『ダンテ』第36回東京国際映画祭(2023) ワールド・フォーカス | himawari's diary

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鑑賞日 2023年10月26日(木)
 
 
製作年 2022年
 
製作国 イタリア
 
言語 イタリア語 日本語字幕 英語字幕
 
尺 100分 
 
公開日 2023年10月26日(木)時点、未定
 
原題 Dante
 
 
スタッフ
 
監督・脚本 プピ・アヴァティ
 
撮影監督 チェーザレ・バステッリ
 
 
主なキャスト
 

セルジオ・カステリット:ジョバンニ・ボッカッチョ

 

アレッサンドロ・スペルドゥ―ティ:ダンテ

 

カルロッタ・ガンバ:ベアトリーチェ・ポルティナーリ

 

アレッサンドロ・アベル:ヴァッロンブローザ修道院長

 
 
概要
 
「神曲」の作家ダンテを詩人ボッカッチョの視点から描いた作品。名優セルジオ・カステリットがボッカッチョ役を演じる。『追憶の旅』(83)で知られる巨匠プピ・アヴァティによる歴史劇。
(引用元:東京国際映画祭公式サイト)
 
 
感想
 
謎めいた作家ダンテを描いた作品。
 
プピ・アヴァティ監督の
 
「すべてのダンテ研究家に捧げる」という思いも
 
感じつつ、余韻に浸っています。
 
公開されたらもう一度観たいです。
 
こういう、文学的、芸術的、
 
ミステリアスな作品にいろいろ考えさせられ、
 
感情が揺さぶられるのは複雑かつ心地よいです。
 
映画祭でも記憶に残るタイプの作品です。
 
 
ダンテの「憎しみの連鎖を止めたい」
 
というセリフは特に印象的でした。
 
ダンテが愛したベアトリーチェの美しさと
 
悲しい別れにもグッときました。
 
 
上映後のQ&Aには
 
プピ・アヴァティ監督がご登壇。
 
体調があまりよくないのにも関わらず、
 
本作は監督にとって非常に重要な作品なので
 
来日を決めたとのこと。
 
ありがたいことですがイタリアに戻ったら
 
ゆっくり休養していただきたいです。
 

 

 

イタリアではなぜかダンテは
 
あまり愛されていないそうですが、
 
プピ・アヴァティ監督は
 
20年前からの構想だったとか。
 
このかなり勇気のいる試みは、
 
ボッカッチョがいたからできたそうです。
 
 
ダンテの作品は『神曲』よりも、
 
ベアトリーチェが亡くなった翌日に書いた、
 
『新生』を読むべきだとのアドバイスも。
 
 
基本的には11人のダンテ学者の協力で
 
脚本ができたそうですが、
 
プピ・アヴァティ監督のオリジナルの
 
ファンタジー要素についてもネタバレが。
 
これはさすが、とても印象的なシーンでした。
 
 
モーツァルトのクラリネット協奏曲の
 
アレンジを使用したのも意味がありました。
 
ダンテの全知がミステリアスだったように、
 
モーツァルトもまた音楽について
 
全知でミステリアスだから、と。
 
 
とてもユニークな会話も楽しくて、
 
時間制限がなければ、
 
もっといろいろお話を聞きたかったです。