『ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人』絢爛豪華な宮廷が舞台 | himawari's diary

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鑑賞日 2024年2月2日(金)
 
 
製作年 2023年
 
製作国 フランス
 
言語 フランス語、ドイツ語 日本語字幕
 
尺 116分 
 
公開日 2024年2月2日(金)
 
原題 JEANNE DU BARRY
 
レイティング G
 
配給 ロングライド
 
 
スタッフ
 
監督・脚本 マイウェン 
 
 
主なキャスト
 
マイウェン:ジャンヌ・デュ・バリー
 
ジョニー・デップ:ルイ15世
 
バンジャマン・ラヴェルネ:ラ・ボルド
 
ピエール・リシャール:リシュリュー侯爵
 
メルヴィル・プポー:デュ・バリー伯爵
 
ディエゴ・ルファー:ルイ16世
 
ポーリン・ポールマン:マリー・アントワネット
 
 
概要
 

貧しい家庭の私生児として生まれ、娼婦同然の生活を送っていたジャンヌ(マイウェン)は、類まれな美貌と知性で貴族の男たちを虜にし、社交界の階段を駆け上がっていく。ついにヴェルサイユ宮殿に足を踏み入れたジャンヌは、時の国王ルイ15世(ジョニー・デップ)と対面を果たす。二人は瞬く間に恋に落ち、彼女は生きる活力を失くしていた国王の希望の光となっていく。そして、国王の公式の愛人、公妾となったジャンヌ。しかし、労働階級の庶民が国王の愛人となるのはヴェルサイユ史上、前代未聞のタブー。さらに堅苦しいマナーやルールを平気で無視するジャンヌは、保守的な貴族たちから反感を買う一方で、宮廷に新しい風を吹き込んでいく。しかし、王太子妃のマリー・アントワネットが嫁いできたことで立場は弱まり、やがて運命は大きく変わっていく・・・。

(引用元:公式サイト)
 
 
感想
 
想像よりは淡々と描かれています。
 
ラストがあっさりしすぎていたのが残念でしたが、
 
しみじみと余韻に浸れたのはよかったかも。
 
全体的には飽きることなく観られました。
 
 
ジョニー・デップがルイ15世役を演じていますが、
 
英語作品ではないです。
 
全編フランス語で違和感なく、とても自然です。
 
ジョニー・デップの演技そのものは、
 
抑え気味で静かでしたが、
 
国王の貫禄を感じ、よかったです。
 
 
何より、シャネルによる衣装とジュエリー、
 
ヴェルサイユ宮殿での大規模撮影、
 
その他、ヘアメイク、調度品などの見ごたえ。
 
絢爛豪華な映像が目の保養になりました。
 
ルイ15世の部屋にしっかりと
 
隠し扉があるのも印象的でした。
 
(いざというときに愛人が隠れられる)
 
 
ジャンヌはどちらかと言えば、
 
仕組まれて宮廷に送り込まれたわけだから、
 
それなりの苦労もあったかと。
 
国王の愛人となるためには、
 
伯爵と結婚していなければならないからと
 
デュ・バリー伯爵と結婚するのとか、
 
社交界デビューはいろいろ面倒で大変ですね。

それでも、宮廷という、厳しいしきたりの中で
 
自由奔放に生きてみせ、
 
それが周囲にとって単に疎ましいだけでなく、
 
うらやましく見えたのでは、といった感じ。
 
 
ジャンヌを非難する人物として、
 
特に目立ったのは、ルイ15世の娘たち。
 
まるでシンデレラの継母の娘たちに見えました。
 
 
ジャンヌとマリー・アントワネットの
 
バチバチな関係性については
 
もっと激しいのかと思いましたが、
 
意外とソフトに描かれてありました。
 
 
ジャンヌはルイ15世だけでなく、
 
その周辺に対しても承認欲求が実はあり、
 
それがわかると、普段の強気な態度に
 
切なさを感じました。
 
 
宮殿でジャンヌの理解者となり
 
世話、指導をしてくれたラ・ボルドの存在は
 
とても力強かったことでしょう。
 
ラ・ボルドを演じたのは、
 
バンジャマン・ラヴェルネ。
 
とても暖かい人柄であることが伝わる、
 
いい演技でした。
 
 
宮殿での滑稽に思えるほどのしきたりや
 
毎日のルーティーンは
 
ちょっとユーモラスに描かれています。
 
ルイ15世には決して背中を見せてはならないと、
 
小刻みに後ろへ後退していくのは、
 
バカバカしいから普段はやらなかったジャンヌ。
 
途中でルイ15世がお辞儀しながら、
 
自らやって見せたのには笑えました。
 
逆に、ジャンヌが一度だけこれを
 
ちゃんとやったのは切ないシーンだったので
 
グッときました。
 
 
ジャンヌは最終的には
 
フランス革命に飲み込まれますが......。
 
大切に守ってきた、養子的な黒人のザモルにまで
 
糾弾されるとは、気の毒ですね。
 
(ザモルはルイ15世にプレゼントされた。これにも時代を感じるし、胸が痛む部分も大いにある)
 
 
ジャンヌを演じたマイウェンは、鑑賞前には
 
ちょっとイメージが違うような気がしたのですが、
 
鑑賞後には、自ら監督・脚本を手掛けて作り上げた
 
ジャンヌ像への愛情を感じました。
 
 
ところで、ルイ16世役のディエゴ・ルファーは
 
スラリとした高身長、イケメンで好印象ですが、
 
彼はマイウェンの息子です。
 
母・息子の共演となりましたね。