鑑賞日 2023年7月13日(木)
製作年 1984年
製作国 デンマーク
言語 英語 日本語字幕
尺 103分
日本初公開日 1987年4月25日(土)
原題 FORBRYDELSENS ELEMENT
英題 ELEMENT OF CRIME
レイティング R15+
配給 ユーロスペース
スタッフ
監督 ラース・フォン・トリアー
脚本 ラース・フォン・トリアー、ニース・ヴェーセル
主なキャスト
マイケル・エルフィック:フィッシャー(刑事)
ミー・ミー・レイ:キム(娼婦)
エスモンド・ナイト:オズボーン(フィッシャーの警察学校の恩師)
ジェロルド・ウェルズ:クレイマー(警察署長)
ランス・フォー・トリアー:Schmuck of Ages
概要
腐敗と倦怠に包まれた世紀末のヨーロッパを舞台に、殺人鬼と同一化していく男を描く伝説のデビュー作
フィッシャー刑事の捜査哲学は、犯罪者の視点に立って事件を捉え、解決に導くというものだった。しかし、あまりにも犯罪者の心理を分析する能力に優れていたため、犯罪の渦中に引きずり込まれてしまい…。
(引用元:公式サイト)
感想
4Kデジタル修復版。
ラース・フォン・トリアー監督の
長編デビュー作ですが、
独特の世界観はすでにできあがっています。
フィッシャー刑事が催眠術で過去に戻り、
その中で殺人事件を捜査している様子が
描かれています。
映像はセピア色で
まさに明晰夢を観ているようで
フワフワと浮遊する気分でした。
雨や水が多用されていて、
資料室のような部屋が水に浸かっていたり、
馬や人の亡骸が水中にたくさんあったりと、
異様な状況が結構ありますが、
幻想的で妙なおもしろさがあります。
実際の夢のように話が飛んだりするので
理解しようと頑張りすぎると疲れるかも。
観終わった後になんとなく
断片が繋がっていくように感じました。
寝不足の時に観ると
眠気と戦うことになるかもしれません。
ガラスがちょっとスローで
ガシャーンと割れるのが印象的でした。
夢から覚めたくても覚められなくて
焦る気分を思い出しました。
ラース・フォン・トリアー監督自身が
抱えた精神疾患が作品のイメージに
関係しているのかどうかはわかりませんが、
脳内の闇を旅するような世界観は
なんとも言えない不思議な感じです。
フィッシャー刑事が闇に落ちていくという
ストーリー展開は既視感がありますが、
映像の独特な感じで楽しめました。
こちらは『ノクターン』(1980年/8分/デンマーク)
『エレメント・オブ・クライム』の
本編上映前に併映された短編作品です。