『雄ちゃん、久しぶりだね!』マスターが出迎えてくれる。
「おぅ!ずっと出張だったんだ」
『そうか・・・。冴ちゃんの様子を聞こうと思ったけど、じゃあ分らないな?』
「?冴子、どうかしたの?」
『もう1ヶ月以上、来てないんだよ。雄ちゃんなら何か知ってるかと思ったんだけど。・・・あ、いらっしゃい!』
マスターは新しく入ってきた客の所へと行ってしまった。
1ヶ月以上来てないって?あいつが?何かあったんだろうか?
俺は最後に会った時の冴子の様子を思い出し不安になった。
『雄ちゃん、大変だよ』 戻ってきたマスターがあわてている。
『今、入ってきたお客さん、冴ちゃんと同じ会社の人なんだけど、冴ちゃん、会社辞めたって』
「・・・マスター、俺、帰るわ」お金を払うと、俺は急いで部屋に引き返した。
駅からの道を急ぐ。エレベーターを降りると、廊下の先に冴子の姿が見えた。
カギを開け、部屋に入ろうとしていた冴子の肩をつかむ。
「仕事辞めたって、どういうことだよ?」
興奮してた俺は、冴子の様子に気づかなかった。
『ごめん。後にして・・・。気分・・・悪ぃ・・・』冴子は弱々しい声で言うと、崩れるように気を失った。
「熱はないみてぇだな」蒼白い顔をして眠っている冴子を見下ろす。
ベッドに運ぶ時抱き上げて、その軽さに驚いた。
指輪が回ってしまうほど細くなった指を見て、
「いつの間にこんなに痩せちまったんだ?何があったんだ?」その寝顔に聞く。
すっかり冴子に心を奪われてしまってる自分がいた。
『う~ん』冴子が気づく。
「大丈夫か?何か飲むか?」
ホットミルクを入れると、ソファーを背に床に座らせる。
俺も並んで座ると、話し始めた。
「仕事・・・好きじゃなかったのかよ?」
『好きだよ』
「じゃあ何で辞めたんだよ?!」ついつい口調がきつくなる。
『ごめん・・・。このままにするつもりはないよ。でも、今はもっと大切なものがあるから。・・・守りたいものがあるから』そう言って微笑む。
穏やかな横顔はめちゃめちゃ綺麗だった。
なんだよそれ?!守りたいものって・・・。あんた自身ががボロボロじゃんかよ。そんな幸せそうに笑って・・・何なんだよ。俺は何にも力になれねぇのかよ?
俺は自分の不甲斐なさに黙ってしまった。
・・・と、冴子が俺の左腕を両手でつかむ。
『雄・・・気持ち悪い・・・』冴子がまた辛そうな顔をしていた。
つづく
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ごめんにょ(・∀・)♪ 私はかなりの波乱好き!
今日はこの後も更新続くかも・・・。だって、もう最後は出来てますからぁ~♪( ̄▽+ ̄*)