今日は カーサの滝周辺で殺害された赤松瞳(あかまつひとみ)氏のこと をもう少し突っ込んでお話しようと思います。

 

 彼女は近年、「2011年の東日本大震災で被災し、放射線の治療を目的に2年前にブラジルに移住した。」と周囲に語っていたとのこと、それが今回のニュースで明らかになりましたけれど…

 

 でも本当はそのずっと前からカーサ周辺に住んでいました。

 

 2年前というと、2018年ということになりますが、2018年3月あたりからは彼女はむしろ日本国内にいたはずです。彼女は国内でスピ系雑誌に自らを売り込んで取材させていましたし、セミナーで多くの人を騙し、しかもそのトリックが暴かれ、2019年始めまでにはまたブラジルに逃げ帰ったらしいことがわかっています。

 

 つまり、なぜこの2年間ブラジルにいたことにしたかったかというと、日本で詐欺がバレた嫌な記憶をなかったことにしたかったからではないでしょうか。

 

 

 森先生は2012年から頻繁にカーサに通っていましたが、彼女にカーサで会うようになったのは2014年ごろからだそうです。

 

 最初赤松氏は森先生に、「私は元FBIの捜査官で、霊能力を使って捜査に携わっていました。でも色々知られてはならない秘密を知ってしまい、逆にFBIに追われる身となってブラジルに流れ着いた」と自己紹介したそうです。そして、「現在は様々な企業の(霊能力を使った)コンサルタントをしている」とも。

 

 森先生はそれを聞いて、「そもそも日本国籍の人間がFBIの 捜査官 になどなれるものだろうか…」と思ったそうです。そして彼女はいつもおカネに困っていた様子だったので、「コンサルタント」というのも疑わしく思っていたそうです。だって、彼女は当時人から食べ物を恵んでもらいながら安宿を点々としていたのですから。

 

 赤松氏はその頃別の人には「私は特殊能力を開発するロシア政府の特殊機関にいた」と自己紹介したそうです。

 

 明かに矛盾しますよね。

 

 彼女はある時、ある日本の建築会社の社長を連れてカーサに訪れました。

 

 おそらく彼女がその社長に話を持ちかけたのだと思いますが、カーサ周辺に日本人向けのポウザウダ(宿)を作るという計画を立てて、カーサのセッションでエンチダージにお伺いを立てたのだそうです。

 

 セッション後(エンチダージとの面会後)に「ポウザウダ建設についてエンチダージの許可が下りた」と彼女は社長に説明したそうですが―――― 実際はどうだかわかりません。彼女がセッションの時に通訳をしたので、英語がそれほど堪能ではないその社長は確かめようがなかったらしいのです。

 

 建設はなかなか始めることが出来ませんでした。赤松氏の話では、「エンチダージから許可をもらったけど、ブラジル政府からなかなか建築許可が下りない」とのことで、ついに建築会社の社長は痺れを切らして日本に帰国し、赤松氏が一人カーサ周辺に残って滞在を続けるようになったのです。

 

 おそらく、ブラジル政府に建築許可を申請した、という話自体が嘘だったのではないかと言われています。それは建築許可を待っている「フリをして」、建設会社からの報酬を得ながら、カーサに長期滞在するためです。

 

 なぜ森先生がこの話を知っているかというと―――

 

 赤松氏は森先生に「あなたがカーサジャパンの代表よ」などとおだててこの話にのるよう(出資するよう)働きかけたからです。ですが、自他ともに認めるお人好しの森先生も、あまりにも話がうさん臭いと感じ、断ったそうです。

 

 結局建築を始めることは出来ず、やがて建築会社の社長から見切りをつけられた彼女は、お金がなくなったのか再び乞食のような真似事をしてカーサに居座るようになります。

 

 カーサ周辺のポウザウダ(宿)を周って、(ほとんどどこもみなバイキング形式の食事スタイルなのですが)、宿泊客やその友人のフリをして食事をし、代金を払わないで去っていくのです。私もその噂を聞いていたので、赤松氏が現れるといつも注意深く観察していましたが、実際彼女がお金を支払ったのを見かけたことはただの一度もありません。

 

 おそらくその言い訳として、「2011年の福島の原発事故で目を患い、その治療のためにカーサに来た」という、外国の人から見て同情を誘うようなお涙頂戴エピソードを作り上げたのです。

 

 彼女がそんなことを言い始めたのは(おそらく)2016年頃から。

 

 森先生は彼女が突然そんなことを言いだしたので、非常に驚いたそうです。FBIはどうなったのかと。アメリカにいたはずじゃなかったの?と。もちろん、それまで一度も彼女の口から「福島の放射能で目を患った」などという話は聞いたことがなかったそうです。

 

 森先生ご自身が福島出身。それまで何度か赤松氏との話の中で震災や福島の原発事故の話題も出たことがあるらしいのですが、彼女は全く他人事のようだったそうです。森先生は「彼女は今まで一度たりとも福島に訪れたことなどないはずだ」と断言しています。(※赤松氏は北海道出身です)

 

 まあ、筋金入りの詐欺師だったわけです。彼女の話は何から何までウソだった、と考えるのが自然だと思います。

 

 私たちが最後に彼女に会ったのは、2020年3月。

 

 彼女は一人のイカツイ現地の男性と一緒でした。その男性の威を借るというのか、なんだか妙に堂々とした様子で人を見下した態度だったのが印象的でした。彼女が行方不明になったことを警察に通報したアルゼンチン男性というのはおそらくその人ではないかと思います。

 

 今日の記事はちょっとゴシップ記事のようになってしまいましたが、次回は本題、

彼女の患っていた「本当の病」について考察し、彼女の残していったメッセージをひも解きたいと思っています。

 

(続く)