『私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスター』公開記念、監督来日&トークイベント付き上映会 | himawari's diary

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鑑賞日 2023年9月15日(金)
 
 
製作年 2022年
 
製作国 フランス
 
言語 フランス語 日本語字幕
 
尺 110分 
 
公開日 2023年9月15日(金)
 
原題 Frere et soeur
 
レイティング PG12
 
配給 ムヴィオラ
 
 
スタッフ
 
監督 アルノー・デプレシャン
 
脚本 アルノー・デプレシャン、ジュリー・ペール
 
 
主なキャスト
 
マリオン・コティヤール:アリス
 
メルヴィル・プポー:ルイ
 
ゴルシフテ・ファラファニ:フォニア
 
パトリック・ティムシット:ズウィ
 
 
概要
 
姉アリスは有名な舞台女優。弟ルイは詩人。何が理由かは思い出せないけれど、もうずっと二人は互いを憎み合い、長らく顔も合わせていない。そんな二人が、両親の突然の事故によって、再会するのだが……。 <家族なのに>憎み合うなんて。そう思う人もいるだろうが、<家族だから>どうしても許せない、それもまた事実。誰もがどこかで思い当たる感情を、ある時は優しく、ある時はサスペンスのように、またある時はコミカルに描いた芳醇な映画!そして物語は予想もつかない「憎しみの出口」へと向かう……。
パリの若者たちを描いた群像劇『そして僕は恋をする』以来、世界の映画ファンを魅了し続けてきたアルノー・デプレシャン監督の新たな集大成にして新境地。これぞ映画の魔法です!
(引用元:公式サイト)
 
 
感想
 
共感できなければ微妙かもしれませんが、
 
多少なりとも共感できればおもしろいです。
 
 
姉のアリスと弟のルイが憎み合うのは
 
なんとなくわかるような気がしました。
 
お互い嫌いでも家族だから
 
顔を合わせざるを得ないのはきついです。
 
それでも、根底にお互いを
 
愛しているという気持ちがあるからこそ
 
ジェラシーや憎悪になったりするのかなと。
 
どうでもいい相手だったら気にもかけないので。
 
家族だからこそいつまでも
 
喧嘩を続けていられるという感じも。
 
 
ルイが詩人ということもあり、
 
詩が引用されていたり、
 
空を飛ぶという、ちょっとだけファンタジーな
 
演出があったのも印象的でした。
 
 
両親が事故で入院した病院で
 
ルイが病室の廊下のベンチに座っていたら、
 
会いたくないアリスが現れ
 
コツコツという足音が聞こえてきます。
 
ルイが動揺する様子、耐えきれず逃げるのは、
 
ホラーやサスペンスで何か恐ろしいものが
 
近づいてくるときの雰囲気でした。
 
逆にアリスはルイに気づき失神して倒れます。
 
嫌いだとしてもそこまで!と言う感じでした。
 
 
お互いに意地の張り合いで
 
激しい感情がぶつかり合うのはヒリヒリしますが、
 
子供っぽいような、
 
ちょっと笑える雰囲気もあります。
 
 
アリスとルイにはもう一人弟がいて、
 
彼は2人のクッションのように
 
ほのぼのしています。
 
2人の喧嘩に巻き込まれていないのも、
 
家族の立ち位置としてわかる感じがしました。
 
アリス、ルイ、父、母の4人の中でも
 
微妙な確執があったり、ひいきがあったりするのも
 
わかるし笑えるって感じでした。
 
 
ラストはちょっと意外でしたが、
 
おだやかでいい後味でした。
 
 
アリスと、ルーマニアからフランスに来ていて、
 
食べるものにも困るほどお金がなかった
 
ルチアというファンの女の子との交流を描いた
 
パートもあるのですが、
 
ルチアがその後どうなったのか、
 
ちょっと気になりました。
 
 
上映後のトークイベントには
 
アルノー・デプレシャン監督、
 
のんが描いたイラストのTシャツを着た
 
大九明子監督がご登壇。
 

 

 
大九明子監督がアルノー・デプレシャン監督を
 
リスペクトする思いや、
 
アルノー・デプレシャン監督がこだわったこと、
 
経験から生まれたシーンなど、
 
貴重なお話が聞けました。
 
会場は渋谷のル・シネマ(Le Cinéma) でしたが、
 
アルノー・デプレシャン監督は
 
フランス語の名前の映画館で上映されたことを
 
嬉しく思う、とのことでした。
 
時間をだいぶオーバーしてのトークは
 
記憶に残りそうです。
 
 
そして、フランスからは
 
メルヴィル・プポーのビデオメッセージが。
 

 

アルノー・デプレシャン監督とは
 
日本で親交を深めて、
 
新宿のバー、ラ・ジュテで
 
一緒に飲んだこともある、
 
今回日本に行けないことが残念だということ、
 
などを含め、嬉しいメッセージでした。
 
 
パンフレットには監督のインタビュー、
 
劇中劇や引用された詩についても
 
書かれているので読み応えがあります。
 

 

 
ル・シネマはもともとは
 
渋谷のBunkamuraにありましたが、
 
ただいま工事中のため、同じく渋谷で
 
ちょっと前に閉館した東映跡地で営業しています。
 
Bunkamuraやル・シネマらしい雰囲気が
 
引き継がれていたのでホッとしました。

 

 

以前はシアター内での食事が禁止だったのは
 
個人的にはとても嬉しいことだっだのですが、
 
今は食事OKになっています......。
 
しかし、「ポテトなどのにおいがするものは
 
ロビーでお召し上がりください」
 
とのことなので、ありがたいです。