは誰でもこの地球上に一つだけ持っているといわれています。

 

 瞑想教室の参加者の皆様が雑談の中でそれぞれ森先生にチャネリングしていただいたところ、その方にとって魂の石となる石が何の石か、そしてどこで見つかるかということまでわかるのでした。ですので、第3期瞑想教室にご参加の方はそれぞれどういう石がご自身の魂の石として出会う予定になっているのか、(実際に出会えるかどうかは別として)既に皆様ご存知です。

 

 しかし、その人自身が見つけなければならない場合とか、まだ出会うべきタイミングではないといった場合、また、何かサプライズが用意されていたりと言った場合、ハイヤーセルフは教えてくれないこともあります(笑)

 

 私を含め、今まで当方のお客様で魂の石を手にされた方、あるいは見つけられた方は9名様いらっしゃいますが、そのうちお一人は森先生のチャネリングではわからなかったものの、私達の目の前で突然ご自身で見つけられました。またある方は私達が見つけるまでもなく既にお持ちのクリスタルが魂の石でした。

 

 魂の石に出会うとスピリチュアルな成長が加速され、それまで気づかなかった精妙な問題に気付くことができたり、霊的に大きく成長するきっかけをつかむことができたりする・・・とのことですが、その他にもクリスタル全体との相性が良くなるので石の声を聞くことが出来るようになったり、ご自身に合ったクリスタルを容易に見つけることが出来るようになったり、また、他者のクリスタルを選んであげるのが得意になったりします。将来クリスタルショップをやりたいっていう人は是非出会って欲しいものですね(笑)

 

 今日は私、今和泉が魂の石に出会ったときのエピソードをお話しようと思います。

 

 当時私は最近イジメ自殺で有名になった、今をときめく劇団Z(仮称)の専属スタッフでした。報道で知られているのは生徒同士のイジメやパワハラですが、実際はもっともっとひどいものでしたし、スタッフ間の方が(生徒と比べて発散する場所がないので)なおさらひどい陰湿ないじめやパワハラがありました。

 

 私はくたびれ果てていました。ちょっとした失言に尾ひれがついて悪い噂になったり、言葉尻を捉えてさぞかし悪意があるかのように広められたりすることは本当にしょっちゅうありました。稽古場で感染予防のためにマスクをしていれば演出家から「私のこと、バイ菌扱いですか?」なんて言われたこともあります。

 

 一つ私がトラウマになっている今も覚えている出来事があって、それは14~5人くらいの演出助手たちを交えての飲み会だったのですが、だんだんその場にいる人たちが自分の携帯を気にするようになったのです。メールが来て、それに返信しているようでした。

 

 そのうちクスクスと笑いだし、やがて私以外全員がうつむいて携帯でメールをする以外何も話さなくなったのです。状況的に私の悪口で盛り上がっているんだろうな、というのわかるのですが、ショックでその後どうやって自宅へ帰ったか覚えていないくらいです。

 

 本当にそういうことが日常茶飯事でした。人を貶めるためには平気で嘘をつくし、根も葉もない噂を流されるし、まあ、本当にそういう場所です。

 

 私はあるプロデューサーの紹介で一人の占い師のところへ相談に行っていました。1ヶ月に一回くらいの頻度で通っていたのですが、本当にその人には助けてもらっていました。ある時、彼女が突然話の脈略もなく、

 

 先生「今和泉さん、あなた 海 ・・・で癒やされるみたいよ。なんか 海の水 がいいみたい。」

 

 とおっしゃいます。何を言い出すのかと思って聞いていると、先生はさらに深く霊視モードに入っていったのでした。目の前で炊いているお線香の煙が一際強くなったように感じます。

 

先生「あなたね、気に入ったものがあったのならすぐに買わなきゃダメよ。迷っていると邪気が入るの。あなたの部屋に置いてあるものなんでみんな邪気だらけよ!」

 

 当時海を見るような習慣もなかったですし、海どころかプールで泳ぐ習慣もありませんでした。海へ観光に行けってことかな?とも思ったのですが、私は山育ちですので、当時どちらかというと山や田園風景の方が癒されるような気がしていました。そして、「モノを買え」って・・・どういうことかな・・・と。

 

 私は疑問を抱えたまま、この時は先生にお別れを告げたのです。

 

 帰宅して暫くしてピンときました!それは先生のところに相談に訪れるちょっと前の話です―――

 

 

 私は当時単身赴任だったのですが、田舎の実家に帰ったときに地元のクリスタルショップにちょこっと立ち寄ったのです。当時オーラの泉なんかも放映されていて(まだ深夜枠だった頃です)、ちょっとしたスピブーム、クリスタルブームが訪れ始めていました。ちょうどその頃のお話です。

 

 クリスタルショップに入るのなんて初めてです。店頭に並べられたガラスの器にたくさんの色とりどりのタンブルが入っています。店の左側にはたくさんのブレスレット。まあ、女の子はこういうの好きなんだろうなーくらいに思ってみていました。

 

 そろそろ帰ろうと思ってふと奥のガラスケースを見ると、直径7cmくらいの球体が飾ってあるではありませんか。それは青く半透明に輝き、小さな地球のように見えました。

 

 しばらくぼんやりと見ていると店員さんが寄ってきて、「是非持ってみて下さい」と言い、扉の鍵を開け、その球体を私の手の平に載せてくれたのです。

 

 その石はひんやりして、とても気持ちよかったです。そして、あまりの美しさに感動しました。間近でみるともっともっと美しいのです。じっと魅入っている私に、店員さんはその石の名前を教えてくれました。

 

 その石の名は アクアマリン でした。

 

 当時石を集めるような趣味はありませんでしたから、「へえ、世の中にはこういう趣味の世界もあるんだな。」くらいにしか思いませんでした。何万円もするその石を買わされたり勧誘を受けたりするのも嫌なので、その時はさっさと返して帰ってきましたけれど、なぜかショップを後にしてからもその石が気になって仕方がないのです。手の平にあのひんやりした感覚や重みが残っているかのようでした。

 

 そうか!アクアマリン!アクア=水 だし、マリン=海、つまり―――

 

海の水って

アクアマリンのことだったのか!!

