【恋夢】ゆれて・・・7(再) | カンタ印  元気印

カンタ印  元気印

日々の出来事、思った事などをとりとめもなく...

あの夜の出来事から、数日が経っていた。

忙しい週末が終わり、例によってスタッフみんなで飲みに行く。

何軒かハシゴして、最後はいつものように剛士と・・・雄輔くん。

店の奥にある個室のようになった小上がりで飲んでいた。



〈今日の新婦さん、かわいかったよな~♪〉 今日、式を挙げたカップルの話になる。

すごく可愛らしくて、ほっとけないタイプ?の新婦さんだった。

『男の人は、あ~ゆう子を見ると、(俺がついててあげなきゃ)とかって思うんでしょ?(笑)』 私が言って、

〈そうそう、(守ってやんなきゃ)って、思っちゃうんだよね~♪なぁ、雄輔〉と、剛士が雄輔君に同意を求めた。

「そうですか?」 意外にも、雄輔君はぶっきらぼうにそう言った。

「・・・確かにそうかもしれないけど、でも、それ俺じゃなくてもいいっていうか・・・」 言葉を選ぶように続ける。

「だって、あ~ゆう子は、他にもそう思う人がたくさんいるだろうから・・・

それより俺は香夏子さんみたいな人の方が心配」

ちょっと、何、言い出すの?

『私?私なんてめちゃめちゃ強そうじゃないσ(^_^;)』 慌ててそう言って誤魔化したのに、

「俺も最初はそう思った。でも、違うでしょ?俺には強がってるようにしか見えない。

何か一生懸命突っ張ってて、危なっかしくて・・・」 真面目な顔で言う。

『もう!雄輔くん、酔っ払ってるでしょう?(`・ω・´)』

その場に居づらくなった私は、少し怒った口調で言うと、トイレに立った。



しばらくしてトイレから戻ると、剛士の姿がなくて、雄輔君1人だけだった。

『剛士は?』 座りながら訊く。

「電話がかかってきて、何か急用だからって帰りましたよ」

『え?』 ・・・じゃあ、雄輔君と2人きり?

『私達も帰ろうか?』 そう言って席を立ち、靴を履き始めた。

「代わりなんだろ?」 雄輔君が低い声で言った。

「俺、やっぱり代わりだったんでしょ?亡くなったっていう恋人の・・・」

『雄輔・・君?』

「俺・・剛士さんから聞いてて、何かそれから香夏子さんの事、ずっと気になってて・・・、

でも、それが何なのか分かんなくて・・・、

それが、この前、あんな事になって・・・、俺・・嬉しかったんだ。

代わりだったのかもしれないけど、俺を頼ってくれたんなら、それでもいいって。

・・・それなのに、どんどん苦しくなって、・・・好き・・なんだ、香夏子さんの事。

ごめん・・困らせるつもりはないんだけど・・・」

いつも明るい雄輔君の苦しそうな表情。 気づくと雄輔君を抱きしめていた。

『代わり・・なんかじゃなかったよ。雄輔君は雄輔君だった。私・・・雄輔君が好きなの』

雄輔君は自分の身体から私を離すと、驚いた顔で私を見る。

頷いてみせると、泣き出しそうな顔に変わった。

「香夏子さん・・・」

『香夏子・・でいいよ』

雄輔君の目を見ながら、もう1度言った。『雄輔が・・・好きなの』

                                                        つづく