私は、私の中にいる小さな私を愛せなかった。
母のために早く大人になりたかった。
物わかりのいいふりをして、泣き喚く事も駄々をこねる事も何もかもをしないまま、大人になってしまった。
身体だけ年齢を重ねて中身は子供のまま。
だから私は子供が大嫌いだ。
我が子に対しても、世にいる母親ほどの愛情は無い。
歪んでいる私を知らないまま、早く自分の家庭をもって、私の事を忘れて幸せに生きて欲しいと願う。
愛されている子供を見ると苛つく。
泣き喚いても、地面に寝転がって駄々をこねても抱き締めてもらえる子供を見ると殺したくなる。
これは多分羨望なんだと思う。
生涯渇望したまま、消える事のない望み。