『ペナルティループ』初日、公開記念舞台挨拶付き上映会 | himawari's diary

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鑑賞日 2024年3月22日(金)
 
 
製作年 2024年
 
製作国 日本
 
言語 日本語
 
尺 99分 
 
公開日 2024年3月22日(金)
 
レイティング PG12
 
配給 キノフィルムズ
 
 
スタッフ
 
監督・脚本 荒木伸二
 
 
主なキャスト
 
若葉竜也:岩本淳
 
伊勢谷友介:溝口登
 
山下リオ:砂原唯
 
ジン・デヨン:謎の男
 
 
概要
 

岩森淳が朝6時に目覚めると、時計からいつもの声が聞こえてくる。

岩森は身支度をして家を出て、最愛の恋人・砂原唯を殺めた溝口登を殺害し、疲労困憊で眠りにつく。

翌朝目覚めると周囲の様子は昨日のままで、溝口もなぜか生きている。

そしてまた今日も、岩森は復讐を繰り返していく――。

 

それはたぶん、史上最悪のループ

 

復讐の6月6日を繰り返す主人公の岩森を演じるのはキャラクターをリアルに存在させることができる若き名優・若葉竜也。恋人を殺されて復讐を繰り返す中で変化していく青年の心境を、セリフに頼らずに繊細に表現する。

岩森に復響される溝口に扮するのは伊勢谷友介。若葉とのケミストリーが生まれた本作は、俳優としての新章の幕開けとなった。

さらに岩森の恋人・唯役には山下リオがミステリアスな磁場として存在感を放ち、ドライブ・マイ・カー」で知られるシン・デョンがタイムループの謎を握るキーンウンとして躍動する。

メガホンをとったのは、ディストビア・ミステリー「人数の町」が国内外で称賛を浴びた鬼才・荒木伸一。本作でもオリンナル脚本を手がけ、仇討ちという古典的なテーマを、「ペナルティループ」という新たなアイデアに落とし込んだ。

奇想天外なアイデアに個性派が結集し、これまでのタイムループものと-線も二線も画す突然変異、唯一無二の異色作が誕生した。

(引用元:公式サイト)
 
 
感想
 
タイムループものは過去にたくさんあるので、
 
どうかな、とは思いましたが楽しめました。
 
オリジナル脚本であることと、
 
ゴダール的な風景があったのもよかったです。
 
 
殺害された、岩森の恋人・唯の過去と
 
唯を殺害した・溝口の関係性などについては
 
もうちょっと深堀りしてほしかったです。
 
 
6月6日という設定、
 
その日の花のアイリスの花言葉「希望」に対し
 
黄色のアイリスの花言葉は「復習」
 
これらは音声により説明されます。
 
キリスト教にちなむ内容・設定なので、
 
その背景が絡むかと......。
 
もう少しこの設定を生かせたら
 
よりサスペンス感が深まったかも。
 
 
しかし、タイムループとしての新たな切り口と、
 
根拠があったので楽しめました。
 
この根拠には、胸が痛む部分と、
 
近未来SF的な演出があります。
 
岩森が働く、水耕栽培の工場の清潔感と
 
返り血を浴びる姿の対比が
 
象徴的でもありました。
 
 
岩森が復習のために溝口を殺害する日を
 
10回ほどループするわけですが、
 
溝口の方もループしていることを認識していて
 
抵抗してきます。
 
更には、殺したくなくても殺さざるを得ない、
 
という展開も。
 
10回も同じ映像だったら飽きてきますが、
 
変化があるのがいいいですね。
 
しかも、だんだんシュールな感じに。
 
セリフが少な目なのも印象的でした。
 
 
岩森と溝口がボーリング場に行き、
 
そこで岩森がボールやピンに
 
操られるように動くシーンは、
 
映像的にとてもおもしろかったです。
 
 
ラストは意外にもちょっとコミカルでしたが
 
印象的でした。
 
 
エンドロールは流れずに、
 
カット替わりでの表示だったのが、
 
TVっぽかったですね。
 
 
上映後の舞台挨拶には、
 
主演で岩森を演じた若葉竜也と、
 
荒木伸二監督がご登壇。

 

 

 

若葉竜也は脚本から関わっていたり、
 
現場でいろんな意見を出して、
 
荒木伸二監督にいい影響を与えたようです。
 
インパクトのあったボーリング場のシーンも
 
若葉竜也のアイデアが生かされたそう。
 
 
荒木伸二監督も若葉竜也も、
 
本作を「変な映画」と称しているだけあって、
 
カルトというか不思議な作品ではありますが、
 
セリフの少なさも、無駄をそぎ落としていくうちに
 
そうなった、とか。
 
 
溝口を演じた伊勢谷友介についてのトークも。
 
最初やる気なさそうに見えていたのが、
 
次第に溝口になっていく様子が
 
とてもよかったと。
 
 
本作は、4月9日から開催される、
 
ブリュッセル・ファンタスティック国際映画祭、
 
インターナショナルコンペティション部門に
 
出品されるそう。
 
9本中、唯一の邦画とのこと。
 
上映されるのもいい時間帯らしく、
 
恒例の、監督の歌唱と挨拶が
 
どんな感じになるのか、見てみたいです。
 
同行できないらしい若葉竜也が荒木伸二監督に
 
受賞のプレッシャーをかけるという、
 
笑えて和むシーンも。

 

 

 
 
入場者プレゼントは、
 
豪華4枚セットのポストカード。