Allan Kardcc アランカーデック(1804-1869)

 

 

久しぶりのエンチダージ紹介です。次はこの方…と思いながら、彼のCASAにおけるそのあまりの功績の偉大さを前に、なかなかご紹介する決心がつきませんでした。

 

アランカーデックとはペンネームで、本名をイポリト=レオン=ドゥニザール・リヴァイユ(Hippolyte-Léon-Denizard Rivail)といいます。1804年フランスのリヨン生まれ。彼はフランスの教育学者・哲学者であり、「スピリティズム(英:Spiritism 仏:Spiritisme)」の創始者です。

 

1840年代にアメリカで最初に始められるようになった「交霊会」。霊媒と呼ばれる人を介して死者とのコミュニケーションを図るというこの交霊会は、1850年代にはヨーロッパでも盛んにおこなわれるようになりました。アランカーデックは科学、医学、古典などの学術研究で人生の前半を過ごしましたが、後にこの交霊会という超自然的現象に大いに興味を示し、研究・調査を開始したのだそうです。

 

あるとき彼の親友の2人の娘が霊媒能力を発揮し、普段はごく普通の明るい娘たちが、打って変わって真剣な様子になり、「あなたには重要な宗教的使命がある」と彼に告げたのだそうです。その出来事がきっかけで、アランカーデックは毎週末、その2人の協力で交霊会を開き、人生のさまざまな問題や宇宙観について質問し、テーブルターニング(交霊会参加者がテーブルを囲んで座り、テーブルの上に手を乗せます。そのテーブルが自動的に動き、床を打つ音の数でアルファベットの文字を指示し、霊からの通信をつづる方法)や自動書記によって答えを得ていったのだそうです。

 

アランカーデックは元々科学者であり、冷静かつ論理的な人物であったため、彼の参加する交霊会は特別なものとなりました。彼が交霊会に参加すると突然、それまで通信している霊が高級霊に変わったのだそうです。そして通常、他の交霊会では霊の方からの一方的な啓示であるのに対し、彼の参加する交霊会の場合は常識的、現実的な人間の疑問に霊界からの解明を与えるというものであって、日常生活にすぐに応用できる霊的知識が多分に含まれているという特徴がありました。彼が通信した高級霊とは、聖ヨハネ、パウロ、アウグスチヌス、ソクラテス、プラトン、スエーデンボルク、真理の霊等々と言われています。

 

そのような実験を始めて2年も経ったある時、彼はそうした目に見えない存在と、彼らの発信する情報の内容を認め、本にまとめて出版しようと決心します。本の内容については一つの交霊会だけでなく、色々な言語の様々な交霊会で霊言を収集し、細かく比較、検証し、絞り込んで編纂したのだそうです。そしてついに『霊の書 (Le livre des Esprits) 』(1857年)が世に出されることになりました。

 

この「霊の書」の最大の特徴は、「人間の生まれ変わり」を中心の教示としていることです。それまで英米系の霊界通信では人間の生まれ変わりについては明確に否定されてきておりましたが、この「霊の書」をきっかけに、次第に英米系スピリチュアリズムにも「生まれ変わり(再生)」が認められるようになってきました。

 

この本はブラジルでも翻訳され、出版されました。それを読んだ時のベゼーラ・デ・メネゼス医師の様子はこちらの記事後半、【ブラジルのスピリチュアリズムとスピリティスト運動】の箇所に詳述いたしております。

 

メネゼス医師は後に「ブラジルのアランカルデック」として知られるようになるほどに「スピリティスト」として活動し、やがてブラジルは本国フランスを凌ぐほどにアランカルデックのスピリティズムが浸透するようになったのです。そして、このスピリティズムの理論背景こそが現在のCASAを支えています。アランカルデックの霊は直接ジョアンさんに入ることはないけれども、エンチダージの一員であり、かつ指導的立場のエンチダージです。

 

 

"To be born, to die, to be reborn yet again and constantly progress."

人は生まれ、やがて死ぬ。そしてまた再び生まれ変わり…

そうして絶えず進歩し続けるのです。