バスルームから出ると、先にシャワーをあびた彼女はベッドの中にいた。
隣にすべり込むと、背中から抱きしめた。身体が・・・震えている。
「香夏子・・さん?」
香夏子が男の人と肌を合わせるのは、6年振りの事だった。
もちろん雄輔はそんな事は知らなかったが、その様子に何かを感じ取っていた。
「やめ・・る?途中で止めるなんて・・・俺・・ムリだよ」
振り向いた彼女が必死にしがみついてきた。
普段、しっかりしている彼女なのに、壊れそうなくらいに弱々しい。
ダメだ・・・。もうこの気持ちに流されよう・・・。彼女が・・欲しい・・・。
優しく口づけると、怖がらないようにそっとその身体に触れた。
やがて、彼女の口から漏れだした吐息は、だんだんと荒いものへと変わってゆく。
「香夏子さん、大丈夫?」
『うん・・大丈夫・・』 そう言うと、俺を受け入れた。
『・・・あ・・あぁ・・』 漏れてしまった声に、慌てて両手で口を塞ぐ。
それでも、いっそう荒くなる息遣いに、表情が切なく変化する。
『雄輔君・・・怖い』 そう言って、すがりついてきた彼女・・・。
大丈夫だから・・・。俺が全部受け止めるから。怖がんないで・・・。
「香夏子さん・・・。俺・・見て!」
俺を見たその目に吸い寄せられ、唇を重ねる。
『あぁっ・・・』 ひときわ切ない声をあげた彼女に、俺も耐えられなくなった。
「香夏子さん・・イク・・よ」
その声に頷いた彼女と一緒に昇りつめた。
『雄・・輔・・』 眠る香夏子の手が、意識のない中で雄輔を探していた。
煙草を消した雄輔は、ベッドに戻ると香夏子を抱きしめた。
「ここに・・いるよ」 そう言った雄輔に、香夏子は安心したようにまた深い眠りに落ちる。
「かな・・こ・・」 雄輔は初めて『香夏子さん』ではなく、『香夏子』と呼んだ。
俺・・ホレちまったのかな?本気で・・・。こんな気持ち・・あれ以来だ・・・。
腕の中の香夏子のぬくもりに安心したように、雄輔もまた深い眠りに落ちていった。
つづく