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tomorrow〜scene22〜

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「みんなに大事な話しがある…」

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やましょーさんが復帰して2日目のリハの前。 日頃は顔を出さない、会社のエライ人が入ってきて、俺らみんな「何事?」って顔を合わせる。

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その一番後ろに、やましょーさんも居て、すっと俺らの前に立つと、ふーって大きく息を吐いた。

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「ツアー、参加できません。すみません。それと…俺、辞めます、RAMPAGE...」

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体をぐっと折りたたんで、そのままの姿勢で「迷惑かけてすみません、すみません」って何度もそう言うた。

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「ちょっ、何?何言うとるん?」

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俺の隣にいた陣さんが、やましょーさんへと近づいてって『頭下げんでええから、ちゃんと説明せぇよ』って肩に触れた。

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「踊れんのんよ…」

小さく呟いたその一言に空気が一瞬で凍り付いた。

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「ケガよくなったって…」

陸さんのその言葉に、みんな「そうよな…」って頷いた。

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昨日のこの時間、みんなで帰ってきたやましょーさんを盛大に迎え入れたばっかりやのに。

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「ケガは治ってる。 歩いて走れる。普通に生活してくには、全然問題ない。

…でも、『踊る』んはできんのやって。昨日、やってみて、わかった。

病院も行ったけど、先生もわからんのやって。

まぁ、医学上は治っとるんやろうな、多分」

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「…そんな」

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「治しようがないって事や」

自虐的にそう笑うと「全然違うんよ…前と。 こんなんで、みんなと一緒のとこには立てん。

かっこつけてるって思うかもしれんけど、『俺が俺を認められん』のんよ」って両手で顔を覆った。

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やましょーさんのこんな感じ見たことない。

そして、今のこの状況が理解できなくて、誰も何も言えなかった。

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戸惑う俺らに、マネージャーさんが『これからのやましょーの進退については、今すぐどうって結論は出さないとして…ツアーに関しては、15人でになるから。

近々になってこんなことになって、ほんと大変なのはわかるんだけど、どうにかみんなで…』

っていう指針が示された。

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もう、そうと決まったら、やらないかん事ばっかで。

寝る間も惜しんで…って言葉がぴったり来る位、みんなで頭を付き合わせて話しあった。

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『踊れない』っていうやましょーさんの話しを聞く、フォローをするなんて余裕は全くなかった。

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そして、『やましょーさんのこの状況を明日美さんが知ったとしたら…』

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何でこの時の俺は、それを考えられんかったんやろう。

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彰吾side

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「終わったな…俺」

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悲しいとか、辛いとかそういう感情は、正直なくて。

『無』って字がぴったりハマる今の俺。

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『とりあえず、一旦休んで、これからの事をゆっくり相談しよう。 うちとしては、最悪グループを抜けるって事になったとしても裏方としてでも…残って欲しい』 

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『辞める』って言うてから会社に言われた事はそれやった。

ありがたいと思う。

興味がないわけじゃない。演出とかそういうのが好きだったのも事実で。 

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でも、それは表舞台に立つ+(プラス)だからこそ成り立つ仕事だった。 

THERAMPAGEやましょーであるからこそ、やりたい仕事だった。

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今の俺にとっては、『裏方として残る』ってのは、ただ未練がましいでしかなくて。 そこに熱量を注げる気は全くしなかった。

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かと言って、何か他に…。

それ以外の何かなんて、生きてきて触れた事もない。 

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人生の選択肢なんて『踊る事』以外に持ち合わせてなかった。


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…next

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