『僕らの世界が交わるまで』理想と現実のギャップに悩み、すれ違う母と息子。 | himawari's diary

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鑑賞日 2024年1月29日(月)
 
 
製作年 2022年
 
製作国 アメリカ
 
言語 英語・スペイン語 日本語字幕
 
尺 88分 
 
公開日 2024年1月19日(金)
 
原題 When You Finish Saving the World
 
レイティング G
 
配給 カルチュア・パブリッシャーズ
 
 
スタッフ
 
監督・脚本 ジェシー・アイゼンバーグ 
 
製作 エマ・ストーン、他 
 
 
主なキャスト
 
ジュリアン・ムーア:エヴリン・カッツ
 
フィン・ウォルフハード:ジギー・カッツ
 
ジェイ・O・サンダース:ロジャー
 
アリーシャ・ボー:ライラ
 
ビリー・ブリック:カイル
 
 
概要
 

DV被害に遭った人々のためのシェルターを運営する母・エヴリンと、ネットのライブ配信で人気の高校生ジギー。社会奉仕に身を捧げる母親と、自分のフォロワーのことしか頭にないZ世代の息子は、いまやお互いのことが分かり合えない。しかし彼らの日常にちょっとした変化が訪れる。それは、各々ないものねだりの相手に惹かれ、空回りの迷走を続ける"親子そっくり"の姿だった……!

(引用元:公式サイト)
 
 
感想
 
ジェシー・アイゼンバーグが、
 
オーディオブック向けのラジオドラマとして
 
製作した作品を映像化した、ということで、
 
脚本も自ら書いたようですね。
 
本作が長編初監督作品で、
 
エマ・ストーンが製作として関わっています。
 
更にジュリアン・ムーアが主演だし、
 
話題性がありそうですが、
 
上映館は今のところ都内で4館と、
 
残念ながら少ないですね。
 
 
母エヴリンと息子の高校生のジギーは
 
事あるごとにケンカ、
 
すれ違いでなかなかわかり合えずに
 
ギクシャクしていますが
 
ふとしたきっかけから2人とも、
 
外に理想を見つけます。
 
 
エヴリンは運営するシェルターに来た
 
ある親子(母親と息子のカイル)の
 
世話をしているうちに、
 
とっても好青年なカイルに、
 
息子の理想像を見いだします。
 
ジギーは、
 
社会派の活動をし、しっかりとした考えを持つ
 
同級生のライラに憧れます。
 
母に反抗しながらも、社会派という点で、
 
母と共通した世界にいる
 
ライラに惹かれてしまうという......。
 
 
結果、エヴリンもジギーも大きな空回りをし、
 
思うような結果は得られず......。
 
皮肉にも2人の行動が
 
そっくりすぎて切ないのですが、
 
これが現実、といった感じ。
 
 

家族は母エヴリンと息子ジギーと

 

もう一人、父のロジャーがいます。

 

2人が外のことに忙しいため、

 

父がほったらかしにされがちですが、

 

ついに父が怒ってしまうシーンがあります。

 

これが意外とコミカルに感じられ、

 

ストーリー展開のスパイスとなっていました。

 
 
もちろん、これで終わりではなく、
 
ラストには心が温まる、ホッとするシーンが。
 
決定的なセリフがあるわけではなく、
 
母と息子、各々の行動を見せるだけ。
 
なんとなく、どちらにも共感できるし、
 
2人はやっぱり家族だな、と。
 
静かな展開の中でちょっと希望が持てるように
 
ほっこりさせたのがうまいです。
 
 
使用された音楽や衣装も印象的。
 
クラシック音楽が好きで、
 
カチッとした雰囲気の服装のエヴリン。
 
Z世代らしい音楽を作曲、配信し、
 
服装はラフで色遣いや柄が派手なジギー。
 
タイプは違っても「音楽が好き」という
 
共通点があることで、
 
いつかわかり合えるかも、と思えました。
 
 
そして、何よりよかったのはキャスト陣。
 
エヴリンのジュリアン・ムーア、
 
ジギーのフィン・ウォルフハード、
 
2人の演技は、相性がいいというか、
 
見事にシナジーを生み出しました。