江戸生艶気蒲焼(ゑどむまれうはきのかばやき) その7 | そろって浄土に弥次喜多道中膝栗毛

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残り少ない人生、死ぬのは苦しいものか、どうも痴呆老人になって死んでいくようだ。お寺の坊さんに頼んでいるが。
残りの人生、東海道中膝栗毛の弥次喜多道中のように気楽に行けないものか。


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江戸生艶気蒲焼(ゑどむまれうはきのかばやき) その7

それにしても 江戸生艶気蒲焼(ゑどむまれうはきのかばやき)とは面白い言い方ですねえ  艶気とは 浮気心、或いは色の道という意味などか いろいろ考えましたが いい感触が掴めま

せん 小生も艶二郎気取りで 本書を読んで 独り善がりのいい加減な解釈ながら 楽しんでお
ります

お話しは 大金持ち仇気屋(あだきや)の道楽息子 艶二郎 これが団子鼻のいい男 金持ちの
ボンボン息子なれば金に飽かせて 色男を気取り 女にもてようと悪戦苦闘 世間に艶名をうた

われようと 四苦八苦 ぼろをだして物笑いの種 それに懲りずに次から次へと挑戦するお話し
何事も挑戦する心構えが大事

今回は 艶二郎の芸者遊びも次第にお盛んに 江戸は主だったる遊所なる深川、品川、新宿その


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  (浮名 座敷が終れば 艶二郎の寝床に わるゐ志庵 五っぶとん・錦の夜着ながらひとり寝 )


ほか数ある遊所をほっつく歩き 遊女を次から次へと買ってみれど 馴染みの吉原遊郭のうはき松屋の「浮名」なる遊女ほどよき女とておらず 浮名に 間夫にならんとてもちかけるに 一蹴

されたり 間夫は 遊女が身銭を切ってでも入れあげるほどのいい男、艶二郎のごとき 団子鼻ではどうしょうもありません

やむを得ず、悪友の「わるゐ志庵」を名あて人に 表向きの客として浮名をあげづめにして 格好をつけ 艶二郎は新造買いにて通人ぶり 大金を投じて 「これがいいのよ」とばかり ひと


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                             ( 茄子 )


                    「俳画に誘う」小野 華優著 翔雲社 参考


りで嬉しがっております
艶二郎 浮名に 言うよう 「お前が 俺の所にくると 旦那のわるゐ志庵がやき餅を焼き 遣

り手婆などを呼んでのひと騒ぎ これがいいのよ なんともいえない気持ちよさ これが色男のつらさよなどと

浮名は あきれ果て ほんとに 酔狂な人でございますなあ と言えば、艶二郎 そりゃ座敷で

はわるゐ志庵がお大尽さ でも 座敷が終わって御休みのときは 俺様のところさ どうだい 格好いいだろう 

 
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                         (水墨画の練習 南瓜)


                   「水墨画の描法」斎藤南北著 秀作社出版 参考


わるゐ志庵も 「五っぶとん・錦の夜着で寝るだけ」(p126)であっても しょうがない付き合いさ  

黄表紙 江戸時代 いわゆる田沼時代の時代風潮を背景にしての 享楽的、開放的な時代の産物非現実的 荒唐無稽なストーリーながら読めば大変面白い

それに 添えられた挿絵も詳細に当時の風俗を描き 庶民の生活、風俗が窺われて 楽しめますよ

「日本古典文学全集 黄表紙 川柳 狂歌」 浜田義一郎 鈴木勝忠 水野稔 校注 小学館から