【恋夢】ゆれて・・・3(再) | カンタ印  元気印

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日々の出来事、思った事などをとりとめもなく...

雄輔君と一緒に過ごした時間が長くなるにつれて、雄輔君を意識する事が増えていった。


何かの折にあの人と重なって、ドキッとする。


雄輔君の中にあの人を見ているんだろうと、そう思っていたけれど、でも、それは違ったのだろうか?


まだこの頃は分からなかった。




それは会場のセッティングをしていた時の事だった。


私はライトの確認の為に足場の上にいた。角度の調節をしながら、下にいるスタッフと打ち合わせる。


それを見ていた雄輔君がいきなり「俺がやる」と、言いだした。


キョトンとする私に「いいから!下から指示出して!」と、半ば強引に替わってしまった。


その時は『何なんだろう?』 とは思ったけれど、まさか、そんな事だとは思いもしなかった。




〈香夏子?ちょっと聞くけどさ、お前、高所恐怖症?〉 いきなり剛士が聞いてきた。


『え?そんな事ないけど・・・。どうして?』


〈だよな?いや、雄輔がさ、お前が高所恐怖症だって言うんだよ・・・。何なんだろうな?〉


剛士はそう言うと、首を傾げながら行ってしまった。


どうして分かったんだろう? 誰にも話したことなんてなかったのに。


高所恐怖症という訳ではないけれど、2メートル前後の高さが苦手だった。


妙に現実的で、特に不安定な足場の上などは怖くて仕方なかった。


でも、そんな子供みたいな事・・・。仕事なんだし。


そう思って、剛士にだって話した事がなかったのに。それなのに・・・。




後から思えば、そんな事の繰り返しだったのかもしれない。


そうやって、隙間に入り込むというよりは、ゆっくりと心全体に染み渡るように、


いつの間にか雄輔君の存在が大きくなっていた。


自分でも気づかないうちに一杯になってしまっていたのだろう。


だからあの時、あんな事になってしまったのかもしれない。


                                                     つづく