【恋夢】ゆれて・・・12(再) | カンタ印  元気印

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日々の出来事、思った事などをとりとめもなく...

『雄輔は幸せになってね。』 優しい、でも、どこか寂しそうな笑顔でいう女性(ひと)。

「待って!行かないで!俺を1人にしないで!!」 うなされて飛び起きた。

夢か・・・。久し振りに見たな。最近は見てなかったのに・・・。

一昨日の夜、リゾートウエディングの同行から戻った。

昨日は、昼になる頃に起きだして、荷物などを片づけているうちに終った。

今日は特にする事もない。1日どうしようか?

カーテンの外を見ると、青空が広がるいい天気だった。

「出かけてみるか?」 俺はカメラを手に出かける事にした。



「懐かしいな」 俺は動物園に来ていた。

あんな夢を見たせいかな? 動物や子供達の写真を撮りながら、ぷらぷらと歩く。

1人でコビトカバを見ている男の子がいた。

「おい坊主、コビトカバ好きなのか?」 声をかけてみた。

(うん!あの尻尾がすきなんだぁ!かわいいでしょ!)

誰かと同じこと言ってんな。・・・俺は笑ってしまった。

「ところで、坊主1人か?父ちゃんや母ちゃんは?」

(母ちゃんと一緒だよ。あっ、母ちゃんだ!じゃあね、お兄ちゃんバイバイ!)

「おう!走って転ぶなよ!」 男の子に手を振りながら、その走って行く先を見て俺は固まった。

「香夏・・子?」 そこには香夏子がいた。

俺に気づいた香夏子も驚いた顔をしたが、それは一瞬で、すぐに諦めたような泣き笑いの表情に変わった。

(母ちゃん、のど渇いた。なんか飲みたい!)

男の子に手を引かれ、香夏子は人混みの中に見えなくなった。



それから、どこで何をして時間を潰したのか? 気づいたら会社の近くにいた。

そうだ、剛士さんなら何か知っているハズだ。

慌てて会社に向かうと、まだ窓に灯りが見えた。 幸い、剛士さんが1人で残っていた。

〈まぁ、とりあえず座れよ〉 俺の普通じゃない様子にそう言うと、コーヒーを淹れてくれた。

〈香夏子の事か?〉 煙草に火を点け、一服すると言った。

「俺、今日、香夏子さんの事、見かけたんですよ・・・」

〈そうか・・・〉そう言うと、剛士さんはどこかに電話をかけ始めた。



帰宅した私は、灯りもつけずに部屋の中で座り込んでいた。

どれくらいの時間そうしていただろう? 携帯の鳴る音で我に返った。

剛士・・・。携帯の表示は剛士からだという事を示していた。

〈香夏子?今、雄輔がきてるんだけど・・・。今日、会ったんだって?〉

『うん・・・』

〈・・あの事、俺から話してもいいか?〉

『うん・・。お願い・・してもいい?』

〈・・・わかった。・・・香夏子・・大丈夫か?〉 剛士が心配そうな声で訊く。

『・・うん。・・・ごめんね』 そう答えるのが、やっとだった。

                                                          つづく