煮たり、焼いたり、茹でたり炒めたり、揚げたり蒸したり、時には和えたり――世の中にはいろんな調理法があって、あるいは食材や、あるいは時期や組み合わせるものによって適したものを選択する必要があるのだという
ま、流れでびっくり顔をペタリしてしまったけれども、実際に驚くかたはいらっしゃらないと思う
調理方法としては特殊なものを除いたとすれば、先にあげたものになると思うのだけれど、時に
煮ているはずなのに焼き
と称するお料理もあったりする
牛すじのドテ焼きがそれ
一般的に、下茹でした牛すじを串に刺して浅鍋に並べて焼き、みそ、砂糖、みりんなどの合わせ調味料をその外周に土手のように盛って、溶け出したそれを絡めて炒め焼きすることからそう呼ばれるらしい。
とすれば、やっぱりドテ焼きは焼きなのだ。
確かに、以前――17歳のころに名古屋あたりで食べたそれは、そうやって作られていたのを
かすかに
思い出します
そして、
八丁味噌を使うべし
なんて指南されたことも
かすかに
思い出します
できあがったそれを見て
土手煮
だと言ったかたもいらっしゃいましたが、果たしてどちら出身だったでしょうか
ま、微妙な差のようにも思えますし、できあがっちゃったそれは、煮たのか焼いたのか判別が難しそう
ちなみに、みかん星では
みそ煮
とシンプルに呼んでいました
さて。
昨日はこれ――
が何になるのかみかんは知っている――なんて大言壮語を吐いちゃった
わけですけど、そう書いた時にはカレーになるはずだったそれは、結局
話の流れでおわかりのように
みそ煮土手煮ドテ焼きとなったのでした。そうなるにはそうなるだけの理由や経緯もあるのですが、それこそどうでもよさ気なので省略とします
■材料 牛すじ(赤身すじ) 350g A. にんにく 3カケ A. しょうが(皮つき) 1カケ A. 長ねぎ(青い部分) 1本分 A. 水 700ml*1 A. 清酒 大さじ3 A. コンソメキューブ 2~3個 B. 本みりん 大さじ3*2 B. 砂糖 大さじ1*2 B. しょうゆ 大さじ1 みそ 大さじ2
手順~
までは、これまでの記事――
と、以降もこれまでの記事とほぼほぼ重複すること、ご容赦ください
にんにくは潰し、しょうがは薄切りにする。長ねぎは白い部分が含まれるようなら縦に割る。
牛すじはぬるま湯でよく洗って水から茹でて、沸騰状態を2分ほど保ち、茹でこぼして再びぬるま湯でゴシゴシ洗ってアクを取り去る。
ここでアク(右・写真は一応自粛しています)を出し切ります。
鍋に牛すじとAを入れ、強めの火にかける。2~3分ほど沸騰状態をキープして、必要ならばアクをとる。
蒸気穴のある蓋をして弱火~とろ火にして――
3時間コトコト茹でる。時折水の量を確認し、必要ならば追加*1する。
長ねぎ、しょうがは取り出して、下茹で汁は漉し――
牛すじはバットにとって水気を切り、ガラス容器に移す。夕方から仕込み始めるとこのへんでタイムアップしますので、粗熱をとって冷蔵庫に移します。
鍋に下茹で汁をあけて中火にかける。ゼラチン化した下茹で汁は木べらなどで潰しながら火をとおして溶かす。
牛すじを戻し入れて2分ほど煮てBを加える。ひと煮立ちさせたら火からおろして、みそを溶く。蒸気穴のある蓋をして弱火~とろ火で20~30分ほど煮る。
蓋を取り、混ぜながらお好みの濃さまで煮詰めれば――
できあがり。お好みで小口切りしたねぎや一味唐辛子をふっていただきますが――
濃いめの味にして、ごはんにどどーんとかけちゃうのがおすすめです
*1 最初は700~800mlで、かぶるくらい。1.5時間経過後に200mlの水を追加し、3時間後の茹で汁は400mlほどになりました。
*2 すじコン――
では、本みりんは大さじ2、砂糖は小さじ1でしたが、師匠のアドバイスで増やしています。
ここのところ、みかんが立ち寄るスーパーマーケット――近隣だったり、出先で飛び込んだりするスーパーマーケットのいずれでも
アキレスやメンブレン
といった部位をまったく見かけません
みそで煮るならやっぱりメンブレンが一番だと思うのですが、これほど出逢えないと、味を忘れてしまいそうです