足柄「いよいよ鳥居をくぐるのね」
いや、その前に鳥居の手前で西に行く。そこに重要な摂社、式内社の上知我麻神社(6)が大国主社(7)と事代主社(8)に挟まれて鎮座している。
足柄「写真は?」
撮らなかった。熱田神宮の境内社はいろいろなところにすでに写真上がっているし。それよりもさらに重要なのが、その北側に南面している別宮八剣宮(9)だ。本殿と全く同じ神様を祭っていて、社殿は白い布で隠されている。
足柄「なんで、同じ神様を祭る神社が同じ境内に?」
一説には昔は一般人は鳥居をくぐることができなかったので、本殿の代わりに参ることができるように設けられたという話だ。元明天皇の勅命ということだからかなり昔だ。ご丁寧にダミーの神剣まで作って収めてあるそうだ。
足柄「そういえば昔は草薙剣は本殿ではなく土用殿という倉に納められていたのよね。ひょっとして本殿よりもありがたみがあるんじゃない」
いや、ダミーだし。ま、それはともかく、いよいよ鳥居をくぐるが当然まっすぐに本殿にはいかない。東側の小道に入ってさらに南に戻ると、そこに日割御子神社(10)がある。ここも式内社だ。たいてい見落とされるけどな。
足柄「境外の摂社のうち青衾神社も式内社だったわよね。付属の神社までが延喜式に記載されていたって、さすがは熱田神宮といったところかしら」
まあ、伊勢国の式内社のほとんどが摂社末社という伊勢神宮には及ばないけど、尾張国愛知郡の式内社は半分は熱田神宮の摂社末社だからな。さて、そこから少し北に行くとまたもや式内社の孫若御子神社(11)がある。
足柄「なんかにたような名前の神社ねえ」
その東側の奥にある小道を北に進むと南新宮社(12)の前に出る。ここの社殿は丹塗りできれいだったので写真を撮ってみた。
足柄「まあ、確かにきれいかしら」
ここの北側には八子社(13)と曽志茂利社(14)がある。そして、ここから西に行くともう一つの末社、楠之御前社(15)がだ。
足柄「何でここは写真があるの?」
境内の雰囲気をよく表してると思って。端的にいうとここいらの摂社末社には来る人ほとんどいないから、さながら別世界になってるんだよ。本殿はもちろん、恵比須さんでにぎわう上知我麻神社なんかは参拝者がたくさんいるからこの雰囲気は出てこない。ちなみにここの祭神は伊弉諾尊と伊弉冉尊なんだが、ご利益が安産だそうだ。
足柄「…まあ、そういうこともあるかしら」
なお、この社殿の東側に開かずの門である清雪門がある。ここでは五月四日、、、、って今日じゃないか、、、酔笑人神事(えようどしんじ)という奇祭が行われる。これは日が沈んでからここ清雪門前と、別宮前、神楽殿前、影向間社前の四か所で神面を扇で打って大笑いする神事だ。なお、神面は見てはいけないということで懐に隠して持つそうだ。
足柄「夜に神主姿の人たちが笑ってるって、かなり怖い絵面ねえ」
確かに。さて、楠之御前社から大きな参道に戻って、少し北に行くと右手に徹社(16)が見える。ここは天照大御神の和魂を祭った神社だ。
足柄「ということは荒魂を祭った神社もあるの?」
うん、本殿西側の小さな道を通っておくに行くと一之御前神社(17)があるが、そこに祭られている。それはともかく、徹社から回れ右して西の小道に入るとこんなものがある。
足柄「なにこれ、遮光器土偶? 眼鏡之碑って、確かに眼鏡みたいだけど」
さて、もう一つの鳥居をくぐって手水舎で手を清めたら、本殿、ではなく東の方の小道に入る。
足柄「まあ、目的が目的だから、、、彷徨うわねえ」
六末社とまとめられる末社がある。乙子社(18)・姉子神社(19)・今彦神社(20)・水向神社(21)・素盞嗚神社(22)・日長神社(23)の六社だ。その北側には医薬の神様内天神社(24)がある。
足柄「内天神社は一つだけ社殿の形が違うのよね」
そこから一つ道を北に横断した先に大幸田社(25)と東八百萬神社(26)が、さらに主参道を横断した先には西八百萬神社(27)が鎮座している。
足柄「八百萬神社?」
ここにお参りすれば日ノ本八百万の神すべてに参ったことになるというコンビニエンスな神社だ。
足柄「なんだかなあ」
ようやく本殿(28)だが、ここに参って終わりではない。ここから東、神楽殿の東の小道を北に行くといくつかの摂社末社がある。まず最初に来るのが龍神社(29)。
足柄「愛知県の神社って、ほとんど末社に龍神様祭ってるわよね。ドラゴンズと、、、」
関係ないと思う。あの名前は初代オーナーの干支が由来だし。さて、次に来るのは小さいけれど式内社の御田神社(30)。ここは熱田神宮の贄を扱う神社なので、十月十七日の新嘗祭では重要な役割を果たす。
足柄「十月十七日?新嘗祭は十一月二十三日じゃないの?」
熱田神宮は違う。という訳で、愛知県も違うということだから、これからは新米は十月十七日から食べることにしよう。さて、そのさらに奥には清水社(31)と、なんと楊貴妃の墓がある。
足柄「なんで?」
楊貴妃は実は熱田大神の化身だったという説があるんだ。あ、狼の化身=足柄=楊貴妃は禁止な。
足柄「ちっ」
さて、それでは西門へと向かおう。西門の近くには菅原社(32)がある。
足柄「天神様も多いわよねえ」
そこから境外に出て北に向かうと神宮西駅があるのだがあわててそこに行ってはいけない。境内の方を見ながら進むと一つ鳥居が見つかる。そここそ最後の境内摂社&式内社下知我麻神社(33)だ。旅行の神様なので、帰りの無事を祈るために必ず立ち寄ろう。
足柄「これで終了?」
いや、まだ少し離れたところに境外摂社がある。全部で45社というから、まだ8社残ってる。
足柄「じゃあ、33社はすんだ、、、、ってかっこの数字はそれだったの」


