一夜明けて。。。彼は別人に!昨日はあんなに楽しそうにおしゃべりしていたのに、突然のだまりんぼう・・・


朝食後に動物園に行ったが、そこでも、むすっとしてほとんど反応がない。一夜明けて、私のことが突然嫌いになったのか?でも、その間寝てただけで、何もなかったし・・・男心をぜんぜん解しない私であった・・・


「大丈夫ですか、なんか疲れてはるみたいやけど・・・」


「うん、昨日の夜、実は一睡もできなかったんで・・・」


それならと、ベンチで一休みすることに。そこで、昨日は指一本触れようとしなかった彼が、


「君も疲れてるみみたいやから、どうぞ」


と私の頭をぐいと引き寄せ、彼の肩にもたせかけた。かなり強引・・・っていうか、まだ返事もしてへんけど・・・


かなり長い間、彼にもたれて過ごした。でも、それはいやらしさの微塵もなく、とっても素敵な心地だった。彼は、やっぱり私がきらいで黙ってるわけじゃなかったんや!でも、その間、二人とも無言・・・ なんかちょっと不自然・・・・ 


そして・・・・・・その気まずい雰囲気を引きずったまま、分かれることに。



私にとって、ベルリンの彼の言動は謎だらけだった・・・・なんで、なんで、なんで????


彼はミステリアスでちょっと変わってるが、今まで私が会ったことないタイプの男っぽい魅力があった。


まあ、もうちょっと友情関係を続けてみるか。 この時点では、楽観的な私であった。


一流ホテルの廊下を真夜中にパジャマでうろつくのは、どうも心もとない。ぬすっとの心境。誰にも見つからずに、無事、彼の部屋に着くと、ドアを開けて彼が待っていた。


いややわ・・・なんか、恥ずかしい。あやしい雰囲気を避けたくなった私が口にしたのは、


「いやあ、お互いパジャマ、なんて修学旅行みたいですねえ!わいわいやりましょうよ!」・・・だった。


KYのふり・・・でもちょっと虚しい・・・


サイドテーブルには、腕時計と指輪がきちんとそろえて置かれていた。パイロット専用の腕時計ということで、文字盤が大きく、暗闇でもオレンジの蛍光色を発して光っている。なるほど、夜間飛行にも便利そう。指輪には鷲とライオンが刻まれている。彼はドイツ騎士団の家系で、指輪はその家紋だとか。昔はこの指輪を、ろうに押し付けて手紙を封印したそう。うん、うん、映画で見たことあるわ。


でも、「僕もためしに一回やってみたけど、あまりうまくできなかった」・・・そうだ。


そんな話をしているうちに、なんと私はこっくりこっくり船を漕ぎ出した。


「眠そうにしてはりますね。すみませんでした。もう部屋に帰ってゆっくり休んでください。」


その日、私は早朝から、7時間ぶっ通しの会議で、疲れまくっていたのだ。そのまま、よろよろと部屋に戻り、朝まで眠りこけた。


翌朝目が覚めた私は、彼の紳士的な態度に、


「パイロットって、みんな遊び好きって言うけど、あんなちゃんとした人もいるんやん!」


とちょっと感激。ところが・・・・

ひょんなことから、エア・○○の若い機長と知り合った。第一印象は、はっきり言って、いまいちだった。第一人の目を見ないで話す。これは、ドイツではもってのほか。


一回目のデートは、ベルリンのクルー専用ホテルで。部屋は、清く正しく別々にとった。食事の後ホテルのバーに誘われ、飲んでいたところ、同僚のスッチーが通りかかると、気軽に挨拶している。


「パイロット詐欺」ってあるやん。ひょっとしてこの男も「パイロット」になりすまして、女を引っ掛ける詐欺専門男かも、なんて疑惑がなかったわけでもない。でも、スッチーたちとのおしゃべりによって、その疑惑は解消。


夜もふけてきたし、おやすみなさい、とこれまた清く正しく、階上の部屋に引き上げた。爽やかやし、セクシーやし、めっちゃいい人やん!にやけながら、すぐ眠ってしまった。リーンリーン!けたたましい電話の音でたたきおこされた。なんやなんや!電話を取ると彼だった。


「眠れないんです・・・」

「あたし、寝てたんですけど・・・・めっちゃびっくりしました!」

「そうですか・・・もうねてはったんですか・・・・すみません、おやすみください」 


なんか意味深・・・それに、何で私の部屋の番号知ってんの???ちょっとコワいかも・・・


でも、睡眠障害のつらさを知っている私は、彼に同情。たたき起こされて目がさえてしまったし、彼の部屋におしゃべりに行くことに。


「パジャマ着てますけど、笑わんといてくださいね」

「いえ、僕もパジャマですから」


彼の部屋で色っぽいことがあったかどうかは・・・・次回へ続く