「夢・・・じゃねぇ~よな?」 部屋の中に香夏子の形跡を探す。
サイドテーブルにメモがあった。
夜が明ける頃、香夏子は雄輔の腕の中で目を覚ました。
昨夜、夢中で求めた男の腕の中・・・。
すぐ目の前に雄輔君の顔がある。
夢・・・じゃなかった。
こんなに安心して眠ったのは、いつ以来だろう?
・・・替わり・・なんかじゃなかった。
昨日、抱かれながら気づいた事。 雄輔君が・・・好き。
雄輔君の中のあの人じゃなく、雄輔君そのものを求めていた。
私は大バカだ。
溢れるまで気づかないなんて・・・。溢れて初めて気づくなんて・・・。
もし、もっと早くに気づいてたら、こんなふうにはならなかったかもしれないのに・・・。
雄輔君が目覚めた時、どんな顔をしたらいいんだろう?
もう少し雄輔君のぬくもりに包まれていたかったけど、私は先に帰る事にした。
[仕事の前に1度 着替えに戻ります] メモを残す。
少し考えて、[ありがとう] とだけ付け加えた。
雄輔君は目が覚めたら、どう思うんだろう? 後悔・・・するのかな?
・・・これからどうなるんだろう?
後悔はしてなかったけれど、もう昨日までの2人には戻れない気がしていた。
メモを手にした雄輔は、数時間前まで香夏子のいた空間に身を投げ出していた。
「・・よかった・・・」
香夏子の残り香が雄輔を包み込む。
メモの最後に書かれていた[ありがとう]の5文字が、雄輔をホッとさせていた。
つづく