職業×年下男子
消防士編 〜後輩編〜
陸くんに無理言って彼のいる消防署イベントに向かう。
『◯◯さーんっ!』
陸くんが1番可愛がってる後輩で、
唯一知ってる消防士の海青くんが迎えてくれた。
『もしかして、消防イベント来てくれたんですか?』
「うん笑」
『あの、もうすぐ見学ツアー始まりますけど行きます?』
「あ、じゃあ、、お願いします!」
海青くんに連れられ、数人の見学者と共に署内を回る。
『ここがいつも僕達が鍛えてるトレーニング室です。』
「すごい、、」
『少し体験してみましょうか!スタッフが手伝います!』
数人の消防士が近くに来て教えてくれる。
遠くに陸くんが居たけど、別の男性に声をかけられる。
[担当する川村です。よろしくお願いします。]
それから説明を受けて動かすけど、
1番軽い重りのはずなのに全然上がらない。
[流石に、女性の方は難しいですね笑少し支えます]
掴んでた私の手を包み込むように握られる。
「え、、?」
[ちゃんと集中して。怪我しますよ?]
「あ、、はい」
トレーニングをやってるはずなのに、ドキドキしてしまう。
[はい、終わりです。ご苦労様でした。]
「、、あ、ありがとうございます」
遠くでは海青くんが子供に囲まれていた。
(僕、大きくなったらお兄ちゃんみたいな
しょうぼうしになりたい!)
『ありがとう笑いつでも待ってるね』
(うん!)
『じゃあ、次行きますよー!』
みんなの後を追おうとすると、声をかけられる。
[あ、あのっ!]
振り向くと、さっきのえっと、、川村さん?
[あの、もしかして、陸さんの彼女さんですか?]
「そうですけど、、え、えっと、、?」
[写真で見た時よりやっぱりかわいいですね笑笑]
「えっ//?」
[また来てください。その時はもっと話しましょうね笑]
少しあざとい笑顔で行ってしまった川村さん。
『◯◯さーん?行きますよー?』
呼ばれて急いで、後を追いかける。
...⭐︎
『最後に火消し体験に参加してもらいます!』
多くの子ども達が一緒になって参加する。
《じゃ、行きますよー?》
勢いよく水が放射される様子を遠くで見てた。
『参加しなくてよかったんですか?』
「みてるだけで十分笑それにしてもすごい威力だね」
『俺も新人の時は持ってるだけで手一杯でした笑』
「海青くんは街を守ってくれるヒーローでしょ笑?」
『そんなことないです//』
「子ども達みんな言ってたよ笑みんなかっこいいって笑」
『陸さんには負けます笑笑』
「海青くんも優しいし、かっこいいって笑」
『そ、そんな褒めても何も出ないですって笑』
「相変わらずその笑顔もかわいい笑」
気兼ねなく話せる彼と話してると、遠くから声がする。
{わぁーっ!!}
水の威力が強すぎてコントロールが効かず暴れ出す。
《危ないっ離れてっ!!》
暴れたホースが周りに水を撒き散らす。
そして、近くにいた子どもに目掛けて飛んできた。
私は咄嗟にその子を抱きしめ覆いかぶさる。
『◯◯さんっ!!』
腕にホースが当たり、そのまま大量の水がかかる。
それからすぐ水を止められ、大事には至らなかった。
腕の中にいた子どもは無事だったけど、
庇ったことで服が濡れて下着がうっすら透けていた。
「っ//」
動けずにいると、すぐに服をかけられる。
『◯◯さん、こっち』
海青くんとそのまま更衣室まで連れていってくれた。
『ほんと、すみません。』
「もう大丈夫だよ笑笑」
『陸さんのがあればいいんですけど、ロッカー開かなくて。
乾くまで俺ので我慢してください。』
渡されたのは名前の入った半袖のTシャツ。
『ちゃんと洗ってますから、そこは安心してください!
着替え終わったら、怪我の手当てしますから。』
「大丈夫、そんな痛くないし、、」
『だめです。あとでアザにでもなったら、
俺、陸さんに顔向けられませんから』
「分かった。じゃ、お願いするね」
借りた服に袖を通すと、やっぱり男の人のだから大きい。
「お待たせしました。」
海青くんは救急箱を手に待っててくれた。
『さすがに大きかったですね笑』
「海青くんのぶかぶか笑笑」
『ですね笑じゃ、手当てするんで、そこ座っててください』
「うん、、」
腕を捲ると、少しだけ赤くなっていた。
『やっぱり、ここ赤いっすね。』
「これくらい平気なのに笑」
『、、◯◯さん行った時焦りました』
「ごめん、気づいたら体動いてて。
でも、あの子に怪我なくてよかったよ。」
『俺らのせいで、マジすみません、、』
「いいよいいよ笑笑」
『すごいっすね。咄嗟に動けるって。』
「そんなことないよ笑」
『かっこいいけど、、心配になります』
「ごめんね、海青くんが陸くんに怒られちゃうかな笑?」
『そんなのは別に平気です。
でも、すごく、、怖かったです。本当、心臓に悪いです』
「大袈裟だよ笑笑」
『まだ、、ここドキドキしてて。
だから、、少しだけ安心させてください。』
「えっ、、?」
ふわっと海青くんに抱きしめられる。
彼の速い鼓動が伝わり、心配してくれたのだと気づく。
『少しだけ、、このままでいさせてください』
陸くんとは違う大きな身体に
優しく包まれ、ドキドキが伝わってくる。
これは、彼の心臓の音?それとも私の心臓なの?
分からないままゆっくり身体が離れると、目が合う。
『◯◯さん、、俺、、っ』
すると、急いで走ってきた陸くんがいた。
〔◯◯ちゃん?!〕
勢いよく扉が開き、咄嗟に海青くんが私から離れた。
〔大丈夫?怪我したって聞いたけど、、!?〕
「平気だよ、、笑今、海青くんに手当てしてもらって、、笑」
〔あれ?服どうしたの?〕
「あ、水で濡れちゃって、海青くんに借りたの。」
〔ありがとうな、海青。マジで助かった〕
『いえ、俺は、、』
《陸さーんっ!!もう急に抜け出してっ!》
〔今行くから!ごめん、戻らないと笑笑〕
「心配してくれてありがとう笑」
〔俺の大事な彼女だもん笑当たり前でしょ笑〕
「そうだね笑笑」
〔もう帰っちゃう?〕
「え?なんで?」
〔今手伝ってるの終わったら一緒に帰ろ?〕
「え?大丈夫なの?」
〔うん笑だって本当は休みだったんだもん笑〕
「そっか笑じゃあ、待ってる笑」
私に手を振って行ってしまった陸くんを目で追う。
あ、そういえば海青くん、何が言おうとしてたような、、。
「さっき、なんか言いかけてなかった?」
『え?そうでしたっけ?』
「そう?海青くんがいいなら、いいけど。」
何が言いかけてたようだけど、彼がいいっならいっか。
でも陸くんが来る前の間、あれば後輩としてではなかった。
初めてみた彼の姿に少しドキドキが止まらかった気持ちは
心の奥にしまっておこう。
end..?