彼女の彼 (講談社漫画文庫)
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あらすじ
転校してきた中学生、芹香(せりか)は
初めて男の子を好きになる
彼の名は凌二(りょうじ)
でも彼には美しい彼女、春美がいた
芹香にとって二人は憧れの彼女と彼
でも凌二への想いはだんだん大きくなり、
苦しくなってしまう時も…
…
1986年頃、『別冊少女フレンド』で
連載していた少女漫画です
『週刊少女フレンド』は中学生向け、
『別冊』の方はもう少し大人の高校生以上向け
だったと思います
連載当時は大人気でしたね。
私は当時、別の作家さんの漫画を読んでいたので、
興味がなかったのですが、
一度きちんと読んでみようと思って
読んでみました
…
それなりに当時、流行っていた漫画として見ると
面白い漫画でした
当時、なぜ興味がなかったかというと
いわゆる相手役の男の子がよく分からない
という事につきました
彼女の彼である凌二ですね
多分、野性的でヤサグレ感があって、
見てくれがカッコいいのが
人気があったのだと思いますが、
私はそういう感じがあまり好きじゃないのです
素直で元気な男性が好みなので
特に当時の私は凌二のような男子を
「面倒くさい」
と思っていたので
余計にそう思ったんだと思いますが
今見てもそこの感想はあまり変わらなかったですね
…
しかし、凌二にもまして意味不明なのが、
彼の彼女である春美なんですね
再読してみて、
「この二人のどこがベストカップルなのか
意味わからん」
という感想につきました
春美はとても美しい少女ですが、
大変な問題児でまともに学校も行かず、
素行不良な少女です
授業に出ないから、勉強もついていけない、
凌二たちが受けようとしてる波高にも
行けないからとすねている
「成績の悪い女子校は行きたくない」
と奇妙なプライドだけがある
それで、生活も改めて
高校受験をしようとしている凌二とは
距離をおいて
別の男の子と遊んだりしている
春美がどうしてこんなにやさぐれているのか、
掘り下げた部分がなく、
彼女は単に凌二の彼女、
それも凌二が愛を捧げる彼女として
必要以上に美化されてる部分があります
それはヒロインの芹香が
「私は初めて’彼女と彼’というものを見たの
二人に教えてもらったの」
といった感じで、
芹香の最初のイメージで春美の人間性の掘り下げが
終わってしまっているからだと思います
…
芹香は両親が離婚して、
そういう家庭事情を顔に出さないように
努めて明るく振る舞っている
だから凌二は春美を思いやりながらも、
芹香に癒やされていく
そして好きになっていく
…だけじゃなく
実はかなり早い段階で
春美が事故で死んじゃうんですね
だから春美と芹香が
凌二をめぐって、ぶつかる事もない
作家さんの意向ではなく、
編集の意向かもしれませんが、
この部分は安易に感じました
後半は突然死んでしまった春美のことが
影を落として、芹香と凌二は
想い合っていても近づけない
そこはそれなりに面白いんですが、
前述したとおり、春美のやさぐれた背景が
割愛されているために
春美が必要以上に美化されている意味が
よく分からない
…
なので
春美が掘り下げられてると
この漫画、もう少し面白く読めたのかなと思います
いつも「いいね!」ありがとうございますm(_ _)m
彼女の彼 (講談社漫画文庫)
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