 

 

 そして「気に入ったものを見つけたらすぐに買え」っていうのは先生は私にその石を買えっていうことが言いたかったのです!!

 

 こうして私は次に地元に帰った時、真っ先にその石を買いに行ったというわけです。その石はまだちゃんとガラスケースの中に鎮座していました。

 

 私は憑りつかれたかのように毎日その石と一緒に過ごしました。先ずはパワーストーンについて様々な情報を調べてみました。アクアマリンの石の効能として、コミュニケーションを助けてくれるとかって書いてあります。そして海が浄化が得意なように、この石が私を浄化してくれるんだなというように思いました。

 

 ところが実際はそうではありませんでした。私が疲れた時、癒しが必要だと思ったときにこの石を見ると、この石も疲れているのです。私はこの石が私の気付かないうちに疲労を吸いとってくれ、もしかしたら私より先にこの石が疲れてしまっているのではないかと思いました。

 

 またある時はお守り替わりに劇団に連れていったこともあります。仕事が終わってから部屋へ戻ると、その石は信じられないほど輝きを失っていました。私は申し訳ない気持ちになり、それ以降一度も外へ持ち出すことはしなくなりました。

 

 私が疲れたり、気持ちが落ち込んだりするたびにこの石もくすんでしまいます。私は悲しくなってしまい、「お願いだからもう私のために働かないでくれ!」と思ったものです。

 

 逆に、私が職場でいいことがあって気分よく帰ってきたとき、戸棚においたその石がパァーっと明るく輝いているように見えました。そうか、私が元気で活き活きしていることが、この石にとっても嬉しいのか!と思ったものです。

 

 しかし、私の勤めているのはそういう劇団です。そう毎日活き活きして過ごすことなんて当時の私にはできませんでした。私はいつも疲れていて、いつも気分が落ち込んでいました。

 

 私は次第にこの石を目立たない場所へ隠すようになりました。

 

 この石を浄化するために別の石が必要なのではないか?そう思うようになりました。浄化のためだけではなく、そのアクアマリン球に仲間が欲しいと思うようになったのです。この石ひとつでは寂しいだろう、私なんかのために一人で頑張らせてしまうのは可哀そうだと思ったのです。

 

 最初に目を付けたのが、様々な石の丸玉でした。石を丸く磨くということ自体がとても魅力的に思えたのです。ただ、どんな石を買っても、このアクアマリン球の横に飾るのに相応しい石は見つかりませんでした。

 

 その後もたくさんの石をコレクションしました。アクアマリンと合うと言われているクリソコーラなども買い揃えました。でも全然この球には合いません。

 

 アクアマリンはベリルなので、同じベリルのモルガナイト、エメラルド、ヘリオドールなどは合うはずです。でも、何を買っても合わないのです。ベリルどころか同じアクアマリンのペンダントやタンブルなども、この球には合いませんでした。

 

 私はその時よくクリスタルを購入しているバイヤーさんに相談しました。その方は「うーん、特別に愛して欲しい石なのかもしれませんね」と返すのみでした。

 

 コレクションが増えてくると、次第にこのアクアマリン球の方を(他の石に合わないので)戸棚の奥にしまい、他の石ばかりを可愛がるようになりました。それは本当にこの石を大切に思っていたからです。私は他の石で自分自身を浄化し、この石だけは汚れて欲しくないと思っていたのです。

 

 それから約20年後、森先生に出会ってこの石を見てもらったとき、森先生は「そうか、ひなちゃんはもう魂の石と出会ってしまったんだ」と言いました。その時初めて私はこの石が「魂の石」と云われているものであることを知ったのです。

 

 こうした私の経験から、魂の石とはいわゆるパワーをもらえるパワーストーンのようなものではないかもしれない、という風に思っています。むしろ、持ち主が元気であればその石は元気に見えるし、落ち込んでいればその石も落ち込んで見えるというものではないでしょうか。

 

 つまり、その時の持ち主の状態を映し出す鏡のようなもの なのです。

 

 その石を慈しむ気持ちが起こったときは、それは自分自身を慈しむ必要性を感じているときでしょう。その石を誰かに見せたいと思ったときは、自分のことをもっと知って欲しいと思っているということに違いありません。(※森先生によると、一般的に魂の石はあまり人に見せてはならないとのことです。)

 

 私がアクアマリンに感じた「もう自分のためにそんなに働かないでくれ!」という思いは、自分自身へのメッセージでした。働き方として、そんなに無理をするなということを自分自身に対して叫んでいたのです。

 

 この石に仲間が欲しいと思って他の石をたくさんコレクションしたこと、これは私自身に友達や心を許せる仲間が欲しいと思っていることの現れでした。そして、「どんな石もこの石とは合わない」と感じたことは、「私は誰とも相性が悪いし、誰とも仲良くやっていけない」という孤独な気持ちの表れだったのです。

 

 魂の石とは持ち主そのものであるということを知って頂きたいと思います。その時の自分自身の状態を見事に投影して見せてくれる石なのです。魂の石を手に入れるということは自分自身を客観的に深く観察するチャンスを得たということです。

 

 魂の石を手にされた方は、石を観察することによってご自身の内面を観察してください。

 

その石はあなたにとって今どうみえますか?

 

それがきっと、あなたの今現在の姿です。

 

(続く)